番外編5 宮城旅行仙台編・最終日
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苦肉の策、と言うには不相応ではあるが、私たちはずんだを手に入れた
ただしそれは餅ではなく──
「念願の……ずんだシェイク!!」
「ずんだをシェイクにしようって考えたヤツ、マジで天才だよな」
「It’s so cool.
Nice arrangeだな」
「枝豆の甘みが生かされたままシェイクになるとは……いささか驚きましたな」
四人で仲良くずんだシェイクを手に、スマートフォンのインカメラでパシャリ
三人とも私より身長が高いので、兄様にやってもらえばよかったな
「夕華、貸せ」
「上手にお願いします、兄様!」
私のスマートフォンで兄様が再び写真を撮る
さすが兄様、慣れている
渡された写真も綺麗に全員が収まっていた
「ありがとうございます!」
「夕華、後でそれ送ってくれ」
「この小十郎にも後ほどお願いしたく……」
「後でグループのLEINに貼っておきます!」
それではいざ、実食!
真冬に冷たいものを飲むことにまったく抵抗のない我々は、最高気温が一桁でもシェイクを飲むのだ
口の中に広がる枝豆の風味と甘み
不思議とこれらが絶妙にマッチしている
有り体に言えば……
「美味しい!!」
「ほんとだ、美味いなこれ」
「Fum……悪くねぇ
よく考えたもんだ」
「ずんだ餅そのものは苦手な者も、シェイクであれば抵抗はないのやもしれませんな」
「ずんだ餅はずんだ餅で美味しいですけどね」
「枝豆の風味が苦手なやつもいるんだろうなー」
それはそうかもしれない、少なくともここにはいないけど
なにせ世界が違えば、我々がずんだの発祥者だからね!
ずずーっと最初に飲み終わったのは成実さん
そのすぐ後に小十郎さん、兄様、最後に私の順で飲み終えた
さて、いよいよお土産タイムだ!
「萩の月、萩の月!
地酒も買って帰りたいですよね」
「笹かまでも買って帰るか、なぁ小十郎?」
「この小十郎は長なす漬けを買おうかと
夕華様、地酒であれば政宗様がお詳しくていらっしゃいまする」
「夕華が萩の月なら、俺は喜久福にすっかなぁ」
お土産屋さんが並ぶエリアに移動して、気になった店を片っ端から覗いていく
萩の月、ずんだラングドシャ、ずんだ餅……とカゴにポイポイ入れていくと、見かねた成実さんが持ってくれた
「こーら、成実さんの仕事を取るなー」
「成実さんの仕事は私の荷物持ちじゃないはずですよ?」
「それも仕事のうちなんだよ、うちの姫様は自立心が強すぎていけねぇ」
「自立心がないと、すぐ駄目になりそうなので」
「駄目になりゃいいのに」
「なんてこと言うんですか!」
ケタケタと笑った成実さんが、目敏く喜久福を見つけてカゴに入れた
特段、何を誰に渡すと決めているわけじゃないから、自分が食べる用に買ったもの以外の中から、海夜に渡すものを選ぼうかな
高確率でずんだラングドシャになりそうだけど
「食い物系はこんなもんか?」
「ですね!
お会計お願いします!
私は兄様と地酒を選んできます!!」
「りょーかい
美味いの選んできてくれ」
「任されました!
兄様、行きましょう!」
「All right.
つーわけだ、小十郎
あとは任せたぜ」
「はっ」
兄様とお土産屋さんを出て、一階の酒屋へ
壁一面に色んなお酒が並んでいて、よりどりみどりだ
「わ、すごい、いっぱいある……!
