番外編5 宮城旅行仙台編・最終日
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奇跡的に空いていたテーブルを成実と小十郎が取りに行って、私と兄様は先に注文をしに行くことにした
さて何を食べようかな
「メニューは……そこまで多くなさそう」
「決まったか?」
「兄様は何にするの?」
「この中だと、無難に味噌ラーメンだろうな……」
「私もそれと迷ったの
うーん、兄様がそれにするなら、私は別のにしようかな……」
決して多くはないメニューを眺めて、ヒレカツカレーにするか……と決めた
ここに来るまで海鮮を毎晩しっかり食べているので、そろそろ飽きがきているというか……
お城で暮らしていた頃は、毎日和食が当たり前だったのになぁ
「……兄様、頼まないの?」
「奢ってやる」
「えっ」
ぽーんと財布を放られて、慌ててキャッチ
一応はちゃんと財布を持ってはいるんだな
小十郎がいるから必要ねぇ、とか思ってるんだとばかり
「それじゃあ兄様の分まで頼んでくるね
席に戻ってて!」
「All right.
Side menuも必要なら頼めよ」
「うん!」
兄様の財布を手に注文口へ向かって、味噌ラーメンとヒレカツカレーと、みんなでつまめばなくなるだろうと踏んで、フライドポテトも頼んだ
一万円札が少なくとも十枚は見える財布を開いて、五千円札を探したけど、見事に一万円札しか見えない
諦めて一万円を崩すことにした
呼び出しベル受け取って席へ戻り、兄様へ財布を返す
いつもなら兄様が注文してくれるけど、珍しく私に注文させてくれたな
「……梵
かっこつけてたけど、実はフードコートの注文の仕方が分かんなかっただけだろ」
「成実テメェ帰ったらツラ貸せ」
「図星だからって暴力に訴えんな!」
「兄様の図星を突く成実が悪いの
小十郎、成実を連れて注文に行ってきたら?」
「ではお言葉に甘えて
おら、余計な喧嘩売ってねぇで行くぞ」
「へーい」
二人が席を立って、注文口へと向かっていく
……二人は注文の仕方とか分かるのかな
分かるから行ったんだろうけど
「……ねえ兄様」
「ん?」
「そんなにあの口調が駄目なら、どうしてすぐに直してくれなかったの?」
「身分差のねぇ時代で生きてきたとお前が言ったからだ
俺たちにゃあ、それがどんな時代なのか想像もつかなかったが──
城の女どもにも礼を尽くすお前を見て、そんなお前に上に立つ者としての振る舞いを強要するのはnonsenseだと思ってな」
「それじゃあどうして今回はこんなに頑ななの?」
「俺は今日だけとしか言ってねぇ
しつこいのは成実と小十郎だろ」
「……ほんとだ」
「ついでに言うと、俺は小十郎と成実に対して、さん付けと敬語は無しだとしか言ってねぇがな?」
「……え!?
じゃあ頑張って兄様相手にタメ口で話してた私の努力は!?」
「可愛かったぜ?」
「ひ、ひどい!!
教えてくれても良かったじゃないですか!」
「教えたら面白くねぇだろ」
「面白がらないでください!」
そりゃあ気付いてない私が悪いかもしれないけど!
ここまでずっと頑張ってきたのに、こんなのってないと思う!
憤慨する私に兄様は肩を揺らして笑った
妹で遊ぶなんて、ひどい兄だ
「新鮮で楽しかったぜ」
「もうこれでおしまいです」
「拗ねんなよ」
「拗ねるに決まってます!」
ふん、とそっぽを向いたところで、成実が先に戻ってきた
怒りモードの私と、そんな私を見て笑う兄様を交互に見やって、成実は小さく首を傾げ
「なんで夕華がキレてんだよ?」
「ま、ちょっとな」
「ちょっとどころじゃないですけど!」
「おーい、怒りで約束忘れてんぞ」
「兄様相手には発動しないって兄様が言ったもん!」
「え、マジ?」
成実も気付いてなかったんだ……
私が気付いてなかったくらいだし、不思議じゃないけど……
それよりも気になることがひとつある
「成実、フードコートの注文の仕方、知ってたの?」
「いや?
