疾走STARロマンス
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『そしたらさ、胸のところが伸びまくってんの!もうさ、バスケットボール入れなきゃまともに着れないんだよ!』
死体が転がる地下道で響き渡るショスナトのマシンガントーク。
ガンナーはニヤニヤといつもの笑みを浮かべなからショスナトを見下ろした。
「そりゃお前、服をくれた隣のネーチャンがデカイんじゃなくてお前が無さすぎんじゃねえのか?」
『!ガンナーひどい!ねぇヤン!?』
「俺に振るな、こっち見るな」
勢いよくヤンを振り向くショスナトの異常なテンションに隠しもせず引くヤン。
脱出への道を進みながら、ガンナーとショスナトは先頭を騒がしく突き進む。
そこはかとなく、不安な一同。
「まだ残党がいるかも知れない。慎重に行こう」
『はーいトール隊長』
「はーい隊長」
けらけらと笑いながら進む2人。
トールは呆れてバーニーに肩を竦めてみせた。
突如。
2人の斜め前に向かって発砲するヤンとクリスマス。
ドサッと音がして、ガンナーがライトを向けると息絶えた残党の姿。
「『……』」
「"トール隊長"の話聞いてたか?」
転がる男の手にはナイフ。死角からショスナトとガンナーを狙って飛び出してきたらしい。
ショスナトはナイフを奪い取ると、ガンナーと照れくさそうに皆を振り向いた。
『ごめん』
「わりぃ」
へへ、と2人して照れくさそうにもじもじとする姿はまるで叱られそうな子供が機嫌取りに必死な様で、クリスマスは呆れ顔で笑った。
その隣で不愉快そうにヤンが呟く。
「…まるで子守りだな」
ウォンッと風を切る音が、直後ヤンの耳の横をかすめていった。
カンッと岩肌に当たる音が続き、ヤンが振り向く。
そこにはナイフを拾い上げている最中のシーザー。
彼は何故か驚愕の表情を浮かべており、ヤンが同様にナイフの先端へ視線を向けるとそこには細長い物がぶら下がっていた。
「…毒ヘビだ」
「は?」
クリスマスがシーザーからナイフを受け取る。
派手な色をしたヘビは既に息絶えていた。
ぽかんとするヤンに、ショスナトはフフンと胸を張った。
『ほんと、子守りみたい』
鼻を慣らし自慢げに笑うショスナトが先を進む。
依然驚いたまま固まるヤンをガンナーはチラチラと振り向きながら、大股でショスナトの隣に行く。
「おい、やったな。ヤンの顔見たか?すげえ間抜けヅラだ」
『フフン、自分を狙ってる毒ヘビにも気付かないビギナーにはお似合いの表情だわ』
「見直したぜショスナト」
『遅すぎよガンナー』
拳をぶつけて笑い合うガンナーとショスナトの後をついて行きながら、ヤンは苛立つよりもあまりに嬉しそうな2人の様子に素直に笑った。
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20151019
20250712添削
