歪む迷路
あなたの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
兵士達にプロジェクト・イカルス以外の被験体を捜す様命じ、運転席に座ってルートを確認していたプリーストは助手席側のドアが開け放たれた途端笑い声をあげた。
それを不審そうに見る、ドアを開け放ち現れた人物ショスナト・クライスラー。
『何笑ってるの』
「君は何してる?」
『仕事してる』
そう言いながら車に乗り込むショスナト。
ドアを閉めシートベルトをつけ一息つくと、車の発進を促す様にプリーストと前方を交互に見た。
だがプリーストはハンドルに触れもせずショスナトを睨む。
「何もイカルスを追う事だけが仕事じゃない。デートは終わりさ」
『仕事を放棄しろっていうの?』
「ここは私に任せて別の被験体を捜せと命じたんだ」
ショスナトは同じく睨みかえし、顔を近付けるとプリーストの鼻を指差した。
『私をいつまでも馬鹿にしてくるのはもう良い。猛獣だか悪人呼ばわりしても結構よ。
でもね、貴方がこの私に命令出来るだなんて勘違いしないで。』
険しい表情を浮かべていたプリーストが眉を上げて鼻を鳴らす。
その口元は随分楽しそうに弧を描いている。
ショスナトの手を避け、窓から見える部隊の車を指で示した。
ブラックウィングの兵士達が乗った車は砂埃を上げ既に遠くを走っていた。
「もう後戻り出来ないぞ」
『プロジェクト・イカルスは私の獲物。私が追う』
「ここからは私と2人だ。何が起こっても知らんよ」
『生憎貴方のお陰で失う物は無い。脅してもムダ。』
じろりと睨みながら吐き捨てる様に話すショスナトにプリーストは笑い、エンジンをかけた。
向かうは保安官事務所。
_____________
202012
20230928添削