歪む迷路
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新たに入手した情報に車を停止させたプリーストとショスナトはプロジェクト・インキュバスの車から降りる。
そして部下からタブレット端末を受け取り動画を再生した。
『確かにトッド・ブロッツマンね』
「ファラ・ブラックも映っている」
プリーストとショスナトは映像を確認すると顔を見合わせ頷いた。
ガソリンスタンドの防犯カメラ映像は画質が悪くハッキリとしないが、そこに映るのがトッドとファラだと2人は確信できた。
『彼らもバーグスバーグに来てる。プロジェクト・イカルスもいる筈よ』
「映像は数日前だ。既にここを離れた可能性もある」
『上に申請しておくから車両の捜索と周辺施設の直近の映像をすぐに手配して。』
タブレットを返すと命令を受けた部下が頷き走り去って行く。
それを見ながらショスナトは携帯を取り出し電話をかけ始める。
プリーストはそれをじっと見ており、ショスナトは呼び出しの間にじろりと睨んだ。
『…何?』
「君の優秀さに関心していたんだ」
『そうね。貴方は必要ないわ。』
吐き捨てるような言葉にプリーストが笑い、通話し始めたショスナトは煩いとばかりに手でそれを払った。
『これで後は待つだけ』
「素晴らしい」
『そんなの良いからフリードキンに報告はしたの?』
通話を終え一息ついたショスナトに拍手してみせるプリースト。
それに眉を寄せるショスナトはプリーストのイヤホンを指さした。
「ほら。彼と話したいだろう?」
『親切と怠惰を履き違えないで』
「寛容な男だと言ってくれよ」
『何よそれ』
イヤホンを外しショスナトに差し出す。
ショスナトは怪訝な表情でそれを受け取るとブラックウィング本部へとかける。
オペレーターが取次ぎ、暫くの後フリードキンへと交代されショスナトが説明を始めた。
『それともう上には許可は取ってあるから。そう、何もしないで良い。あぁ、平気よ。…え?問題ないわ、大丈夫。…もういい?切るわよ』
うっとおしそうに通話を切るとイヤホンを外しプリーストに返す。
プリーストはにやにやとしながらイヤホンをはめた。
「もう良かったのか?」
『私にセクハラしてくる癖に上司との関係を勘繰るのね』
「怪我の心配をされたんだろう?君によく懐いてるじゃないか」
プロジェクト・インキュバスの車ではなく初めに乗っていた車両へと歩き出すショスナトとそれに同行するプリースト。
ショスナトは肩を竦めチラリとプリーストを見た。
『心配もだけど危惧された』
「何をだ?」
『貴方の危険性』
そう言って車に乗り込むショスナトの背後で笑い出すプリースト。
そしてこれからの行先を部下達に伝えると自身も車に乗る。
「おかしな事を言うじゃないか」
『間違ってはない。事実プリーストは危険だし』
「私をここに呼び寄せたのはフリードキンだ」
『こんなにヤバい奴が来ると思わなかったんでしょ』
ショスナトの言葉にもう一度笑う。
そして窓から出した手で車のドアを叩き発進しろと合図した。
「君に懐いておいて変わった男だな」
『懐いてるんじゃなくて味方が欲しいだけよ』
「私は味方だろう?」
『残念だけどフリードキンは貴方が嫌いみたい』
ごめんなさいね、とわざとらしく悲しい顔をしてみせるショスナト。
しかしすぐに吹き出しプリーストの肩を叩いた。
そして車が発進した。
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20230924