暇つぶし
「神よ、人間の愚かさを許せ……。――神は麻呂でおじゃった。てへ」
「何この人」
「麻呂は許そう、全てを――。人間の不完全さをも――」
「この人、なんなの???」
「さて、本題に戻るでおじゃるが」
「…………。犬派と猫派、争いがち問題ね」
「異なる意見を尊重できないんでおじゃるかね? まあ犬畜生よりにゃんこのほうが圧倒的にかわいい、というのがこの世の理でおじゃるが」
「発言に一貫性を持ちなさい。――ていうか神を自称しているのに、えこひいきするのね」
「それはそれ、これはこれでおじゃるよ」
「むちゃくちゃだわ。残下さんが本当に神だったら、世界は荒れ果て世紀末状態でしょうね」
「――時に、だぼっくーよ」
「何?」
「お主はどっち派でおじゃるか」
「え、犬派だけど」
「神敵が! 今すぐ成敗してくれよう!」
「えええ……? あまりにもひどすぎる手のひら返しだわね? 争うのはやめようって話じゃなかった?」
「にゃん♡」
「(ちょっとかわいいかも?)私は犬好きだけど、別に猫派を否定する気はないわ。犬も猫もかわいいと思ってるし」
「そうやって善人を気取るんでおじゃるな。お主はとんだ偽善者でおじゃるよ」
「コイツ……。さっき全て許そう――って言ってたじゃないの。それはどうなのよ」
「にゃにゃ? にゃーん♡」
「ぶち転がすわよ」
「くくく、他人をおちょくるのは楽しいでおじゃるなぁ! お主もからかい甲斐がある!」
「はあ、もういいわ……。ところで残下さん」
「何であるか?」
「もう二時間ぐらいは経ってるわね?」
「そうでおじゃるな」
「こういう時って数十分で助けが来るものだと思っていたけれど……」
「日曜の早朝故に時間がかかっているんでおじゃろう」
「ツイてないわよね。エレベーターに閉じ込められるなんて」
「代わりにきっと後でいいことがあるでおじゃるよ、知らないけど(開ボタンを押す)」
「それ私の真似? ――あ」
「開いた……。ふ、麻呂の神力でおじゃるな」
「そんなわけないでしょ……」
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