裏方とヒーロー
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「着きますよ。準備してください」と告げるパイロットの声と近付いてくるヘリポート。
ショスナトはその景色を睨み、渋い表情で深く息をつくと腹を括った。
「あぁ、遅かったな寝癖頭」
『…申し訳ありませんMr.スターク。』
「寝坊した上車も壊れちゃ仕方無い。私は優しいから気にしないよ。」
エレベーターの扉が開くと両手を広げて待ち構えていたのはトニー・スターク。
予想通りの歓迎にショスナトは苛立ちを覚えながらも笑顔で堪えるが、まだ誰にも話していない今日の不運の連続を指摘され顔を顰めた。
『……』
「で。説明書は?読んだか?」
『…これなら以前使っていました。読まなくとも頭に入ってる』
「おいおい、あんな玩具と一緒にするな」
『生憎、玩具で遂行出来る程度の任務ばかりでしたので』
今日の不運が運では無く意図的に仕組まれたのだと分かり、しかしだからと言ってやった理由が分からないショスナトは、自身からスタークの鼻っ面へと飛び出しそうな右ストレートを耐える為目を閉じた。
そして知ってか知らずか悪びれるでもなく話を始めるスタークに、声色では通常通り返答するも思わず語気が強まる。
「今回はそうはいかない。玩具ですら君以外は使いこなせてなかったろ。
進化したのに試運転で死なれたら即廃棄だ。地球に優しくないぞ。」
「さぁ」と催促するスターク。
ショスナトは今度こそ飛び出そうになった右腕でゆっくりとページを捲る。
だがそれは誰から見ても読む気があるようには見えず、その内に様々な所から機械音が響き出した。
『…なんですこの音?』
「施錠の音だ。ジャーヴィス、絶対に出すなよ」
〈了解致しました。〉
『施錠?』
話が読めず窓ガラスに次々と下がってくる防塵シャッターを見つめるショスナトを余所に、スタークはエレベーターへと足を向ける。
「私は先に行くが、中の暗号を解けばジャーヴィスが解錠する。そしたらすぐ来い。あ、それ全部読まないと解けないからな。」
『は!?何を…っこれは誘拐ですよっ監禁だ!』
「実は適性は無いが私もアベンジャーズなんだ。仲良くやろう」
『それに来いってどこへ!?』
「向こうで待ってる」と場所を答えず出ていくスターク。
慌てたショスナトはエレベーターへと駆け寄るが何も反応はせず、唖然としてその場に立ち尽くした。
〈ショスナト〉
『ジャーヴィス…出して。頼む。』
〈申し訳ありません。トニー様の指示ですので〉
『申し訳ないとか思ってないだろ…』
はあ、とその場にしゃがみ込み頭を抱えるショスナト。
スタークの言葉を反芻し、そして最後の笑顔が思い出され苛立ち壁を殴った。
『裏切り者。俺たち友達っつったのに』
〈私の唯一の友人である貴方をこんな目に合わせ、大変心苦しいです〉
『じゃあ出して』
〈申し訳ありません。トニー様の指示ですので〉
『くっそお…』
頭を抱えたままでいると〈すぐに解けますよ〉とジャーヴィスが励ます。
が、ショスナトは全く動かず、その内に何かに気付いたらしく顔をあげた。
『…ていうか命令とはいえジャーヴィスだよね。俺の車壊したの。』
〈…以前の物とは84%の変更点があります。ショスナトといえど、安全の為には読んでおくべきです。〉
『聞いてる?あと携帯と目覚まし時計も、』
〈こんなやり方ではありますが、トニー様も身を案じているのです。さあ。説明書を。〉
『…ジャーヴィス』
〈はい〉
『俺、お前、きらい』
〈それは残念。でしたら早く解いてお別れとしましょう。〉
『……』
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ジャーヴィスと友達だと良いなって。
スタークは前日ポッツとの時間をコールソンに邪魔された仕返しをショスナトにした。
20150707
20250913添削
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