疾走STARロマンス
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「おいおい、お前が店に女連れてくるなんて明日地球が滅ぶな」
エクスペンダブルズのメンバーが店に入るとツールは驚いた顔を浮かべ大声で笑った。
「馬鹿野郎。こいつは新しい仲間だ」
「仲間?この可愛らしいお姫様が?」
『お姫様呼びはもういい』
「んじゃ女王様か。そういうのは俺の好みだぜ」
『…バーニー。私この人嫌い』
バーニーを見ながらツールを指差し嫌そうな表情を浮かべるショスナト。
その子供じみた行動にバーニーは苦笑し、ツールは余計に笑い出した。
「で、久しぶりになんだ?メンバー紹介か」
「女と旅行に出てったきり何ヶ月も帰って来なかった奴にも一応俺は礼儀を通すぜ」
「帰ってきたろ?それに彼女は向こうに残してきた。俺の恋は終ったのさ。
ただの旅行が仕舞にゃ傷心旅行だ。やってらんねぇ。」
くそ、と何か思い出したのか悪態をつくツール。
思い出を語り出すがメンバーは皆興味ない様で、バーニー以外の全員は各々店内で寛ぎ始めた。
「感傷に浸ってるとこ悪いがそろそろ本題に入って良いか?」
「本題なんてあったのか?さっさと話せ。新しいタトゥーでも入れるか?」
『その事なんだけど』
ツールの言葉に少し不安げながら名乗り出るショスナト。
『私に彫ってくれない?』
「…可愛らしい猫ちゃんでも彫って欲しいのか?」
『違う、消耗品軍団の証』
ショスナトの返答にバーニーを見るツール。
バーニーはそれに頷き、ツールは少し驚いた。
「本気か、バーニー」
「こいつは本気らしい」
『あ!誘っといて酷いな!』
「ここでタトゥー彫りたいって言ってたろ」
『あ、そっち。そりゃ皆の仲間に認められたいし彫ってもらいたいよ』
照れくさそうに自分の胸を叩くショスナト。
その様子にツールは何か言いかけたが少し悩み、目を細め頷いた。
「…ま、とやかく言う気はねぇよ」
『充分言ってる』
「手元狂うことがあるけど許せ」
『許せない!!』
『やっぱ他で彫る!』と叫ぶショスナトにバーニーとツールは笑い出した。
その声を聞いてメンバーがニヤつきながらショスナトの元へ集まる。
「なんだショスナト、彫らねえのか?」
「怖いなら手ぇ繋いでてやろうかショスナト」
『うっさい!』
ショスナトの頭を撫でるガンナー。
その手を振り払うと今度はクリスマスが頭を撫でた。
ショスナトは諦めず繰り返し振り払うが、その状況を他のメンバーが皆面白そうに眺めている事に気づき顔を赤くした。
『だってこのオッサン手元狂うかもとか言ってくるんだよ!?』
「オッサン?」
「言われたなオッサン」
「オッサンだって?」
「怖いねえ若者。」
ショスナトの一言にツールは驚愕し、メンバーは吹き出した。
ツールは不機嫌をそのまま顔に出してショスナトの頭を撫でまわし始める。
『いたい!』
「よぉーしよし。誰がオッサンだ?だったらお前は赤ん坊か?」
『首取れる!やめてオッサン!!』
「!?」
「また言ったぞ!この命知らず!」
「良いぞショスナト、もっと言ってやれ!」
店内に再度メンバーの笑い声が響く。
ツールにはトドメだったのか、撫でる手は止まりフラフラとカウンターに寄りかかった。
しかし目だけは鋭く、睨みあげながらショスナトを指差した。
「赤ん坊…お前にはエルモのタトゥーシールで上等だ」
『私クッキーモンスターの方が好きよ』
「……」
「ツール、お前の負けだな」
「あぁ…クソ」
今度こそトドメとばかりに項垂れたツールの姿にメンバーは更に笑い店内は随分と久しぶりに賑やかな場所となった。
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2024-12-02添削