歪む迷路
あなたの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プロジェクト・インキュバスの車に乗り換えた2人は、アマンダとヴォーグルのいるモーテルの前まで来ていた。
装填された拳銃を腰に差したショスナトは口元のマイクを押さえながらプリーストを見る。
『2人は息をしていれば良いの?それとも仕留めて良いの?』
「フリードキン、彼らは殺そう」
〔駄目だ!生きたまま捕獲を!〕
「…という事だ」
ショスナトに向けて首を傾げるプリースト。
呆れたように肩をすくめるショスナトは、耳に付けたイヤホンのマイク部分を強く捻りながら外し、床に捨てると踏み砕いた。
『生きていれば良いのか』
「今のところはな」
『今のところはね』
含みのある会話に頷くショスナトを横目にプリーストが扉を開ける。
モーテルからはヴォーグルが飛び出してきて、車内から現れたのが同胞でない事に驚きたじろいでいた。
ヴォーグルの後ろからアマンダも現れる。
プリーストがヴォーグルの名を呼び、ショスナトが挨拶がわりに『やぁ』と手を上げる。
しかしその頃には2人は背を向け慌てて部屋へと戻って行った。
『……』
ショスナトは上げたままの自分の手を見て、もう一度2人の入った部屋を見た。
勢いよく出て入って行った2人は、挨拶の為にもう一度出て来る事はなさそうだった。
プリーストとショスナトの横には他の車から降りてきた兵が並んだが、誰も声を上げることはなく沈黙が広がっている。
依然手を上げたままのショスナトをプリーストが見た。
「…やぁショスナト。」
『……』
やぁ、と同じく手を上げショスナトに笑みを向けるプリースト。
それを睨むとショスナトは何も言わず手を下ろした。
『催涙弾を投げよう』
「まだ早い。じっくりいこうじゃないか」
『前戯の長すぎる男は嫌われるよ』
「今夜君を抱く時気をつけよう」
『今から彼を撃つけど撃ったのはヴォーグルとアマンダって事にして。』
周囲の兵に向かって叫ぶショスナト。
プリーストは喉を鳴らして笑い、後ろに立つ兵からスピーカーのマイクを受け取った。
__________
20230907添削