番外編6 宮城旅行のその後
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そんなわけで三日後
仕事が終わった私は、手が空いていた白石さんに、別邸へ送り届けてもらった
白石さんはそのままご自宅へ帰っていったので、本当に手が空いていたんだろう
留守さんは社内を走り回っていたので、声を掛けられる雰囲気じゃなかった
「兄様、いますかー?」
「Welcome back.
ちょうど土産も届いたぜ」
「ほんとですか?」
ダイニングテーブルの上には、兄様と小十郎さんが買ったお土産が山積みになっている
そのうちのいくつかはそれぞれの自分用であるらしく、綱元さんへのお土産には付箋が貼ってあって、そこに「綱元」と書いてあった
兄様は大きな紙袋にまとめたらしく、その中には酒瓶が二本とおつまみが数点、例のワインカップにずんだ餅が収められている
「行くか」
「はい」
小十郎さんと綱元さんはまだお戻りではないようで、兄様はボディバッグから鍵を取り出すと、玄関の鍵を施錠した
別邸の門を出てぐるっと塀伝いに歩けば、本邸の出入口である立派な日本家屋の門が、ドン──と現れる
その門の隣に通用口があって、兄様はそこを押して入っていった
ちょっと低いので、背の高い兄様はかなり腰を屈めて通らねばならず
ゴン、と頭を掠めて「Shit!」と悪態が零れていた
「兄様も頭をぶつけることあるんですね」
「てんでcoolじゃねぇな……」
「仕方ないですよ、入口が低いんですし……ふふ」
「笑うな」
不貞腐れたように言って、兄様はぶつけた所に手を伸ばした
けっこう痛かったんだな……
前庭を通って玄関を開け、土間で靴を脱いで揃えると、兄様は勝手知ったるように廊下をスタスタと歩いていく
慌ててそれを追いかけて、たどり着いたのは居間だった
ノックもせずにスターンと襖を開けたせいで、中で寛いでいたご当主様が「うおぉ!?」と飛び上がり、テーブルで太ももを強打したのが見えた
「邪魔するぜ」
「お、お前、せめてノックぐらいしろよ!?」
「自分ちなんだ、knockは必要ねぇだろ?」
「せめて部屋の外から一言くらい声を掛けてもよかったのでは……」
「その声は……姫か!?」
なんで声だけで判別できるんだ
そこまでご当主様と会話したこともないと思うのに
そもそも兄様が壁になってるのが悪いんだけど
「ご無沙汰しております、ご当主様
ちょっ、兄様、いつまで突っ立ってるんですか!
お部屋に入ってください!」
「Ah,sorry.」
兄様がお部屋に入ってくれたおかげで、私もご当主様に頭を下げることができた
兄上様もいらっしゃったので、にこやかに手を振ってくれた兄上様にもぺこりとお辞儀をして
お手洗いから戻ってきたお東様が、私と兄様を見て「あら」と小さく目を丸くした
「二人揃ってなんて珍しい」
「無理言って付き合わせただけだ」
「無理を言われたので付き添いです」
「はっは、姫も言うようになったじゃねぇか!
