番外編5 宮城旅行仙台編・最終日
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車は仙台市街の広瀬通を直進して、更にひたすら直進している
途中の交差点で左折して七北田川を渡れば、仙台港はもうすぐだ
「水族館に行くって聞いてなかったので、何がいるのかまったく知らないんですけど……
やっぱりイルカのショーとかあるんでしょうか?」
「夕華、敬語」
「もう諦めてほしいのだけど」
「お前も諦めて口調を直せばいいのにな」
助手席の揶揄うような成実の声に、むっと口を曲げる
そんなこと言ったって、十年以上もこれで通してきて、今更これが直ると思っているのか
絶対に今日だけで終わらせてやる
「ちょっと調べてみたが、イルカもアシカもいるみてぇだな
ペンギンもいるっぽいぞ」
「結構いるんで……いるのね」
「イワシの群れのショーもあるらしいぞ」
イワシの群れでショーをやるって、どんな感じになるんだろう
見たことないから楽しみだ
そもそも水族館自体、いつ以来なのやら
「夕華様は水族館などには?」
「最後に行ったのがいつか分からないくらいにはご無沙汰よ
小学校の頃、社会科見学で行ったような気はするけど……
少なくとも中学高校大学時代では行かなかったと思うの」
「What?
成実に連れてってもらってねぇのか」
「だって私も成実も、薙刀と剣道で忙しかったもの
連休は一緒に遠出したり、それぞれで過ごしたりしたけど、デートらしいデートはあんまり……
だから水族館とか動物園とかには行かなかったの」
「つーか休みの日はほとんど別邸にいたしなぁ」
休みなのに二人でいるのもなんだかなぁと思って、大体いつも土日は別邸に集まっていた
そりゃあデートなんてしないわけだ
みんなで出掛けるなら、それはもはやデートじゃない
「デートの一つや二つしてくださらねば、我々も心配になります」
「だって普段は小十郎と綱元なんて、顔も合わせないのよ?
ずっと会えないのは寂しいから、別邸に遊びに行ってたの」
「綱元がここにいたら泣いて喜んでただろうな……」
「Recordingしてたかもしれねぇぜ」
「伊達の人たちはどうしてそうなの?」
「有り体に言やぁ、みんなお前のことが好きだからだよ」
「夕華様は例えるならば、春の柔らかな日差しのようなお方
暖かな光を前に、それを忌避する者などおりますまい」
「さすがにそれは褒めすぎだと思うのだけど」
兄様にとっての光は小十郎だし、小十郎にとっての光は兄様だ
成実は兄様という光に魅せられた側だけど、私は成実という日があったから幸せだった
たしかに皆は、ことある事に私のことを標だと言ってくれるけど、私自身は自分のことをそんなふうに思ったことはない
「……男所帯に姫が現れたんだ
そうなるのも無理はねぇだろ」
「そっちが本音ね?」
兄様の一言を成実も小十郎も咎めなかった
これだからこの人達は……
でも仕方ないのかなぁ、たしかに私が来るまでは男所帯だったんだし
ついつい過保護になっちゃう、みたいな感じなんだろうか
……私がお転婆なのも相まって
「それよりもうすぐ着くぞ」
成実がそう言ったのと同時に、小十郎が交差点を右折した
広い公園の端にある白い建物
「わ、広そう……!」
「今日のscheduleはここだけだ
好きなだけ居座りゃいい」
「やった!」
駐車場で車を降りた瞬間、海風の影響か、強い風が吹いた
わわ、と髪を押さえて、首を竦める
すぐ建物に入るからマフラーは車内に置いてきたから、ちょっと寒い
過保護な男たちが何か言ってくる前に、さっさと建物の中に入ろう
チケットを買って中へ入ると、広いロビーがお出迎えした
左はお土産コーナー、右が展示の入口みたいだ
「途中ではぐれてもpairになってりゃそのままでいいだろ、小十郎」
「そうですな……
なにより夕華様のペースでご覧になっていただきたいと思っておりますゆえ」
「私、クラゲの展示で足が止まるの
兄様たちは先に行っていて」
「安心しろ、夕華には俺がお供してるから」
「成実が夕華様のお側にいるなら、心配はないかと」
そうだな、と言って、兄様は私の頭をぽんと撫でた
失礼します、と笑って、小十郎も、何故か私の頭をぽんと撫で
成実も「それじゃあ俺も」と言って私の頭を撫でた
「……私の頭は入場のボタンではないの」
「なんか可愛かったから、つい……」
「どういうことなの?」
成実は何も言わず、中を進んでいった
釈然としないけれど、置いていかれるのは勘弁だ
私も慌ててみんなの後を追いかけ、展示の中へと足を踏み入れた
途中の交差点で左折して七北田川を渡れば、仙台港はもうすぐだ
「水族館に行くって聞いてなかったので、何がいるのかまったく知らないんですけど……
やっぱりイルカのショーとかあるんでしょうか?」
「夕華、敬語」
「もう諦めてほしいのだけど」
「お前も諦めて口調を直せばいいのにな」
助手席の揶揄うような成実の声に、むっと口を曲げる
そんなこと言ったって、十年以上もこれで通してきて、今更これが直ると思っているのか
絶対に今日だけで終わらせてやる
「ちょっと調べてみたが、イルカもアシカもいるみてぇだな
ペンギンもいるっぽいぞ」
「結構いるんで……いるのね」
「イワシの群れのショーもあるらしいぞ」
イワシの群れでショーをやるって、どんな感じになるんだろう
見たことないから楽しみだ
そもそも水族館自体、いつ以来なのやら
「夕華様は水族館などには?」
「最後に行ったのがいつか分からないくらいにはご無沙汰よ
小学校の頃、社会科見学で行ったような気はするけど……
少なくとも中学高校大学時代では行かなかったと思うの」
「What?
