番外編6 宮城旅行のその後
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結局、魔王様による説教大会は、私が「ご飯ですよ!」と声をかけるまで続いた
もっと早く救出したかったけど、一人で五人分の食事を用意するとなると、時間も相応にかかるのだ
フローリングに正座していた三人は、あまりの足の痛みにしばらく立ち上がれなかった
「この鰤大根、よく味が染みておりますな」
「無水調理鍋でやってみました」
「なんかこういう家庭的な料理が、自分の中でけっこう恋しかったんだなって、食べてて思った」
「ちょっと懐かしいくらいには、懐石料理を食べまくりましたもんね」
「あれはあれで乙なもんだが、当分和食は食いたかねぇな……」
「俺もしばらく洋食か中華が食いてぇや」
「わかります」
綱元さんは、そういうものですか、という感じで食べ進めている
綱元さんもやってみたらいいよ、五泊の夕食がことごとく懐石料理の旅を……
まさか夕食が一日もブレることなく懐石料理になるとは思わなかったから、私も当分は洋食と中華で夕飯を作る気がする
それにしても、ちょっと意外だったのは綱元さんだ
「綱元さんは私の口調に不満をお持ちではないんですね」
「直そうと頑張っても直せなかった夕華様を存じておりますからな
無理に直すべきとは思いませんし、必要な場面では相応の振る舞いができるお方です
それにこの綱元は案外、綱元さんと呼んでいただけるのが気に入っておりまして」
「私しか呼ばない気がしますけど……」
「だからこそです
夕華様に呼ばれたのだと、すぐに気付けるでしょう」
なるほど、それは盲点だ
確かにみんな、綱元さんの事を呼び捨てにする
さん付けで呼ぶのなんて私だけだ
だからそれがいい──なんて、嬉しいことを言ってくれるものだ
「綱元さんの爪の垢を煎じて飲ませたい」
「勘弁してくれマジで」
「何が悲しくて綱元の爪の垢なんざ……
調子乗って『いくらでも煎じてやりましょうほらどうぞ』だのなんだの言うに決まってる」
「おやさすが政宗様、付き合いが長いだけありますな」
「最悪だぜ……」
小十郎さんに至っては、何を言っても自分の旗色が悪くなると悟っているようで、無言を貫いている
私もまあ、綱元さんの爪の垢は怖くて飲めないけど
比喩表現だと分かってはいるけど、綱元さんを手本にできるかというと……ちょっと……怖い……
「それよりも、土産は配送の手配をかけたとの事でしたが、本邸へは?」
「それなら一旦こっちに届くようにしてある
別荘をこんだけ贅沢に使ってやったんだ、俺たちが宮城にいることくらい、親父も知ってはいるだろうが──
土産物くらいはテメェで持ってってやらねぇとな」
その意見には賛成だ
ご当主様にはこの旅行中、お世話になった場面もあったんだから
……主に仙台のお昼ご飯で
「そうですな、それが宜しいかと」
「牛タンの店だって親父が予約してくれていたらしい
その礼じゃねぇが、世話になった筋は通さなきゃならねぇ
たとえそれが身内だったとしてもな」
「私の分までご当主様に宜しく伝えてください」
「一緒に行けば?
梵と一緒なら緊張しねーだろ」
「え、いいんですか?」
「いいも何も、お前の父親でもあるだろうが
好きに出入りしてやればいい
あの破天荒がただの親バカになる瞬間は、なかなか面白ぇぜ?」
伊達家の中でも一、二を争う破天荒が、人のことを言えたものではないと思うけどな……
それでも兄様の言うことは正しい
兄様と私は、今生でも一応、血の繋がりがある
育った場所こそ違えど、私たちは正真正銘の兄妹だ
だから兄様の家族は、私にとっても家族だっていうのは、分かってはいるけれど──
「それじゃあ、兄様と一緒に行きます」
「手元に届いたら声掛けてやる」
ひとりではまだ気軽に足を向けられない私の心境を、兄様はきっと知っているんだろう
好きなように出入りも出来ない
本当の家族みたいに甘えることも出来ない
それが許されているのは、兄様だけなんだと思う
私が父様のことをご当主様とお呼びしているのも、その線引きだ
それでも兄様と一緒だったら……
きっと私も、家族の末席に加えてもらえる気がする
「ご当主様には何をお渡しするんですか?」
「とりあえず親父の好きそうな酒と、好きそうなツマミと……
ああ、あとお袋に玉虫塗のwine cupを、親父のとpairで渡すのと……
政道はずんだ餅がいいってrequestもらってたから、それを」
「ワインカップなんていつの間に買ってたんですか?」
「白石城にあった」
「えっうそ、気付かなかった」
「お前は値段見てthroughしたんだろ」
……いくらするんだ、そのワインカップ
