目がない
(エレベーターが開く)
べきせ「うわ」
妥木 「あ! あぶな——」
「!」
「くなかった。さすが私ね」
「……。出会い頭に自画自賛するなよ」
「今のでぶつからなかったんだからすごいでしょ。それよりどきなさい。降りる人優先よ」
「はいはい。——すごい荷物だな。それで歩いてきたのか?」
「このくらい余裕よ余裕。それより、丁度よかったわ」
「手伝わないぞ。すぐそこだろ」
「間に合ってるわよ。——これ」
「なんだよ?」
「買いすぎちゃったからあげるわ、肉まん」
「……どうも。え、二袋も?」
「全部で五十袋ぐらいあるからね」
「バカの買い物?」
「バカとは何よ。安くなってたからつい、ね。こんなときもあるでしょ?」
「ねーよ。つい、で買う量じゃないぞ。その荷物、全部肉まんなのか?」
「そうよ?」
「……。腐らせるなよ」
「賞味期限は——三日後ね。ふむ」
「無理だろ」
「いけるわ」
「いけるのか?? その量全部???」
「一日二十五袋食べれば二日で完食。余裕ね」
「バカの計算?」
「バカとは何よ! これ以上ない完璧な計画よ」
「……もういい。——そんなに残ってたんなら、全然売れてなかったってことだろ。よく買ったよな」
「これ美味しいのに。店が悪いのよ、知らないけれど。ほら、あの近くの、なんだか暗くて怪しい店よ」
「その説明で分かるかよ。どこだよ?」
「看板が剥がれててボロくて、いつも線香臭いところ」
「ああ、あの立地が悪すぎるところか……。潰れないのが不思議だ。掘り出し物が多いのはいいんだが」
「ええ。——あ、そうそう」
「なんだよ?」
「サボテン大量入荷! 投げ売りセール! ってのやってたわよ」
「ほ、本当か!? 確かか!?」
「すごい食いつきね。——マジよ。行ってらっしゃい〜」
——数日後。
「完食! 余裕だったわ。——ん、なんか、隣のベランダからブツブツ聞こえるわね……」ガラッ
「ちょっと! うるさいわよ! こんな夜中にサボテンに話しかけてんじゃ——うわ、多っ!」
「つい買いすぎた……」
べきせ「うわ」
「!」
「くなかった。さすが私ね」
「……。出会い頭に自画自賛するなよ」
「今のでぶつからなかったんだからすごいでしょ。それよりどきなさい。降りる人優先よ」
「はいはい。——すごい荷物だな。それで歩いてきたのか?」
「このくらい余裕よ余裕。それより、丁度よかったわ」
「手伝わないぞ。すぐそこだろ」
「間に合ってるわよ。——これ」
「なんだよ?」
「買いすぎちゃったからあげるわ、肉まん」
「……どうも。え、二袋も?」
「全部で五十袋ぐらいあるからね」
「バカの買い物?」
「バカとは何よ。安くなってたからつい、ね。こんなときもあるでしょ?」
「ねーよ。つい、で買う量じゃないぞ。その荷物、全部肉まんなのか?」
「そうよ?」
「……。腐らせるなよ」
「賞味期限は——三日後ね。ふむ」
「無理だろ」
「いけるわ」
「いけるのか?? その量全部???」
「一日二十五袋食べれば二日で完食。余裕ね」
「バカの計算?」
「バカとは何よ! これ以上ない完璧な計画よ」
「……もういい。——そんなに残ってたんなら、全然売れてなかったってことだろ。よく買ったよな」
「これ美味しいのに。店が悪いのよ、知らないけれど。ほら、あの近くの、なんだか暗くて怪しい店よ」
「その説明で分かるかよ。どこだよ?」
「看板が剥がれててボロくて、いつも線香臭いところ」
「ああ、あの立地が悪すぎるところか……。潰れないのが不思議だ。掘り出し物が多いのはいいんだが」
「ええ。——あ、そうそう」
「なんだよ?」
「サボテン大量入荷! 投げ売りセール! ってのやってたわよ」
「ほ、本当か!? 確かか!?」
「すごい食いつきね。——マジよ。行ってらっしゃい〜」
——数日後。
「完食! 余裕だったわ。——ん、なんか、隣のベランダからブツブツ聞こえるわね……」ガラッ
「ちょっと! うるさいわよ! こんな夜中にサボテンに話しかけてんじゃ——うわ、多っ!」
「つい買いすぎた……」