これだけあるとどれがいいか迷いますね……」
「お前は甘口だろ」
「ちょっとくらいなら辛口も飲めます!」
「へーへー……ん?」
兄様が手にしたのは、缶ビール
墨絵の政宗公のイラストと共に、仙臺驛政宗麦酒って書いてある
クラフトビールかな、美味しそう
「買うか」
「買いましょう」
「綱元と原田の分もいるか」
「ご当主様とお東様と兄上様の分もいりますよ」
「……何本になるんだ、それ?」
「えっと……九本です」
「Oh……持って帰れるか?」
「大人しく配送依頼をかけましょう……」
「……そうだな」
政宗公と同じく右目を眼帯で覆った兄様は、やはり仙台の地では大目立ちだ
すぐに店員さんが飛んできて、しどろもどろになりながら接客についてくれた
私好みのフルーティーな日本酒を一本と、成実さんの好きなキリッと辛口の日本酒を一本
兄様は最初から買って帰る日本酒を決めていたようで、迷いなく阿部勘の酒を手に取っていた
「松島で飲んだお酒ってどれでしたっけ」
「蔵の華か?」
兄様がすぐにそれを見つけて手に取ってくれた
それも美味しかったから買って帰ろう
いったい何本買うんだと言われたら、好きなだけ買う、が答えだ
ここに来て買おうかどうかなんて迷わないのが我々である
「親父にゃコイツがいいか」
「それ何ですか?」
「阿部勘と勝山のcollaboration」
「ご当主様が好きそう」
「だろ?」
いたずらっ子みたいな笑い方をして、兄様が店員さんにお酒を渡した
総額でいくらなのかは考えない、それが我々の買い方である
「とりあえず……送り先は別邸にしとくか」
「あ、私と成実さんのは別にしてください
そっちは私の家に配送してもらうので」
「OK.
コイツとコイツ以外の全部で頼むぜ」
配送用の伝票に綺麗な字で住所を書き、兄様がそれを差し出す
この育ちが良いんだかヤンキーなんだか分からない人が、書道師範代レベルの美文字をお持ちなんだから、世の中分からないものだ
私の分の伝票も兄様が代わりに書いてくれて、お金も一括で支払ってくれた
さて、今頃は成実さんと小十郎さんが、山になったお土産の配送依頼をかけた頃だろう
手ぶらで帰りたい我々は、その日のうちにお土産を渡すという考えがないのである
「そろそろ合流するか」
「ですね!
改札前で待ち合わせにしましょう」
店員さんに見送られて、私たちは新幹線の改札前へと向かうことにした
LEINで集合場所を知らせて、既読がついたのを確認
そのまま改札の近くで待っていると、思った通り手ぶらの二人が足早にやってきた
「思った通り、全員見事に手ぶらだな」
「重い荷物を引きずって帰りたくないですもん」
「使えるものは使えばよいかと
買い忘れがなければ、改札を通りますが……」
「あったら次回の宿題だ
帰ろうぜ!」
小十郎さんから切符を受け取って、改札に通す
こうして四時半を少し過ぎた頃──私たちは仙台の地につかの間の別れを告げた
ありがとう仙台、また来年!
ただしそれは餅ではなく──
「念願の……ずんだシェイク!!」
「ずんだをシェイクにしようって考えたヤツ、マジで天才だよな」
「It’s so cool.
Nice arrangeだな」
「枝豆の甘みが生かされたままシェイクになるとは……いささか驚きましたな」
四人で仲良くずんだシェイクを手に、スマートフォンのインカメラでパシャリ
三人とも私より身長が高いので、兄様にやってもらえばよかったな
「夕華、貸せ」
「上手にお願いします、兄様!」
私のスマートフォンで兄様が再び写真を撮る
さすが兄様、慣れている
渡された写真も綺麗に全員が収まっていた
「ありがとうございます!」
「夕華、後でそれ送ってくれ」
「この小十郎にも後ほどお願いしたく……」
「後でグループのLEINに貼っておきます!」
それではいざ、実食!
真冬に冷たいものを飲むことにまったく抵抗のない我々は、最高気温が一桁でもシェイクを飲むのだ
口の中に広がる枝豆の風味と甘み
不思議とこれらが絶妙にマッチしている
有り体に言えば……
「美味しい!!」
「ほんとだ、美味いなこれ」
「Fum……悪くねぇ
よく考えたもんだ」
「ずんだ餅そのものは苦手な者も、シェイクであれば抵抗はないのやもしれませんな」
「ずんだ餅はずんだ餅で美味しいですけどね」
「枝豆の風味が苦手なやつもいるんだろうなー」
それはそうかもしれない、少なくともここにはいないけど
なにせ世界が違えば、我々がずんだの発祥者だからね!
ずずーっと最初に飲み終わったのは成実さん
そのすぐ後に小十郎さん、兄様、最後に私の順で飲み終えた
さて、いよいよお土産タイムだ!
「萩の月、萩の月!