成実に連れてってもらってねぇのか」
「だって私も成実も、薙刀と剣道で忙しかったもの
連休は一緒に遠出したり、それぞれで過ごしたりしたけど、デートらしいデートはあんまり……
だから水族館とか動物園とかには行かなかったの」
「つーか休みの日はほとんど別邸にいたしなぁ」
休みなのに二人でいるのもなんだかなぁと思って、大体いつも土日は別邸に集まっていた
そりゃあデートなんてしないわけだ
みんなで出掛けるなら、それはもはやデートじゃない
「デートの一つや二つしてくださらねば、我々も心配になります」
「だって普段は小十郎と綱元なんて、顔も合わせないのよ?
ずっと会えないのは寂しいから、別邸に遊びに行ってたの」
「綱元がここにいたら泣いて喜んでただろうな……」
「Recordingしてたかもしれねぇぜ」
「伊達の人たちはどうしてそうなの?」
「有り体に言やぁ、みんなお前のことが好きだからだよ」
「夕華様は例えるならば、春の柔らかな日差しのようなお方
暖かな光を前に、それを忌避する者などおりますまい」
「さすがにそれは褒めすぎだと思うのだけど」
兄様にとっての光は小十郎だし、小十郎にとっての光は兄様だ
成実は兄様という光に魅せられた側だけど、私は成実という日があったから幸せだった
たしかに皆は、ことある事に私のことを標だと言ってくれるけど、私自身は自分のことをそんなふうに思ったことはない
「……男所帯に姫が現れたんだ
そうなるのも無理はねぇだろ」
「そっちが本音ね?」
兄様の一言を成実も小十郎も咎めなかった
これだからこの人達は……
でも仕方ないのかなぁ、たしかに私が来るまでは男所帯だったんだし
ついつい過保護になっちゃう、みたいな感じなんだろうか
……私がお転婆なのも相まって
「それよりもうすぐ着くぞ」
成実がそう言ったのと同時に、小十郎が交差点を右折した
広い公園の端にある白い建物
「わ、広そう……!」
「今日のscheduleはここだけだ
好きなだけ居座りゃいい」
「やった!」
駐車場で車を降りた瞬間、海風の影響か、強い風が吹いた
わわ、と髪を押さえて、首を竦める
すぐ建物に入るからマフラーは車内に置いてきたから、ちょっと寒い
過保護な男たちが何か言ってくる前に、さっさと建物の中に入ろう
チケットを買って中へ入ると、広いロビーがお出迎えした
左はお土産コーナー、右が展示の入口みたいだ
「途中ではぐれてもpairになってりゃそのままでいいだろ、小十郎」
「そうですな……
なにより夕華様のペースでご覧になっていただきたいと思っておりますゆえ」
「私、クラゲの展示で足が止まるの
兄様たちは先に行っていて」
「安心しろ、夕華には俺がお供してるから」
「成実が夕華様のお側にいるなら、心配はないかと」
そうだな、と言って、兄様は私の頭をぽんと撫でた
失礼します、と笑って、小十郎も、何故か私の頭をぽんと撫で
成実も「それじゃあ俺も」と言って私の頭を撫でた
「……私の頭は入場のボタンではないの」
「なんか可愛かったから、つい……」
「どういうことなの?」
成実は何も言わず、中を進んでいった
釈然としないけれど、置いていかれるのは勘弁だ
私も慌ててみんなの後を追いかけ、展示の中へと足を踏み入れた
