番外編4 宮城旅行仙台編・2日目
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到着したのは、住宅街の一角に佇む神社
社名を青葉神社というらしい
青葉、と名が付くとおり、恐らく伊達政宗関連の御由緒を持っているのだと思うけど……
「祭神は武振彦命──聞いたことは?」
「ないです」
「へぇ、お前でも知らないことがあるんだな」
「たくさんありますよ
社殿に家紋があるので、伊達家に由来する神社なのかなとは思ってますけど」
「祭神の武振彦命とは、伊達政宗公のことでございます」
「……へっ」
ご先祖様、とうとう神様になっちゃったのか……
つまり兄様が神様になってしまったということでは……?
……似合わないな
「明治の頭頃、藩祖を祀る神社を建立する動きが各地で活発だったらしい
ま、その流れに乗って創建されたって話だ」
「なるほど……」
「現在は宮司を片倉家当主が務めておるとの由
時代は違えど、政宗様に奉仕せんとするその姿勢、まさに片倉の名に相応しいものと」
「……え?」
「はい?」
「小十郎さんってもしかして、関わりがあります?」
「いえ、そのようなものは」
でも宮司さんは片倉家当主なんだよね?
ってことは、小十郎さんも片倉家の人間なわけで……?
「小十郎は片倉を名乗っちゃいるが、この世界に残ってきた片倉家とは何の関係もねぇぜ
そうじゃなけりゃ、俺の傍にいることもなかっただろう
本格的にここの跡取りとして、神職まっしぐらの道を進んだかもしれねぇな」
「政宗公にご奉公できるとあらば、そうしたやもしれませぬが……
この世にある片倉家とはなんの繋がりもない、赤の他人となった身です
しかし今生でも政宗様にお仕えできる縁を得ましたゆえ、そちらのほうが小十郎の幸福と言えましょう」
「……清々しいほど梵への忠誠心に溢れた男だよ、お前は」
「無論この小十郎、夕華様へも変わらぬ忠誠を誓っております」
「言われずとも存じ上げております……」
忠誠心だけではない気もするけど、本人が忠誠心だと言うんだから、それでいいんだ
無理やり納得させて、まず手水舎へと向かった
龍の口から水が流れている横には、弦月の兜を手にする武人が立っている
おそらくこれが政宗公ということなんだろう
手を洗って口の中を清め、ハンカチで拭く
大崎八幡宮よりも更に静かな境内は、人っ子一人見当たらない
というわけで、まずは参拝だ
ご先祖さまが神様として祀られているというのも、変な感じがするな……
二礼二拍手一礼でご挨拶を済ませ、境内を見渡す
神事は午前中に行われることが多いから、宮司さんの姿も見えない
「寄っていくか?」
「せっかくなのでお守りだけでも、いいですか?」
「もちろんです」
大人数で行くと戸惑わせるだろうから、私と小十郎さんだけで向かうことにした
社務所の窓をコンコンと叩いて、出てきたのは年若い男性
おそらく未来の片倉家十八代目当主かな、なんて
「すみません、このお守りをひとつ」
「五百円お納めください」
ちょうどの初穂料を納めて、お守りを受け取る
大崎八幡宮で買ったお守りとはご利益が違うから、たぶん、喧嘩することにはならないはず……!
ふと若い宮司さんと、私の後ろにいる小十郎さんの視線が重なる
「……景綱公?」
その、思わず零れたような声に、小十郎さんは目を丸くして
慌てたように「すみません、何を言っているんでしょうね」と取り繕ったその人へ、小十郎さんは一言告げた
「政宗様に御無礼のないようにな」
「えっ」
「なんでもねぇ」
そっと促されて、社務所から立ち去る
その間際に振り返った先には、呆然としたお顔の宮司さんが、社務所の中で立ち尽くしていた
従兄弟組は境内を散策していたようで、顔面国宝とアイドルも裸足で逃げ出すイケメンが、小さな建物を前に何かをぽつぽつと話していた
「ん、買えたのか」
「お待たせしました」
「それほど待っちゃいねぇよ
そろそろ帰るか」
「そうですな
別荘に着きました後は、お部屋にてお寛ぎを」
「I see.」
駐車場へと坂道を降りて、車に乗り込む
小十郎さんの様子は何も変わらないようだったけれど、思うところはあったのか、車を出す前に社務所のある方向をちらりと見上げたのを、私は見逃さなかった
けれどそれも束の間のこと
片倉号は今日一日の予定を終え、秋保温泉街にある別荘へと向かうべく、仙台市内を走り抜けたのだった
社名を青葉神社というらしい
青葉、と名が付くとおり、恐らく伊達政宗関連の御由緒を持っているのだと思うけど……
「祭神は武振彦命──聞いたことは?」
「ないです」
「へぇ、お前でも知らないことがあるんだな」
「たくさんありますよ
社殿に家紋があるので、伊達家に由来する神社なのかなとは思ってますけど」
「祭神の武振彦命とは、伊達政宗公のことでございます」
「……へっ」
ご先祖様、とうとう神様になっちゃったのか……
つまり兄様が神様になってしまったということでは……?