で……あれだろ、土産でも持ってきたんだろ」
「相変わらず無駄に勘のいい野郎だ」
ため息をついた兄様が、ご当主様の前に酒瓶をドン、ドンと二本
そしておつまみセットをばらっと綺麗に扇状に並べた
「酒飲みにはピッタリだろ」
「ほお、やるじゃねぇか
さっそく冷やして明日飲むとするぜ」
「お袋はこいつだ」
「あら割れ物?」
「開けてみりゃわかる」
お東様が蓋を開けて、割れないように包まれたそれを取り出す
包装紙を剥がせば姿を表すのは、玉虫塗のワインカップだ
それもペアである
「わ、素敵な色だね
玉虫塗?」
「へぇ……お前でも分かるもんなのか」
「箱に書いてあるから」
「せっかく褒めてやるつもりだったんだが、それじゃ褒めてやれねぇな」
首を竦めた兄上様に、兄様がくつりと笑った
その兄上様に渡されたのは、ずんだ餅
もちろん個包装だ、みんなで食べてほしい
「本当にずんだ餅だ」
「お前がrequestしたんだろ」
「ありがとう兄さん、みんなで食べるよ」
「ああ、ついでにこいつも付けておく」
兄様がぽんと置いたのは、緑茶の茶葉
伊達茶と書いてある
そういえば桃生でお茶を作ってるんだっけ
ちゃっかり買ってたんだな
「じゃ、確かに渡したぜ」
「もう帰るの?」
「せっかくなら食ってきゃいいだろ?」
「誘ってくれたところ悪いが、この後は夕華と兄妹水入らずでdinnerの予定でな
俺で良けりゃ、明日にでも食いに来てやる」
「夕華も連れてきなよ」
「こいつは成実の許可がいるから無理だ」
「それじゃ仕方ねぇな
成実がいなけりゃいいんだな?」
「うん……ん?」
「来週あたり、三日間くらい出張に行かせるか!」
ナチュラルに社長権限を使ってきたな
兄様がドン引きしてる
ごめん流石の私もドン引きした
「さァてどこにやるかなァ……
いっそ沖縄くらいまで行ってもらうか?
いや三日間となると北海道のほうが都合いいか……」
「またしても何も知らない成実さんが出来上がってしまった……」
「……Good luck,成実」
悪役のような笑みを浮かべるご当主様には触れず、私と兄様は、お東様と兄上様にだけ挨拶をして、本邸を出た
可哀想に、明日の朝に出社したら、いきなり「来週、北海道出張よろしくな」とご当主様に肩をぽんってされるんだろうな、成実さんは
「は、北海道……北海道!?」って目をひん剥く成実さんは容易に想像できた
……頑張ってくれ、成実さん
ところで兄様、このあとディナーって言った?
言った……よね?
仕事が終わった私は、手が空いていた白石さんに、別邸へ送り届けてもらった
白石さんはそのままご自宅へ帰っていったので、本当に手が空いていたんだろう
留守さんは社内を走り回っていたので、声を掛けられる雰囲気じゃなかった
「兄様、いますかー?」
「Welcome back.
ちょうど土産も届いたぜ」
「ほんとですか?」
ダイニングテーブルの上には、兄様と小十郎さんが買ったお土産が山積みになっている
そのうちのいくつかはそれぞれの自分用であるらしく、綱元さんへのお土産には付箋が貼ってあって、そこに「綱元」と書いてあった
兄様は大きな紙袋にまとめたらしく、その中には酒瓶が二本とおつまみが数点、例のワインカップにずんだ餅が収められている
「行くか」
「はい」
小十郎さんと綱元さんはまだお戻りではないようで、兄様はボディバッグから鍵を取り出すと、玄関の鍵を施錠した
別邸の門を出てぐるっと塀伝いに歩けば、本邸の出入口である立派な日本家屋の門が、ドン──と現れる
その門の隣に通用口があって、兄様はそこを押して入っていった
ちょっと低いので、背の高い兄様はかなり腰を屈めて通らねばならず
ゴン、と頭を掠めて「Shit!」と悪態が零れていた
「兄様も頭をぶつけることあるんですね」
「てんでcoolじゃねぇな……」
「仕方ないですよ、入口が低いんですし……ふふ」
「笑うな」
不貞腐れたように言って、兄様はぶつけた所に手を伸ばした
けっこう痛かったんだな……
前庭を通って玄関を開け、土間で靴を脱いで揃えると、兄様は勝手知ったるように廊下をスタスタと歩いていく
慌ててそれを追いかけて、たどり着いたのは居間だった
ノックもせずにスターンと襖を開けたせいで、中で寛いでいたご当主様が「うおぉ!?」と飛び上がり、テーブルで太ももを強打したのが見えた
「邪魔するぜ」
「お、お前、せめてノックぐらいしろよ!?」
「自分ちなんだ、knockは必要ねぇだろ?」
「せめて部屋の外から一言くらい声を掛けてもよかったのでは……」
「その声は……姫か!?」
なんで声だけで判別できるんだ
そこまでご当主様と会話したこともないと思うのに
そもそも兄様が壁になってるのが悪いんだけど
「ご無沙汰しております、ご当主様
ちょっ、兄様、いつまで突っ立ってるんですか!
