疾走STARロマンス
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「それで、どこに彫りたいんだ?」
落ち着きを取り戻したツールが椅子に座るショスナトの正面に立ち、真剣な表情で見下ろした。
『それがまだ迷ってて』
「じゃあ今度だな」
『そんな嫌わないでよツール』
「誰のせいだ」
『え?』と首を傾げるショスナトにツールは「なんでもない」と手を振ると椅子に座った。
『けど候補は絞ってる』
「どこだ?」
『うなじと胸。』
「胸?」
「「胸だって?」」
勢いよく立ち上がるクリスマスとヤン。
2人は互いに顔を見合わせ、気まずそうに咳払いしながら顔を背けた。
「…お前らティーンか?」
「ショスナト、理由はなんだ?」
呆れるツールの視線を避ける為か、ヤンは椅子に座りなおしながらショスナトに顔を向ける。
『うまく言えないんだよね』
「いつもそうだろ」
『失礼なやつ。なんて言うかな、ええと…この隊はほら、私の命なんだよ』
照れくさそうに髪に指を通すショスナト。
『だからかな』と恥ずかしさを誤魔化すように笑う姿にツールはにやりと笑いその頭を撫でた。
『何、オッサンって言ってないよ!』
「お前、ガキだな。」
『大人だよ。ツールがオッ…私より大人なだけ』
「バーニー、この子犬どこで手なずけたんだ?」
「拾ったのはリーだ。それが勝手に懐いた」
「躾はなってねぇが」
「可愛いもんだろ」
微かに誇らしげに微笑むバーニーに対し機嫌が良くなったのか笑いながら頷くツール。
ショスナトはそんな2人を交互に見ながら顔を顰めた。
『…ね、ちょっと待って。私まさか馬鹿にされてる?』
「かもな」
『かもって何!馬鹿にしてるじゃん絶対!』
「胸が良いんじゃないか」
『え?』
途端に真剣な表情で「ここ」と自分の右胸を親指でトントンと示すツール。
「心臓の上だ。それに見えやすい」
『…そう?』
「うなじなんてお前の頭じゃ見えやしない。坊主にすれば見えるだろうが」
『ええ…ハゲは嫌。クリスマスと被る。』
「ハゲじゃねえ剃ってんだ」
「だから被るってんだろ」
バーニーの指摘に「あぁ…」と納得するクリスマス。
呆れるツールをよそにショスナトは決めた様で、肩に掛かる髪を束ねた。
『よし。頼むよツール。』
「痛いって泣くなよ」
『とーぜん。』
上着を勢いよく脱ぎ出すショスナト。
それを見てトールが慌てて立ち上がった。
「!ばっ、待てショスナト!ここで脱ぐ気か!!」
『え?』
「…お前のことはどうも嫌いになれそうにないな」
『人柄の良さが分かってきたか』
顎に手を当て唸るツール。
タンクトップ1枚の状態でそんなツールと向き合うショスナトはフフンと鼻を鳴らしながら胸を張った。
「トール…」
「空気読めよトール」
「…何言ってんだお前ら」
小声でクリスマスとヤンがトールジロリとトールを睨んだ。
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自分の命よりも大切で、唯一の居場所のエクスペンダブルズだから心臓かうなじっていう急所の上に彫りたかったっていう話。長い。
2024-12-03添削
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