マッサージしてみるよ!(足)
「みぺり、足を出せ〜」
「あ、足? なにごと?」
るくらがまた突然妙なことを言い出した。ソファーでダラダラしながらSNSを見ていたみぺりは聞き返す。
「この前肩とか背中とかマッサージしたでしょ? 今度は足をね、やってみようかなって。また実験台になって♡」
「なるほどね! 実験台Mとはわたしのことだよ」
そういうことなら大歓迎だよとみぺりは靴下を脱ぐ。
ちょっと待っててね、とるくらが立ち上がってどこかに消えた。
ソファーに座り直して大人しく待っていると、るくらが戻ってきた。絞ったタオルを持っている。
隣に来たるくらがみぺりの両足をタオルで覆った。ホカホカの熱が足全体に染み込んでいく。
「あったかい……」
「温めることで血行をよくして筋肉の緊張もほぐしてうんぬんかんぬんだよ」
「たしか前回も言ってたね」
程よい温かさに両足を包まれ、自然とリラックスしていく。されるがままにふくらはぎや足首、足の甲や裏、爪先まで、ワシャワシャと拭かれていく。これだけでも気持ちいい。
やがて冷め始めたタオルを床に置き、るくらはみぺりの左足を掴んだ。
「じゃ、こっちの足からやっていくよ〜」
「受けて立つ! おねがいします」
足首から膝にかけて流すように手のひらで押されていく。あまり力は入れていないらしく、そこまでの刺激はない。
これから始まる癒やしへの期待が高まっていく。
すっ、すっと、二度、三度繰り返す。
「みぺりっていつも脚出してるから、ふくらはぎとかこわばってそうだなぁと思ってたんだよね〜」
「そう? 自分では分からないかも」
「そういうのって気付かぬうちに溜まってるもんだよ」
「えー、それはやだなぁ」
でも、こうしてマッサージしてくれているからきっと大丈夫だね、とみぺりは安心した。
続いて、両手で包み込むように揉まれていく。下から上へ、ぎゅっ、ぎゅっと軽く力を加えながら上がっていく。
ふくらはぎの肉が押されて形を変えるのが見ていて面白い。少しくすぐったいけれど、心地よい。
「何か流れてる感じー」
「でしょ。もう一往復しとこう」
今度は両手の親指をふくらはぎに当てて、ぐいっ、ぐいっと押していく。だんだん下に向かい、足首までたどり着いたら、また上へ。点の刺激が、脂肪の奥にある筋肉に届く。
膝の裏まで指圧をし終えると、るくらは両手を引っ込めた。
よいしょ、とるくらは正座に座り直すと、みぺりの左足を自分の膝に乗せた。
「人の足の裏なんて触る機会ないから新鮮だな〜」
「そうだね……?」
反応に困るコメントと共に、るくらは握った手の関節を当てて足裏を刺激していく。上下にぐりぐり、左右にも、ぐりぐり。車輪のようにげんこつが足裏を満遍なく往復していく。
足ツボだ! とみぺりはわくわくした。
「力加減はこんな感じでいいかな。痛くない?」
「だいじょーぶ!」
みぺりは元気よく答える。
痛くはないけれど、くすぐったさと心地よさが同時に来るのでなんだか落ち着かない。表情が緩むのが自分でも分かる。
土踏まずが一番痛気持ちいい。なんて思っていると、その土踏まずを集中的にぐりぐりされた。
「この辺りはなんかのツボがどうたらでこうたららしいよ〜」
「何も分からないよ!」
内容のないるくらの言葉にツッコミを入れるみぺり。そりゃあ、何かのツボはあるだろうけど……。
その間にもゴリゴリと関節で土踏まずを押されている。ゴリゴリ、ぐりぐり。
丁度いい痛気持ちよさに、感覚もほぐれていく。
「踵も忘れずに、っと……」
るくらの手が下りる。踵を両手のひらで包まれた。転がすような、捏ねるような手つきにため息が漏れる。
足首の骨のでっぱりと踵の間の、くぼんでいるところを両の拳でぐりぐりと刺激された。骨と骨が当たって少し痛みはあるものの、耐えられるレベルではある。
「指いくね〜」
「ほいほーい」
足の指全体を包まれ、軽く内側に折り曲げられた。ぐっ、ぐっ、と二度折り込まれると血流もよくなった気がする。
じんわりとした温かさが血の流れに乗って、全身に運ばれていくようだ。
続いて足の指を掴まれたまま、足首をぐるぐると回された。なんだか首を回しているみたいだ。
「ぐるりんちょ」
「ぐるりんちょ?」
3回転して、反対にも3回転。
足首を掴む手が離れた。足の指の間にるくらの指が入り、まるで手を繋ぐように握りしめられる。
前に、後ろに倒され、ぐーっと足首から爪先までが伸びていく。ストレッチだ、と気付いた。
手がそっと離れたと思ったら、足指を一本ずつ引っ張られた。親指を軽く摘んでは横に開く。そして人差し指、中指、と移っていく。指がニョキっと伸びていく気がした。
「こんな感じかな〜」
みぺりの左足がるくらの膝からそっと下ろされた。これにて終わりらしい。
左足全体が温かくなり、とてもすっきりした気分になった。左右で見た目こそあまり変わらないが、感覚は全然違う。
「次は右だね」
「足が二本あってよかったよ。気持ちよさも2倍!」
「なにそれ〜」
笑い声と共に右足が持ち上げられた。みぺりは期待に心を弾ませ、身を任せた。
「あ、足? なにごと?」
