歪む迷路
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病院内を歩く2人はそれぞれ銃を所持しており、それを見た一般市民は驚き逃げ去っていく。
だがそもそも皆何かから逃げていたようで、恐怖というよりは助けが来たと安堵の表情を浮かべる者が多かった。
『プリースト、市民は撃ったらダメよ』
横を駆けていく市民と肩をぶつけながらショスナトがプリーストに釘を刺す。
プリーストは肩を竦めた。
「プロジェクト・イカロスが最優先だ」
『イカロスの優先と関係無い忠告の筈なんだけど』
「そうかな?ところでその忠告は君に必要だろ」
にやりと笑みを浮かべたプリーストが振り返る。
ショスナトは首をかしげ、今まさに横を走り抜けようとした看護師の男の腹部をすれ違いざま銃で殴りつけた。
突然の痛みと衝撃に倒れる男。
襟元を掴み上げ、蹲るその身体を無理やり立たせるとショスナトは微笑んだ。
『ハロー。皆どうして逃げてるの?』
「なっ、グ、ゲホゲホッ!」
顔を真っ赤にし、えずく男を優しい笑顔で見つめるショスナト。
その横に呆れた顔のプリーストが並び、困惑している男の背をさすった。
「市民に手を出すのは駄目じゃなかったか?」
『撃っちゃダメって言ったのよ。これは質問。皆分からない事があったら医者か看護師に質問するでしょ?』
「悪いね、彼女に悪気は無いんだ。」
『ほら、時間無いから早くして』
急かすショスナト。
男は2人を交互に見ながら、"GIRL POWER"とかかれた服の女が見せた超常現象について話した。
『さっきのイカれた女ね』
「彼女もイカロスを追っているらしい」
『どこに向かってた?』
「し、知らない。何か探してるみたいだったけど、そんなの分かる訳ない」
『居たのは2階?3階?』
「3階だ!でも、もう移動してるかも」
『充分。』
ショスナトは満足気にポンと男の背を叩き、立ち去る様に促す。
男は怯え慌てながらも走り去って行った。
プリーストとショスナトは顔を見合わせる。
『3階に行こう』
「他のナースには訊かなくて良いか?」
『私はプリーストと違って必要以上の暴力は振るわないのよ』
「君はものを訊ねる度殴りつけるようだな。確かに私とは違うらしい。」
非常階段と書かれた扉を開けるプリーストの背を睨むショスナト。
だが何も言いはせず、その後をついて行った。
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20231006添削