地酒も買って帰りたいですよね」
「笹かまでも買って帰るか、なぁ小十郎?」
「この小十郎は長なす漬けを買おうかと
夕華様、地酒であれば政宗様がお詳しくていらっしゃいまする」
「夕華が萩の月なら、俺は喜久福にすっかなぁ」
お土産屋さんが並ぶエリアに移動して、気になった店を片っ端から覗いていく
萩の月、ずんだラングドシャ、ずんだ餅……とカゴにポイポイ入れていくと、見かねた成実さんが持ってくれた
「こーら、成実さんの仕事を取るなー」
「成実さんの仕事は私の荷物持ちじゃないはずですよ?」
「それも仕事のうちなんだよ、うちの姫様は自立心が強すぎていけねぇ」
「自立心がないと、すぐ駄目になりそうなので」
「駄目になりゃいいのに」
「なんてこと言うんですか!」
ケタケタと笑った成実さんが、目敏く喜久福を見つけてカゴに入れた
特段、何を誰に渡すと決めているわけじゃないから、自分が食べる用に買ったもの以外の中から、海夜に渡すものを選ぼうかな
高確率でずんだラングドシャになりそうだけど
「食い物系はこんなもんか?」
「ですね!
お会計お願いします!
私は兄様と地酒を選んできます!!」
「りょーかい
美味いの選んできてくれ」
「任されました!
兄様、行きましょう!」
「All right.
つーわけだ、小十郎
あとは任せたぜ」
「はっ」
兄様とお土産屋さんを出て、一階の酒屋へ
壁一面に色んなお酒が並んでいて、よりどりみどりだ
「わ、すごい、いっぱいある……!
これだけあるとどれがいいか迷いますね……」
「お前は甘口だろ」
「ちょっとくらいなら辛口も飲めます!」
「へーへー……ん?」
兄様が手にしたのは、缶ビール
墨絵の政宗公のイラストと共に、仙臺驛政宗麦酒って書いてある
クラフトビールかな、美味しそう
「買うか」
「買いましょう」
「綱元と原田の分もいるか」
「ご当主様とお東様と兄上様の分もいりますよ」
「……何本になるんだ、それ?」
「えっと……九本です」
「Oh……持って帰れるか?」
「大人しく配送依頼をかけましょう……」
「……そうだな」
政宗公と同じく右目を眼帯で覆った兄様は、やはり仙台の地では大目立ちだ
すぐに店員さんが飛んできて、しどろもどろになりながら接客についてくれた
私好みのフルーティーな日本酒を一本と、成実さんの好きなキリッと辛口の日本酒を一本
兄様は最初から買って帰る日本酒を決めていたようで、迷いなく阿部勘の酒を手に取っていた
「松島で飲んだお酒ってどれでしたっけ」
「蔵の華か?」
兄様がすぐにそれを見つけて手に取ってくれた
それも美味しかったから買って帰ろう
いったい何本買うんだと言われたら、好きなだけ買う、が答えだ
ここに来て買おうかどうかなんて迷わないのが我々である
「親父にゃコイツがいいか」
「それ何ですか?」
「阿部勘と勝山のcollaboration」
「ご当主様が好きそう」
「だろ?」
いたずらっ子みたいな笑い方をして、兄様が店員さんにお酒を渡した
総額でいくらなのかは考えない、それが我々の買い方である
「とりあえず……送り先は別邸にしとくか」
「あ、私と成実さんのは別にしてください
そっちは私の家に配送してもらうので」
「OK.
コイツとコイツ以外の全部で頼むぜ」
配送用の伝票に綺麗な字で住所を書き、兄様がそれを差し出す
この育ちが良いんだかヤンキーなんだか分からない人が、書道師範代レベルの美文字をお持ちなんだから、世の中分からないものだ
私の分の伝票も兄様が代わりに書いてくれて、お金も一括で支払ってくれた
さて、今頃は成実さんと小十郎さんが、山になったお土産の配送依頼をかけた頃だろう
手ぶらで帰りたい我々は、その日のうちにお土産を渡すという考えがないのである
「そろそろ合流するか」
「ですね!
改札前で待ち合わせにしましょう」
店員さんに見送られて、私たちは新幹線の改札前へと向かうことにした
LEINで集合場所を知らせて、既読がついたのを確認
そのまま改札の近くで待っていると、思った通り手ぶらの二人が足早にやってきた
「思った通り、全員見事に手ぶらだな」
「重い荷物を引きずって帰りたくないですもん」
「使えるものは使えばよいかと
買い忘れがなければ、改札を通りますが……」
「あったら次回の宿題だ
帰ろうぜ!」
小十郎さんから切符を受け取って、改札に通す
こうして四時半を少し過ぎた頃──私たちは仙台の地につかの間の別れを告げた
ありがとう仙台、また来年!
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