お部屋に入ってください!」
「Ah,sorry.」
兄様がお部屋に入ってくれたおかげで、私もご当主様に頭を下げることができた
兄上様もいらっしゃったので、にこやかに手を振ってくれた兄上様にもぺこりとお辞儀をして
お手洗いから戻ってきたお東様が、私と兄様を見て「あら」と小さく目を丸くした
「二人揃ってなんて珍しい」
「無理言って付き合わせただけだ」
「無理を言われたので付き添いです」
「はっは、姫も言うようになったじゃねぇか!
で……あれだろ、土産でも持ってきたんだろ」
「相変わらず無駄に勘のいい野郎だ」
ため息をついた兄様が、ご当主様の前に酒瓶をドン、ドンと二本
そしておつまみセットをばらっと綺麗に扇状に並べた
「酒飲みにはピッタリだろ」
「ほお、やるじゃねぇか
さっそく冷やして明日飲むとするぜ」
「お袋はこいつだ」
「あら割れ物?」
「開けてみりゃわかる」
お東様が蓋を開けて、割れないように包まれたそれを取り出す
包装紙を剥がせば姿を表すのは、玉虫塗のワインカップだ
それもペアである
「わ、素敵な色だね
玉虫塗?」
「へぇ……お前でも分かるもんなのか」
「箱に書いてあるから」
「せっかく褒めてやるつもりだったんだが、それじゃ褒めてやれねぇな」
首を竦めた兄上様に、兄様がくつりと笑った
その兄上様に渡されたのは、ずんだ餅
もちろん個包装だ、みんなで食べてほしい
「本当にずんだ餅だ」
「お前がrequestしたんだろ」
「ありがとう兄さん、みんなで食べるよ」
「ああ、ついでにこいつも付けておく」
兄様がぽんと置いたのは、緑茶の茶葉
伊達茶と書いてある
そういえば桃生でお茶を作ってるんだっけ
ちゃっかり買ってたんだな
「じゃ、確かに渡したぜ」
「もう帰るの?」
「せっかくなら食ってきゃいいだろ?」
「誘ってくれたところ悪いが、この後は夕華と兄妹水入らずでdinnerの予定でな
俺で良けりゃ、明日にでも食いに来てやる」
「夕華も連れてきなよ」
「こいつは成実の許可がいるから無理だ」
「それじゃ仕方ねぇな
成実がいなけりゃいいんだな?」
「うん……ん?」
「来週あたり、三日間くらい出張に行かせるか!」
ナチュラルに社長権限を使ってきたな
兄様がドン引きしてる
ごめん流石の私もドン引きした
「さァてどこにやるかなァ……
いっそ沖縄くらいまで行ってもらうか?
いや三日間となると北海道のほうが都合いいか……」
「またしても何も知らない成実さんが出来上がってしまった……」
「……Good luck,成実」
悪役のような笑みを浮かべるご当主様には触れず、私と兄様は、お東様と兄上様にだけ挨拶をして、本邸を出た
可哀想に、明日の朝に出社したら、いきなり「来週、北海道出張よろしくな」とご当主様に肩をぽんってされるんだろうな、成実さんは
「は、北海道……北海道!?」って目をひん剥く成実さんは容易に想像できた
……頑張ってくれ、成実さん
ところで兄様、このあとディナーって言った?
言った……よね?
