歪む迷路
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「フリードキンじゃないな、一体誰だ?」
プリーストの言葉に双眼鏡から目を外すショスナト。
ちらりと見てくるプリーストと視線を合わせると肩を竦めどうしたのか問うが、「さあな」と口だけを動かされる。
『面白そうな事が起きてるみたいだしやっぱり帰りたいな』
ボソリと独り言を放つショスナトは諦めて視線を病院に戻す。
すると出入口付近に妙な女が近づいて行くのが見え、プリーストに手を振って知らせた。
「…さらに状況が面白くなりそうだぞ。身元不明の女性が建物に向かって近づいてる」
『あの棒は何だろう、枝?』
「添え木って訳じゃなさそうだな」
通信しながらもショスナトに返事を返すプリースト。
ショスナトは依然通信機を持っていない為、フリードキンではないその通信相手が誰なのか分からない。
しかしプリーストの表情から状況は好転している訳でないと薄らと理解していた。
『何してるのかな。あのテープ』
「さぁな。どうやら彼女は…」
『イカれてる』
「イカれてる。ショスナトも同じ意見らしい。」
病院内へと入って行く女。
プリーストとショスナトは一瞬目を合わせ、肩を竦めたり首を捻って再度視線を病院へと戻した。
『とりあえず何者か調べておこう』
「どうする?」
『写真撮った。システムに照合させる』
「全く…君は本当に優秀だな。素晴らしい」
『フリードキンでも理解出来る様に何度も言って』
タブレットを操作しながらプリーストにウインクするショスナト。
そして病院内から閃光が瞬いた。
2人は急いで車の後部座席のドアを開けると銃を取り出し、マガジンを装填した。
すると状況報告していたプリーストが不意に笑う。
「気に入ったよ、ケン」
そう言って通信を終える。
ショスナトは聞き覚えのあるケンという名に口を開くが、その前にプリーストが話し出した。
「行こうか。ショスナト」
『今ケンって言った?』
「あぁ。妬いたか?」
『気に入られてしまった彼に心底同情してる』
「もちろん君が一番のお気に入りさ」
『この銃でその頭撃たせてくれるなら貴方が好きよ』
話は終わりとばかりに病院へと歩き出すショスナト。
プリーストは何か言おうとしたが止め、その後をついて行った。
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202012
20231001