疾走STARロマンス
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ヤンと共に店に現れたショスナトを隣に誘い、クリスマスは次の任務についてのミーティングが終わった後ショスナトに話しかけた。
「なぁショスナト。明日ひまか?」
『え?暇だけど、何』
「まだここらに詳しくないだろ?観光してメシでも食いに行こうぜ」
『メシ!行こう!』
椅子に寄り掛かり欠伸をするショスナトはクリスマスの言葉に姿勢を正す。
その反応にクリスマスは安心し、次の言葉を発そうとするとヤンが先に口を開いた。
「ほぉ?俺にこの前の詫びで酒奢ってくれるんじゃなかったのか?」
『あ。しまった…忘れてた…忘れてろよ…』
「首が痛かった」
『悪かったって。マッサージしてやったでしょ?』
「…お前、次は無いからな。何が起きても文句言うなよ。」
「なんの話だ?」
割って入ったヤンと会話を始めるショスナト。
何の事か分からず話に入れないクリスマスは咳払いし、わざとらしく2人の間に入った。
振り向くショスナト。
ほんの僅かにムッとするヤン。
「別に、大した話じゃない。」
『そう。全く大した話じゃない。』
「ほぉー?」
『今自分で言った!』
「……」
ぎゃあぎゃあとまたも2人で話し出す。
仲が良いのは良い事だ、と思いながらもモヤモヤとする胸にクリスマスはもう一度話に割って入った。
「それで、明日は?」
『もちろん。行くよ』
「別に明日じゃなくても構わない」
『いや、明日が良い。良いよねヤン?』
『ね?』とヤンに首を傾げるショスナト。
ヤンは明らかに「NO」の表情を浮かべていたがショスナトには伝わっておらず、諦めて大きく息を吐いた。
「…良いんじゃないか?奢りの酒程美味いものはない」
『やった!』
「奢りとは一言も言ってないぞ」
嬉しそうにバンザイと両手を上げるショスナト。
関心なさげなヤンと無理やりハイタッチするその様はまるで親子にさえ見える。
少なくとも恋人には見えない。
だがそんなことよりも、自分とのデートを喜んでいる様子のショスナトにクリスマスはニヤつくのを抑えられなかった。
『じゃ、ガンナーやシーザー達にも聞いてくる!』
「おう。…ん?」
え?とクリスマスがショスナトを見ると笑顔で返され、寛いでいるシーザーの元へ向かっていた。
会話こそ聞こえないが身振り手振り話しているショスナトは、その内背中からでも分かる程喜びだした。
そして次はガンナーの元へ駆けていく。
クリスマスは頭を抱えた。
「……。」
「一筋縄じゃいかないんだよ。あの女」
「…お前も失敗したクチか?」
「俺はあんな子ザル興味ない」
「……」
フン、と鼻を鳴らすヤンにツッコむ気力もなくクリスマスはもう一度ショスナトを見る。
どうやらガンナーも参加が決まったようで2人でハイタッチしていた。
「普通デートの誘いだって分かるだろ」
「やめとけ。」
「なんで」
「終いには殴られる」
驚きで目を見開き、ヤンを見る。
クリスマスのその視線をうっとおしそうに手で払いながらヤンは睨んだ。
「なんだ」
「殴られたのか?」
「横を掠めただけだよ。」
「まさか手出したのか?」
「違う。向こうが寝惚けてたんだ」
「……一緒に寝たのかっ!?」
「………」
「おいヤン、どうなんだ?まさか、」
「あぁ、クソ」
慌てて立ち上がりガタガタとヤンの肩を掴んで揺らすクリスマス。
ヤンは己の失言に溜息をつき、そのまま肩を揺すられながらガンナーとショスナトに向かって手を振り助けを求めた。
しかしガンナーとショスナトがそれを汲みとる事はなく、2人は揃って笑顔で手を振り返していた。
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20230907添削
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