疾走STARロマンス
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「とにかく。俺はバイクを買わない。ショスナトは引っ越す。それで良いな」
『待ってよ!バイク買ってくれないの?!』
「賛成」と頷く一同にショスナトは異議ありと慌てて挙手した。
その手をガンナーが下ろさせる。
「あの運転じゃ最低でも1日8回は生き返らないと無理だ」
『何その数字!?』
「計算した。」
『ガンナーの計算は当てにならない!』と暴れるショスナトを宥める一同。
だがそれを不機嫌な表情で睨む一人の男。
「諦めろショスナト」
「そうそう。お前は引越して猫脚の家具揃えてろ」
「セクシーな下着もな」
「俺のバイクが先だ」
「…ん?」
え?と振り向くトール。
そこには随分と怒った顔のヤン。
「忘れてた」と誰かの声が聞こえた。
「俺のバイクはどうする気なんだ?リー」
「ショスナトに買ってやるって言ったんだぜ、俺は。自分で買えよ」
「なんだと?」
『待って待って、壊したの私だし!バイクは次の報酬で弁償するから!』
「もしくは今弁償して、俺の家に住むんだな。」
慌てて間に入ったショスナトに対し突然とんでもない提案をするヤン。
掴みかかるクリスマス。
ショスナトは『それだ』と手を叩いた。
「舐めてんのか?」「本気だ」そう囁きあう2人の声は周囲には聞かれず、他のメンバー達はショスナトを説得し始める。
「ショスナト、ヤンの家も駄目だぞ。どっちにしても喰われる」
『バイクって普段から使うし…無いと困るでしょ?』
「ヤンはガソリンケチってマイヤミでもサハラでも歩く男だ」
『でも…』
「弁償したいならしろ。言ったろ、別に構わねえ。部屋は空いてんだ」
『んー…ごめん、バーニー。約束破っちゃうけどもう少しお願い』
「っ分かった、分かったよ!」
決心したように頷くショスナトを見て、クリスマスと睨み合っていた筈のヤンが慌てて声を張る。
全員の視線が集まると、ヤンはまるで凍った唇を溶かすように舐めながらゆっくり口を開いた。
「…バイクの弁償は…しなくて良い」
「「「『…え?』」」」
「だから今日から住める部屋を探せ」
「おい、ヤン、お前、」
「守銭奴が金を払わなくて良いだって?」
「頭でも打ったか」
「脳の検査したほうが良いんじゃないか」
ざわつくメンバーをじろりと睨み「お前らに払わせたって良いんだぞ」とヤンが言う。
一同は驚きで目を見開き、ガンナーはヤンの額に手を当てた。
「熱はないな」と頷くガンナーにヤンのパンチが横腹に入る。
『ヤン、少し待ってくれたら弁償するよ、嘘じゃない』
「それまでバーニーの家に居座る気か?」
『バーニーは良いって言ってくれてる』
「駄目だ」
『でも、』
「もう決まりだろう?ショスナトは引っ越す。バイクは買わない。」
「これ以上この話は無しだ」とヤンが背を向け帰っていく。
呆然とするのはショスナトだけではなく、他の長年の仲間達もヤンの決定に驚いて固まった。
「…なあ」
「なんだよクリスマス」
「ショスナトがアイツからいくら巻き上げられるか賭けよう」
「「乗った」」
『悪趣味…』
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20151009
20250712添削