るくらがまた突然妙なことを言い出した。ソファーでダラダラしながらSNSを見ていたみぺりは聞き返す。
「この前肩とか背中とかマッサージしたでしょ? 今度は足をね、やってみようかなって。また実験台になって♡」
「なるほどね! 実験台Mとはわたしのことだよ」
そういうことなら大歓迎だよとみぺりは靴下を脱ぐ。
ちょっと待っててね、とるくらが立ち上がってどこかに消えた。
ソファーに座り直して大人しく待っていると、るくらが戻ってきた。絞ったタオルを持っている。
隣に来たるくらがみぺりの両足をタオルで覆った。ホカホカの熱が足全体に染み込んでいく。
「あったかい……」
「温めることで血行をよくして筋肉の緊張もほぐしてうんぬんかんぬんだよ」
「たしか前回も言ってたね」
程よい温かさに両足を包まれ、自然とリラックスしていく。されるがままにふくらはぎや足首、足の甲や裏、爪先まで、ワシャワシャと拭かれていく。これだけでも気持ちいい。
やがて冷め始めたタオルを床に置き、るくらはみぺりの左足を掴んだ。
「じゃ、こっちの足からやっていくよ〜」
「受けて立つ! おねがいします」
足首から膝にかけて流すように手のひらで押されていく。あまり力は入れていないらしく、そこまでの刺激はない。
これから始まる癒やしへの期待が高まっていく。
すっ、すっと、二度、三度繰り返す。
「みぺりっていつも脚出してるから、ふくらはぎとかこわばってそうだなぁと思ってたんだよね〜」
「そう? 自分では分からないかも」
「そういうのって気付かぬうちに溜まってるもんだよ」
「えー、それはやだなぁ」
でも、こうしてマッサージしてくれているからきっと大丈夫だね、とみぺりは安心した。
続いて、両手で包み込むように揉まれていく。下から上へ、ぎゅっ、ぎゅっと軽く力を加えながら上がっていく。
ふくらはぎの肉が押されて形を変えるのが見ていて面白い。少しくすぐったいけれど、心地よい。
「何か流れてる感じー」
「でしょ。もう一往復しとこう」
今度は両手の親指をふくらはぎに当てて、ぐいっ、ぐいっと押していく。だんだん下に向かい、足首までたどり着いたら、また上へ。点の刺激が、脂肪の奥にある筋肉に届く。
膝の裏まで指圧をし終えると、るくらは両手を引っ込めた。
よいしょ、とるくらは正座に座り直すと、みぺりの左足を自分の膝に乗せた。
「人の足の裏なんて触る機会ないから新鮮だな〜」
「そうだね……?」
反応に困るコメントと共に、るくらは握った手の関節を当てて足裏を刺激していく。上下にぐりぐり、左右にも、ぐりぐり。車輪のようにげんこつが足裏を満遍なく往復していく。
足ツボだ! とみぺりはわくわくした。
「力加減はこんな感じでいいかな。痛くない?」
「だいじょーぶ!」
みぺりは元気よく答える。
痛くはないけれど、くすぐったさと心地よさが同時に来るのでなんだか落ち着かない。表情が緩むのが自分でも分かる。
土踏まずが一番痛気持ちいい。なんて思っていると、その土踏まずを集中的にぐりぐりされた。
「この辺りはなんかのツボがどうたらでこうたららしいよ〜」
「何も分からないよ!」
内容のないるくらの言葉にツッコミを入れるみぺり。そりゃあ、何かのツボはあるだろうけど……。
その間にもゴリゴリと関節で土踏まずを押されている。ゴリゴリ、ぐりぐり。
丁度いい痛気持ちよさに、感覚もほぐれていく。
「踵も忘れずに、っと……」
るくらの手が下りる。踵を両手のひらで包まれた。転がすような、捏ねるような手つきにため息が漏れる。
足首の骨のでっぱりと踵の間の、くぼんでいるところを両の拳でぐりぐりと刺激された。骨と骨が当たって少し痛みはあるものの、耐えられるレベルではある。
「指いくね〜」
「ほいほーい」
足の指全体を包まれ、軽く内側に折り曲げられた。ぐっ、ぐっ、と二度折り込まれると血流もよくなった気がする。
じんわりとした温かさが血の流れに乗って、全身に運ばれていくようだ。
続いて足の指を掴まれたまま、足首をぐるぐると回された。なんだか首を回しているみたいだ。
「ぐるりんちょ」
「ぐるりんちょ?」
3回転して、反対にも3回転。
足首を掴む手が離れた。足の指の間にるくらの指が入り、まるで手を繋ぐように握りしめられる。
前に、後ろに倒され、ぐーっと足首から爪先までが伸びていく。ストレッチだ、と気付いた。
手がそっと離れたと思ったら、足指を一本ずつ引っ張られた。親指を軽く摘んでは横に開く。そして人差し指、中指、と移っていく。指がニョキっと伸びていく気がした。
「こんな感じかな〜」
みぺりの左足がるくらの膝からそっと下ろされた。これにて終わりらしい。
左足全体が温かくなり、とてもすっきりした気分になった。左右で見た目こそあまり変わらないが、感覚は全然違う。
「次は右だね」
「足が二本あってよかったよ。気持ちよさも2倍!」
「なにそれ〜」
笑い声と共に右足が持ち上げられた。みぺりは期待に心を弾ませ、身を任せた。
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