……似合わないな
「明治の頭頃、藩祖を祀る神社を建立する動きが各地で活発だったらしい
ま、その流れに乗って創建されたって話だ」
「なるほど……」
「現在は宮司を片倉家当主が務めておるとの由
時代は違えど、政宗様に奉仕せんとするその姿勢、まさに片倉の名に相応しいものと」
「……え?」
「はい?」
「小十郎さんってもしかして、関わりがあります?」
「いえ、そのようなものは」
でも宮司さんは片倉家当主なんだよね?
ってことは、小十郎さんも片倉家の人間なわけで……?
「小十郎は片倉を名乗っちゃいるが、この世界に残ってきた片倉家とは何の関係もねぇぜ
そうじゃなけりゃ、俺の傍にいることもなかっただろう
本格的にここの跡取りとして、神職まっしぐらの道を進んだかもしれねぇな」
「政宗公にご奉公できるとあらば、そうしたやもしれませぬが……
この世にある片倉家とはなんの繋がりもない、赤の他人となった身です
しかし今生でも政宗様にお仕えできる縁を得ましたゆえ、そちらのほうが小十郎の幸福と言えましょう」
「……清々しいほど梵への忠誠心に溢れた男だよ、お前は」
「無論この小十郎、夕華様へも変わらぬ忠誠を誓っております」
「言われずとも存じ上げております……」
忠誠心だけではない気もするけど、本人が忠誠心だと言うんだから、それでいいんだ
無理やり納得させて、まず手水舎へと向かった
龍の口から水が流れている横には、弦月の兜を手にする武人が立っている
おそらくこれが政宗公ということなんだろう
手を洗って口の中を清め、ハンカチで拭く
大崎八幡宮よりも更に静かな境内は、人っ子一人見当たらない
というわけで、まずは参拝だ
ご先祖さまが神様として祀られているというのも、変な感じがするな……
二礼二拍手一礼でご挨拶を済ませ、境内を見渡す
神事は午前中に行われることが多いから、宮司さんの姿も見えない
「寄っていくか?」
「せっかくなのでお守りだけでも、いいですか?」
「もちろんです」
大人数で行くと戸惑わせるだろうから、私と小十郎さんだけで向かうことにした
社務所の窓をコンコンと叩いて、出てきたのは年若い男性
おそらく未来の片倉家十八代目当主かな、なんて
「すみません、このお守りをひとつ」
「五百円お納めください」
ちょうどの初穂料を納めて、お守りを受け取る
大崎八幡宮で買ったお守りとはご利益が違うから、たぶん、喧嘩することにはならないはず……!
ふと若い宮司さんと、私の後ろにいる小十郎さんの視線が重なる
「……景綱公?」
その、思わず零れたような声に、小十郎さんは目を丸くして
慌てたように「すみません、何を言っているんでしょうね」と取り繕ったその人へ、小十郎さんは一言告げた
「政宗様に御無礼のないようにな」
「えっ」
「なんでもねぇ」
そっと促されて、社務所から立ち去る
その間際に振り返った先には、呆然としたお顔の宮司さんが、社務所の中で立ち尽くしていた
従兄弟組は境内を散策していたようで、顔面国宝とアイドルも裸足で逃げ出すイケメンが、小さな建物を前に何かをぽつぽつと話していた
「ん、買えたのか」
「お待たせしました」
「それほど待っちゃいねぇよ
そろそろ帰るか」
「そうですな
別荘に着きました後は、お部屋にてお寛ぎを」
「I see.」
駐車場へと坂道を降りて、車に乗り込む
小十郎さんの様子は何も変わらないようだったけれど、思うところはあったのか、車を出す前に社務所のある方向をちらりと見上げたのを、私は見逃さなかった
けれどそれも束の間のこと
片倉号は今日一日の予定を終え、秋保温泉街にある別荘へと向かうべく、仙台市内を走り抜けたのだった
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