知らねぇから小十郎に任せた」
「オメェも政宗様のことは言えねぇな」
手に呼び出しベルを持って、小十郎が帰ってきた
二人は何を頼んだんだろう
メニューが少ないから、誰かしらは被ってそうだけど
「成実は何にしたの?」
「俺は醤油ラーメン
小十郎がカレーだとよ」
「ビーフカレー?」
「いえ、ヒレカツが載っております」
「私とお揃いね」
「梵は?」
「醤油ラーメンを選ばなかった俺を褒めてるところだ」
「あっぶねぇ!
お前なら味噌ラーメンだろうなと思って醤油ラーメンにした俺えらくね?」
「おう、そこだけは褒めてやるぜ」
誰一人として海鮮丼を頼まないあたり、共通して「魚は飽きた」という思考が透けて見える気はする
それはさておき、私と小十郎が被ったのはちょっと意外だった
小十郎がそういうガッツリしたものを食べるイメージが、あるようでないというか……
「小十郎は味噌ラーメンにすると思ったのに」
「無性にカレーが食べたい気分でして」
「ふふ……小十郎にもそういう時があるんだ」
「政宗様や成実は華やかなものや、手の込んだものなどを好みまするが……
この小十郎はどちらかというと普通のと申しますか、シンプルな料理のほうが舌に馴染むようで」
「やっぱり小十郎とはちょくちょく気が合うのね」
成実が言いたげな目をしているけど、無視だ
そうこうするうちに呼び出しのベルが鳴ったので、兄様を連れて取りに行くことにした
「取りに行かなきゃいけねぇのか」と従兄弟組が声を揃えた時には、うっかりずっこけそうになったけど
生まれながらのブルジョワは、フードコートの使い方だって知らないまま生きていけるのだ
さて何を食べようかな
「メニューは……そこまで多くなさそう」
「決まったか?」
「兄様は何にするの?」
「この中だと、無難に味噌ラーメンだろうな……」
「私もそれと迷ったの
うーん、兄様がそれにするなら、私は別のにしようかな……」
決して多くはないメニューを眺めて、ヒレカツカレーにするか……と決めた
ここに来るまで海鮮を毎晩しっかり食べているので、そろそろ飽きがきているというか……
お城で暮らしていた頃は、毎日和食が当たり前だったのになぁ
「……兄様、頼まないの?」
「奢ってやる」
「えっ」
ぽーんと財布を放られて、慌ててキャッチ
一応はちゃんと財布を持ってはいるんだな
小十郎がいるから必要ねぇ、とか思ってるんだとばかり
「それじゃあ兄様の分まで頼んでくるね
席に戻ってて!」
「All right.
Side menuも必要なら頼めよ」
「うん!」
兄様の財布を手に注文口へ向かって、味噌ラーメンとヒレカツカレーと、みんなでつまめばなくなるだろうと踏んで、フライドポテトも頼んだ
一万円札が少なくとも十枚は見える財布を開いて、五千円札を探したけど、見事に一万円札しか見えない
諦めて一万円を崩すことにした
呼び出しベル受け取って席へ戻り、兄様へ財布を返す
いつもなら兄様が注文してくれるけど、珍しく私に注文させてくれたな
「……梵
かっこつけてたけど、実はフードコートの注文の仕方が分かんなかっただけだろ」
「成実テメェ帰ったらツラ貸せ」
「図星だからって暴力に訴えんな!」
「兄様の図星を突く成実が悪いの
小十郎、成実を連れて注文に行ってきたら?」
「ではお言葉に甘えて
おら、余計な喧嘩売ってねぇで行くぞ」
「へーい」
二人が席を立って、注文口へと向かっていく
……二人は注文の仕方とか分かるのかな
分かるから行ったんだろうけど
「……ねえ兄様」
「ん?」
「そんなにあの口調が駄目なら、どうしてすぐに直してくれなかったの?」
「身分差のねぇ時代で生きてきたとお前が言ったからだ
俺たちにゃあ、それがどんな時代なのか想像もつかなかったが──
城の女どもにも礼を尽くすお前を見て、そんなお前に上に立つ者としての振る舞いを強要するのはnonsenseだと思ってな」
「それじゃあどうして今回はこんなに頑ななの?」
「俺は今日だけとしか言ってねぇ
しつこいのは成実と小十郎だろ」
「……ほんとだ」
「ついでに言うと、俺は小十郎と成実に対して、さん付けと敬語は無しだとしか言ってねぇがな?」
「……え!?
