侵入者
べきせ「(今日も森で放し飼いにしている触手の様子を見に来たわけだが……森の雰囲気がいつもと違う。どこか変だ。まるで異物があるかのような……。原因はなんだ? 誰かいるのか?)」
残下 「ニャーーーー!!!」
「……明らかに人の声だ。不審者が侵入しているのか」
「にゃおーん。にゃー! にゃーーー!」
「(いた。あれは――残下。よりによって面倒なやつ……)」
「なー……何者!?」
「……猫の鳴き真似の練習か?」
「おお、べきべきではないか。奇遇――でおじゃるか」
「(べきべき?)人を効果音にするな。猫人間め」
「いかにも猫人間であろうぞ。猫を追いかけ、気付いたら見失ってしまったのでおじゃるからな。――しかも迷った。困ったちゃんでおじゃるよ」
「どんな猫だ?」
「茶トラでおじゃる。明るい茶色の縞模様で、手足が白い」
「見つけたら知らせるから、きみは帰れ。長居すると危ないぞ」
「それはできぬ。この手で連れて帰らぬことには、安心できないでおじゃるから。それに道も分からないであろうぞ。――物言いからして、お主はここの管理者か?」
「そんなところだ。――仕方ないから探すぞ」
「ふむ。麻呂の勘ではあっちのほうにいる気がするでおじゃるな」
「(まずい、そっちには触手がいる……接触させるわけにはいかない)待て。きみはこの辺りを探せ。迂闊に動いたらまた迷うかもしれない」
「それもそうでおじゃるな。しかしお主はいいのか?」
「慣れているから問題ない」
「ほう? 森にどんな用事があるのか気になるでおじゃるな」
「単なる私用だから、大したことじゃない。気にするな」
「――行ってしまった。ふむ……、気になるでおじゃるなぁ」
「(……こんな暗くて隠れられるところだらけの場所で猫を探す? 最も探しものに向かない場所じゃないか?)――いた! うまく誘導してあいつのところに行かせよう。すんなり見つかったな」
「…………。――あ、猫ちゃん! よちよち。見つけてくれたんでおじゃるな」
「もう迷い込むなよ。追いかけっこは開けたところでやれ」
「そうでおじゃるな。感謝するであろうぞ! ――さあ帰るでおじゃるよ猫ちゃん♡」
「嫌がってないか?」
「そんなことないでおじゃ――痛っ! ……あっ」
「行ってしまったな。……え、もしかしてもう一度探すのか?」
「…………気まぐれなところもかわいいでおじゃるな……」
「絶対自分に言い聞かせてるだろ」
「……明らかに人の声だ。不審者が侵入しているのか」
「にゃおーん。にゃー! にゃーーー!」
「(いた。あれは――残下。よりによって面倒なやつ……)」
「なー……何者!?」
「……猫の鳴き真似の練習か?」
「おお、べきべきではないか。奇遇――でおじゃるか」
「(べきべき?)人を効果音にするな。猫人間め」
「いかにも猫人間であろうぞ。猫を追いかけ、気付いたら見失ってしまったのでおじゃるからな。――しかも迷った。困ったちゃんでおじゃるよ」
「どんな猫だ?」
「茶トラでおじゃる。明るい茶色の縞模様で、手足が白い」
「見つけたら知らせるから、きみは帰れ。長居すると危ないぞ」
「それはできぬ。この手で連れて帰らぬことには、安心できないでおじゃるから。それに道も分からないであろうぞ。――物言いからして、お主はここの管理者か?」
「そんなところだ。――仕方ないから探すぞ」
「ふむ。麻呂の勘ではあっちのほうにいる気がするでおじゃるな」
「(まずい、そっちには触手がいる……接触させるわけにはいかない)待て。きみはこの辺りを探せ。迂闊に動いたらまた迷うかもしれない」
「それもそうでおじゃるな。しかしお主はいいのか?」
「慣れているから問題ない」
「ほう? 森にどんな用事があるのか気になるでおじゃるな」
「単なる私用だから、大したことじゃない。気にするな」
「――行ってしまった。ふむ……、気になるでおじゃるなぁ」
「(……こんな暗くて隠れられるところだらけの場所で猫を探す? 最も探しものに向かない場所じゃないか?)――いた! うまく誘導してあいつのところに行かせよう。すんなり見つかったな」
「…………。――あ、猫ちゃん! よちよち。見つけてくれたんでおじゃるな」
「もう迷い込むなよ。追いかけっこは開けたところでやれ」
「そうでおじゃるな。感謝するであろうぞ! ――さあ帰るでおじゃるよ猫ちゃん♡」
「嫌がってないか?」
「そんなことないでおじゃ――痛っ! ……あっ」
「行ってしまったな。……え、もしかしてもう一度探すのか?」
「…………気まぐれなところもかわいいでおじゃるな……」
「絶対自分に言い聞かせてるだろ」