振り回される

礎数(そすう)「この墓地、こんなに広いの……? マジで暗いし不気味だし、何か出そう……」
残下(ざんげ)「すっ……、……ち!」
「ひ! 気のせい気のせい、何も聞こえない……」ガクブル
「待つで……るよ」
「ち、近付いてきてる! 何何何」ガクガクブルブル
「そすっち!」ガシ
「ぎゃああああああああ!!!!! ななななな何!?!?!?」
「う〜ら〜め〜し〜や〜」
「ギャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「あっ……、行ってしまった。ちょっと脅かすだけのつもりであったが……。韋駄天でおじゃるなあ」

「はあ、はあ……。もういない?」キョロキョロ
「さっきのってお化け……? ていうかやばい、ここどこ……? 迷っ、た?」
「そすっち!」
「ひっ! え、——残下ちゃん!?」
「いかにも。走るのが速いでおじゃるなぁ。疲れたであろうぞ……」
「うわああ、会えてよかったああああ……。一人でマジ怖かったんですよ!」
「ここはいつも不気味であるからなぁ。日当たりも悪い。——仕事でおじゃるか?」
「そうです。この墓地を通ると近道らしいんすけど、……迷っちゃったみたいっす。残下ちゃん、道分かったりしますか?」
「もちのろんでおじゃる。ついてくるがよい」
「よっしゃ! パーティメンバーになるっす」
「そすっちが仲間になったでおじゃる。——こんなところに頭蓋骨が」
「ひえぇっ!!」ガシッ
「ぐおっ。——あ、ただのデカい石だったでおじゃる」
「ビビらせないでくださいよ〜! ——残下ちゃんは、なんでここに?」
「近くに穴場があるんでおじゃるよ。めぼしいものは今日はなかったでおじゃるが」
「? ——ああ、ゴミ漁りっすか。ホントにやってるんですね〜!」
「お主もどうかの? 笑顔の絶えないアットホームな作業でおじゃるよ」
「ブラック企業の常套句っすか?」
「くくく。——一旦止まるでおじゃる」
「? なんす——ギャ!!! なんか当たった! 神罰っすか!?」ギュウウ
「ぐ、苦し……。この辺り、カラスがくるみの殻を、投げてくるんでおじゃ……」
「めっちゃカアカア言ってるっす! うう、早く行きましょう」ガシ
「ぐわっ……。……ここを抜ければ出口はすぐ、で、おじゃる、よ」
「ならダッシュで行くっすよ!」グイ
「ぐぇ! 引っ張るでない、待つでおじゃ、ぬわーーー!!?!??」

「はあ、はあ……なんとか出られたっすね……」
「…………」
「あれ、残下ちゃん? ……白目剥いてる」
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