愛憎パンチ!
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運び込まれたのは随分と綺麗な部屋だったようだ。
身体の痛みで目が覚め、起き上がろうとしたが後ろ手に縛られており起き上がれない。
部屋の至る所に置かれた調度品が光を反射し眩しい。
「目覚めたようだな」
『っ』
背後から髪を引っ張られる。
ここの人間は顔を見る時髪を引っ張る以外の方法を知らないのだろうか。
『誰よ』
「…ふむ…」
前髪を乱暴に避けられ、随分近くから顔を覗かれる。
逆光になっているが、男が白い仮面を付けている事は分かった。
暫くそのままジロジロと見つめられ、そして男の口がゆっくりと弧を描く。
「あぁ、やはり…」
納得したように頷き出し、私の髪から手を離すと今度はそのまま手を差し出してきた。
「復讐の為にこんな所まで来るとは。あぁ、この顔を見間違える訳が無い。そんな事は有り得ない。」
『……』
興奮したような悦に浸る声の持ち主は、恐らく立ち上がる私に手を貸そうとしているのだろう。
自分達が手を縛った事すら覚えていないのか。
「ショスナト・ミラ・クライスラー。あのプミラの一人娘。あの事件の唯一の生存者。」
『…だったら何?』
久しぶりに名前を呼ばれ心臓が跳ねる。
男はやっと思い出したのか、差し出してきていた手を肩に移動させ私を座らせた。
正面からまた顔を覗かれる。
不愉快以外の何ものでもない。
「正に天の贈り物。素晴らしい。ショスナト・ミラ・クライスラー。君は今日から私のモノだ。」
◇◇◇◇◇
縛られていた腕を解放され、返り血にまみれた姿のまま随分と綺麗な建物の廊下を歩かされる。
仮面を付けた薄気味悪い男はアルビトロと名乗っていた。
ここトシマについてやその他様々な事をベラベラと説明されたが、ロクに聞く気になれず適当に相槌を打っておいた。
『……』
「……」
だがそれがまずかったのか、アルビトロは途中で消え、先程外で私を殴って気絶させた男2人が私の後ろを歩いていた。
振り向けばニヤついた顔と目が合う。
『…ねぇ、悪いんだけど、ここの空気って私合わないみたい。』
「ぁあ?」
『要は帰りたいってコト。上司にそう伝えて。』
「待てよ女」
振り向き足を止めた私の前に、鉄パイプを持った男が立ち塞がる。
体格が良すぎる。足首に隠したナイフだけでは到底勝てそうにない。
『帰り際を引き留めるのは紳士的じゃないと思うよ』
笑ってみたけど引き攣った笑顔になった気がする。
とりあえず近くに飾られていた壺を投げつけた。
もう、ここまで来たらやるしかない。
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20251013
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