番外編4 宮城旅行仙台編・2日目
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資料館から出る頃には、武将隊の五人は写真撮影タイムに追われていた
遠巻きに手を振っておくと、五人はすぐに私たちへ深々と礼をし、再びおもてなしへと戻った
次に会えるのはいつになるだろう
これからも身体に気を付けて、仙台を盛り上げてほしいものだ
「さぁて、さすがに腹減ったな」
「十二時も半分回ってるしな
小十郎、飯だ」
「ご案内致しまする」
駐車場に戻って、片倉号は青葉山から市街地へと下りた
どうやらこれから行くお店は父様──ご当主様のお気に入りであるらしく、予約もご当主様のお名前でされているんだそう
どんな高級店になるのか今から怖いけど、考えたら終わりだと思って諦めた
車を市街地の一角にあるコインパーキングに停めて、そこから歩いて数分
立ち並ぶ雑居ビルの中のひとつ、その一階に暖簾が出ている
至って普通の食堂は、外に何人か並んでいた
父様にしては随分と庶民的だな、と並んでみると、成実さんがそっと私の手を繋いで引っ張った
「そっちじゃねーぞ」
「えっ」
兄様たちはビルの横にある階段を上がっている
ま、間違えた!
そりゃそうだよね、伊達家のご当主様が、こんな大衆食堂でご飯食べないよね!
いや食べてても似合うけど!
二階にあるそのお店は、暖簾も看板も出ていない
本当にこれお店?
というかここ、営業中?
固まる私を他所に、小十郎さんがドアを開ける
鍵はかかっていなかったらしく、ドアはすんなりと開いて、チリリン、とベルを鳴らした
すぐに現れた店員へ、小十郎さんが一言「伊達輝宗で予約している」と言った
後に続いてお店に入って、店内を見渡す
テーブル席は立ったの四席、カウンター席もない店は、まさに小ぢんまりと言った方が正しい
「お待ちしておりました
お店は十五時まで貸切でご用意しております」
「……貸切にしたんですか?」
「予約自体は親父がやったんだろ
気を利かせて貸切にしただけじゃねぇのか?」
「いえ、こちらは何も聞いておりませんでして」
兄様と小十郎さんが揃って顔を見合わせた
ははは、と店員さんが笑って、お席へと案内してくれて
「輝宗様より連絡をいただきまして
本家の跡取りと秘蔵っ子が来るので、貸切で頼むと」
「成実さんが秘蔵っ子扱いされてる……」
「秘蔵っ子はお前だからな」
ですよね
成実さんのツッコミに頷いた
流石にここで「いやいや私なんかが秘蔵っ子なわけ」などとは言わない
通されたテーブルに座って、差し出されたメニューを見ると、ドリンクしか書かれていなかった
「食事のメニューは?」
「それはもう決めてある、とのことで」
小十郎さんがそう言ってきたけど、私たち三人は「?」が頭上に並んでいる
成実さんはともかく、兄様まで把握されていないのは驚きだ
「……話が見えねぇんだが」
「輝宗様がこちらへ来られる際は、決まったものしか食されぬようです
それと同じものを頼んでおいたと伺っております」
「ふーん、まあ何でもいいや
俺はほうじ茶にするよ
夕華は?」
「私もほうじ茶でお願いします
兄様は?」
「俺もほうじ茶でいい
小十郎」
「ほうじ茶を四つ」
これが阿吽の呼吸である
十年来の付き合いがなせる技だ
最初にお新香がやってきて、次に薬味が三つ乗った小皿がきた
「塩とわさびと辛味噌か」
「牛タンに辛味噌は鉄板だな」
「夕華様、お気になさらず、好きなものをつけてお召し上がりを」
「……はい!」
絶対に辛味噌は無理だと思ったもん
わさびでギリだ
温かいほうじ茶が湯呑みに入ってやってきて、みんなで体を温めた
お新香をつまみつつ他愛のない話をして、メインディッシュを待つことに
もっぱらは遠藤様や亘理様、安芸の父様の話だったけれど
「……遠藤のジジイも亘理のおっさんも、うちにいなくて良かったとこれほど思ったことねーや」
「間違いなく揶揄われてたと思いますよ、成実さんは」
「なんで俺だけなんだよ」
「威厳がないからだろ」
成実さんが言葉に詰まって、「ほっとけ」と拗ねたようにそっぽを向いた
兄様も小十郎さんも威厳はたっぷりだから──兄様は威厳もありつつ、親しみを感じさせる性格だけど──何を言っても鼻で笑われると悟ったんだろう
威厳に関しては私も備わっていないから、あえてノーコメントだ
身に付けるべきだったとは思うけれど、それだけは喜多さんの教育を受けても身につかなかったのである
遠巻きに手を振っておくと、五人はすぐに私たちへ深々と礼をし、再びおもてなしへと戻った
次に会えるのはいつになるだろう
これからも身体に気を付けて、仙台を盛り上げてほしいものだ
「さぁて、さすがに腹減ったな」
「十二時も半分回ってるしな
小十郎、飯だ」
「ご案内致しまする」
駐車場に戻って、片倉号は青葉山から市街地へと下りた
どうやらこれから行くお店は父様──ご当主様のお気に入りであるらしく、予約もご当主様のお名前でされているんだそう
どんな高級店になるのか今から怖いけど、考えたら終わりだと思って諦めた
車を市街地の一角にあるコインパーキングに停めて、そこから歩いて数分
立ち並ぶ雑居ビルの中のひとつ、その一階に暖簾が出ている
至って普通の食堂は、外に何人か並んでいた
父様にしては随分と庶民的だな、と並んでみると、成実さんがそっと私の手を繋いで引っ張った
「そっちじゃねーぞ」
「えっ」
兄様たちはビルの横にある階段を上がっている
ま、間違えた!