調べるのはやめておこう
兄様の金銭感覚と私のそれは、一生理解し合えないものだから……
もっと早く救出したかったけど、一人で五人分の食事を用意するとなると、時間も相応にかかるのだ
フローリングに正座していた三人は、あまりの足の痛みにしばらく立ち上がれなかった
「この鰤大根、よく味が染みておりますな」
「無水調理鍋でやってみました」
「なんかこういう家庭的な料理が、自分の中でけっこう恋しかったんだなって、食べてて思った」
「ちょっと懐かしいくらいには、懐石料理を食べまくりましたもんね」
「あれはあれで乙なもんだが、当分和食は食いたかねぇな……」
「俺もしばらく洋食か中華が食いてぇや」
「わかります」
綱元さんは、そういうものですか、という感じで食べ進めている
綱元さんもやってみたらいいよ、五泊の夕食がことごとく懐石料理の旅を……
まさか夕食が一日もブレることなく懐石料理になるとは思わなかったから、私も当分は洋食と中華で夕飯を作る気がする
それにしても、ちょっと意外だったのは綱元さんだ
「綱元さんは私の口調に不満をお持ちではないんですね」
「直そうと頑張っても直せなかった夕華様を存じておりますからな
無理に直すべきとは思いませんし、必要な場面では相応の振る舞いができるお方です
それにこの綱元は案外、綱元さんと呼んでいただけるのが気に入っておりまして」
「私しか呼ばない気がしますけど……」
「だからこそです
夕華様に呼ばれたのだと、すぐに気付けるでしょう」
なるほど、それは盲点だ
確かにみんな、綱元さんの事を呼び捨てにする
さん付けで呼ぶのなんて私だけだ
だからそれがいい──なんて、嬉しいことを言ってくれるものだ
「綱元さんの爪の垢を煎じて飲ませたい」
「勘弁してくれマジで」
「何が悲しくて綱元の爪の垢なんざ……
調子乗って『いくらでも煎じてやりましょうほらどうぞ』だのなんだの言うに決まってる」
「おやさすが政宗様、付き合いが長いだけありますな」
「最悪だぜ……」
小十郎さんに至っては、何を言っても自分の旗色が悪くなると悟っているようで、無言を貫いている
私もまあ、綱元さんの爪の垢は怖くて飲めないけど
比喩表現だと分かってはいるけど、綱元さんを手本にできるかというと……ちょっと……怖い……
「それよりも、土産は配送の手配をかけたとの事でしたが、本邸へは?」
「それなら一旦こっちに届くようにしてある
別荘をこんだけ贅沢に使ってやったんだ、俺たちが宮城にいることくらい、親父も知ってはいるだろうが──
土産物くらいはテメェで持ってってやらねぇとな」
その意見には賛成だ
ご当主様にはこの旅行中、お世話になった場面もあったんだから
……主に仙台のお昼ご飯で
「そうですな、それが宜しいかと」
「牛タンの店だって親父が予約してくれていたらしい
その礼じゃねぇが、世話になった筋は通さなきゃならねぇ
たとえそれが身内だったとしてもな」
「私の分までご当主様に宜しく伝えてください」
「一緒に行けば?
梵と一緒なら緊張しねーだろ」
「え、いいんですか?」
「いいも何も、お前の父親でもあるだろうが
好きに出入りしてやればいい
あの破天荒がただの親バカになる瞬間は、なかなか面白ぇぜ?」
伊達家の中でも一、二を争う破天荒が、人のことを言えたものではないと思うけどな……
それでも兄様の言うことは正しい
兄様と私は、今生でも一応、血の繋がりがある
育った場所こそ違えど、私たちは正真正銘の兄妹だ
だから兄様の家族は、私にとっても家族だっていうのは、分かってはいるけれど──
「それじゃあ、兄様と一緒に行きます」
「手元に届いたら声掛けてやる」
ひとりではまだ気軽に足を向けられない私の心境を、兄様はきっと知っているんだろう
好きなように出入りも出来ない
本当の家族みたいに甘えることも出来ない
それが許されているのは、兄様だけなんだと思う
私が父様のことをご当主様とお呼びしているのも、その線引きだ
それでも兄様と一緒だったら……
きっと私も、家族の末席に加えてもらえる気がする
「ご当主様には何をお渡しするんですか?」
「とりあえず親父の好きそうな酒と、好きそうなツマミと……
ああ、あとお袋に玉虫塗のwine cupを、親父のとpairで渡すのと……
政道はずんだ餅がいいってrequestもらってたから、それを」
「ワインカップなんていつの間に買ってたんですか?」
「白石城にあった」
「えっうそ、気付かなかった」
「お前は値段見てthroughしたんだろ」
……いくらするんだ、そのワインカップ
調べるのはやめておこう
兄様の金銭感覚と私のそれは、一生理解し合えないものだから……