じゃあ頑張って兄様相手にタメ口で話してた私の努力は!?」
「可愛かったぜ?」
「ひ、ひどい!!
教えてくれても良かったじゃないですか!」
「教えたら面白くねぇだろ」
「面白がらないでください!」
そりゃあ気付いてない私が悪いかもしれないけど!
ここまでずっと頑張ってきたのに、こんなのってないと思う!
憤慨する私に兄様は肩を揺らして笑った
妹で遊ぶなんて、ひどい兄だ
「新鮮で楽しかったぜ」
「もうこれでおしまいです」
「拗ねんなよ」
「拗ねるに決まってます!」
ふん、とそっぽを向いたところで、成実が先に戻ってきた
怒りモードの私と、そんな私を見て笑う兄様を交互に見やって、成実は小さく首を傾げ
「なんで夕華がキレてんだよ?」
「ま、ちょっとな」
「ちょっとどころじゃないですけど!」
「おーい、怒りで約束忘れてんぞ」
「兄様相手には発動しないって兄様が言ったもん!」
「え、マジ?」
成実も気付いてなかったんだ……
私が気付いてなかったくらいだし、不思議じゃないけど……
それよりも気になることがひとつある
「成実、フードコートの注文の仕方、知ってたの?」
「いや?
知らねぇから小十郎に任せた」
「オメェも政宗様のことは言えねぇな」
手に呼び出しベルを持って、小十郎が帰ってきた
二人は何を頼んだんだろう
メニューが少ないから、誰かしらは被ってそうだけど
「成実は何にしたの?」
「俺は醤油ラーメン
小十郎がカレーだとよ」
「ビーフカレー?」
「いえ、ヒレカツが載っております」
「私とお揃いね」
「梵は?」
「醤油ラーメンを選ばなかった俺を褒めてるところだ」
「あっぶねぇ!
お前なら味噌ラーメンだろうなと思って醤油ラーメンにした俺えらくね?」
「おう、そこだけは褒めてやるぜ」
誰一人として海鮮丼を頼まないあたり、共通して「魚は飽きた」という思考が透けて見える気はする
それはさておき、私と小十郎が被ったのはちょっと意外だった
小十郎がそういうガッツリしたものを食べるイメージが、あるようでないというか……
「小十郎は味噌ラーメンにすると思ったのに」
「無性にカレーが食べたい気分でして」
「ふふ……小十郎にもそういう時があるんだ」
「政宗様や成実は華やかなものや、手の込んだものなどを好みまするが……
この小十郎はどちらかというと普通のと申しますか、シンプルな料理のほうが舌に馴染むようで」
「やっぱり小十郎とはちょくちょく気が合うのね」
成実が言いたげな目をしているけど、無視だ
そうこうするうちに呼び出しのベルが鳴ったので、兄様を連れて取りに行くことにした
「取りに行かなきゃいけねぇのか」と従兄弟組が声を揃えた時には、うっかりずっこけそうになったけど
生まれながらのブルジョワは、フードコートの使い方だって知らないまま生きていけるのだ