そりゃそうだよね、伊達家のご当主様が、こんな大衆食堂でご飯食べないよね!
いや食べてても似合うけど!
二階にあるそのお店は、暖簾も看板も出ていない
本当にこれお店?
というかここ、営業中?
固まる私を他所に、小十郎さんがドアを開ける
鍵はかかっていなかったらしく、ドアはすんなりと開いて、チリリン、とベルを鳴らした
すぐに現れた店員へ、小十郎さんが一言「伊達輝宗で予約している」と言った
後に続いてお店に入って、店内を見渡す
テーブル席は立ったの四席、カウンター席もない店は、まさに小ぢんまりと言った方が正しい
「お待ちしておりました
お店は十五時まで貸切でご用意しております」
「……貸切にしたんですか?」
「予約自体は親父がやったんだろ
気を利かせて貸切にしただけじゃねぇのか?」
「いえ、こちらは何も聞いておりませんでして」
兄様と小十郎さんが揃って顔を見合わせた
ははは、と店員さんが笑って、お席へと案内してくれて
「輝宗様より連絡をいただきまして
本家の跡取りと秘蔵っ子が来るので、貸切で頼むと」
「成実さんが秘蔵っ子扱いされてる……」
「秘蔵っ子はお前だからな」
ですよね
成実さんのツッコミに頷いた
流石にここで「いやいや私なんかが秘蔵っ子なわけ」などとは言わない
通されたテーブルに座って、差し出されたメニューを見ると、ドリンクしか書かれていなかった
「食事のメニューは?」
「それはもう決めてある、とのことで」
小十郎さんがそう言ってきたけど、私たち三人は「?」が頭上に並んでいる
成実さんはともかく、兄様まで把握されていないのは驚きだ
「……話が見えねぇんだが」
「輝宗様がこちらへ来られる際は、決まったものしか食されぬようです
それと同じものを頼んでおいたと伺っております」
「ふーん、まあ何でもいいや
俺はほうじ茶にするよ
夕華は?」
「私もほうじ茶でお願いします
兄様は?」
「俺もほうじ茶でいい
小十郎」
「ほうじ茶を四つ」
これが阿吽の呼吸である
十年来の付き合いがなせる技だ
最初にお新香がやってきて、次に薬味が三つ乗った小皿がきた
「塩とわさびと辛味噌か」
「牛タンに辛味噌は鉄板だな」
「夕華様、お気になさらず、好きなものをつけてお召し上がりを」
「……はい!」
絶対に辛味噌は無理だと思ったもん
わさびでギリだ
温かいほうじ茶が湯呑みに入ってやってきて、みんなで体を温めた
お新香をつまみつつ他愛のない話をして、メインディッシュを待つことに
もっぱらは遠藤様や亘理様、安芸の父様の話だったけれど
「……遠藤のジジイも亘理のおっさんも、うちにいなくて良かったとこれほど思ったことねーや」
「間違いなく揶揄われてたと思いますよ、成実さんは」
「なんで俺だけなんだよ」
「威厳がないからだろ」
成実さんが言葉に詰まって、「ほっとけ」と拗ねたようにそっぽを向いた
兄様も小十郎さんも威厳はたっぷりだから──兄様は威厳もありつつ、親しみを感じさせる性格だけど──何を言っても鼻で笑われると悟ったんだろう
威厳に関しては私も備わっていないから、あえてノーコメントだ
身に付けるべきだったとは思うけれど、それだけは喜多さんの教育を受けても身につかなかったのである
