番外編4 宮城旅行仙台編・2日目
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支倉常長様のことは、兄様もすぐに本人だと分かったらしい
自分のことは自分がよく分かっているからと、武将隊でも支倉常長を担っているようだ
そしてくノ一は、かつて黒脛巾組に在籍していたくノ一の本人
私の部屋の周辺を警備してくれた人だから、こちらも私たちとは面識があった
「色々と話を聞きてぇところだが、アンタらと話がしてぇ奴らが待ってやがる
民の期待に応えてこそ意気ってもんだぜ、行ってこい『伊達政宗』
ここで見ておいてやる」
「おや、資料館にお立ち寄りにはならないので?
仙台市博物館とはまた違うお宝が眠っておりますぞ」
「……言ってくれやがる
OK,OK.
だったらテメェら、しっかりとこの世に伊達の心意気を見せつけな
客人は盛大にもてなしてこそだぜ、you see?」
「無論でござる
然らば皆様方、我等はこれにて御免仕る」
五人が私たちに頭を下げて、それならギャラリーと化した観光客へと声を張り上げた
盛り上がりを取り戻していく本丸跡を遠巻きに見遣りながら、私たちはそっとその場を離れて資料館へ
大丈夫か、と成実さんに伺われて、私は鼻をすすって頷いた
「急だったから驚いたんだな
ティッシュで鼻かむか?」
「大丈夫、です」
本当は大丈夫ではないんだけど、さすがにそれくらいの見栄は張らせてほしい
ふう、と無理やり心を落ち着かせて資料館へと入った
ほんのりと薄暗い資料館の中は、広くはないものの展示品がずらりと並んでいる
なるほど遠藤様が言うだけのことはある……
「ん、これ……亘理伊達家の竹に雀だな」
成実さんが目を止めたのは、麻地の裃
亘理伊達家ということは、成実公の家だ
ちゃんと綺麗に残ってるものだな
「ちょっと懐かしいな」
「成実さんの家紋もこれでしたよね」
「本家の竹に雀をほんのちょっと変えただけのヤツな」
傍目からみたらあんまり違いの分からないそれは、成実さんが背負ってきたものだ
私も間違い探しみたいに並べられて、ようやく違いに気付いたくらいだもん
他国の人間からしたら「何が違うんだ?」にしかならない気がする
「竹に雀自体は上杉から貰ったらしいけど、伊達の家紋もすっかりこれが有名になっちまったな」
「うちって家紋がたくさんありましたもんね」
「昔は三引両が多かったらしいけど、梵は竹に雀を使ってたな
ま、独自性みたいなのがあって、よかったんじゃねーの?」
成実さんが離れたところにいる双竜をちらりと見遣る
二人で何かを話して笑う兄様は、すっかりリラックスモードだ
昔の話でもしているんだろうか
そちらには向かわず、私は青葉城本丸の復元模型を見下ろした
「おお、見慣れたお城だ」
「天守閣がねぇのが絶妙に気持ち悪いんだよな
いやこの世界での歴史的には正しいんだけどよ、なんつーか、細かいところが気になっちまうというか」
「あはは、分かります
違和感ありますよね」
兄様は天守閣から城下を見下ろすのが好きだった
活き活きとした街並みを眺めるときの兄様は、いつだって柔らかく微笑んでいて
兄様が奥州と、自分の足元に住む民たちを大切に思っていることを垣間見ることができる、その瞬間が私は好きだ
「お前もよく天守閣に登ったもんだよな」
「降りるのに難儀するって分かってて、登ってきやがる
足滑らせて怪我したらどうするつもりだったんだ?」
「でも兄様、私に登るなとは言いませんでしたよね」
「言ったって聞かずに登ってくることくらい、お見通しなんだよ」
つんと頭を小突かれ、私は笑って誤魔化すことにした
だって私も天守閣からの眺めが好きだったから
もちろん城下に降りて、民たちと交流することも大好きだった
隣には必ず成実さんがいて、城下で遊んだ帰りに渡辺屋でお団子を食べて帰ったものだ
もちろん城へ続く坂道は、最後まで自力で登れず、成実さんに抱っこされてしまうけど
「大森城も天守閣はあったけど、俺はあんまり登らなかったな」
「成実さんは、どちらかというと城下に下りるほうがお好きでしたもんね」
「そーそー、だいたいいっつも、駄菓子屋のオヤジに笑われて帰るんだよな」
「懐かしいですねぇ
結局あれからも時呼ばわりでした?」
「ああ、オヤジが死ぬまで直らなかったな……」
成実さんは間違いなく伊達家の……兄様の重臣で、一門第二席のやんごとなきお方なのに、どうにも遊ばれてしまう
親しみやすい性格のおかげなんだろうとは思うし、それは成実さんの長所だ
でも佐助さんには「成ちゃん」と呼ばれ、駄菓子屋の店主からは「時」と呼ばれ、城下のお年寄りからは「若様」だ
威厳が足りな……いや、そんな威厳なんてなかったから、仕方ないのかもな……
私が好きになったのは、そんな成実さんでもあるのだけれど
自分のことは自分がよく分かっているからと、武将隊でも支倉常長を担っているようだ
そしてくノ一は、かつて黒脛巾組に在籍していたくノ一の本人
私の部屋の周辺を警備してくれた人だから、こちらも私たちとは面識があった
「色々と話を聞きてぇところだが、アンタらと話がしてぇ奴らが待ってやがる
民の期待に応えてこそ意気ってもんだぜ、行ってこい『伊達政宗』
ここで見ておいてやる」
「おや、資料館にお立ち寄りにはならないので?
仙台市博物館とはまた違うお宝が眠っておりますぞ」
「……言ってくれやがる
OK,OK.
だったらテメェら、しっかりとこの世に伊達の心意気を見せつけな
客人は盛大にもてなしてこそだぜ、you see?」
「無論でござる
然らば皆様方、我等はこれにて御免仕る」
五人が私たちに頭を下げて、それならギャラリーと化した観光客へと声を張り上げた
盛り上がりを取り戻していく本丸跡を遠巻きに見遣りながら、私たちはそっとその場を離れて資料館へ
大丈夫か、と成実さんに伺われて、私は鼻をすすって頷いた
「急だったから驚いたんだな
ティッシュで鼻かむか?」
「大丈夫、です」
本当は大丈夫ではないんだけど、さすがにそれくらいの見栄は張らせてほしい
ふう、と無理やり心を落ち着かせて資料館へと入った
ほんのりと薄暗い資料館の中は、広くはないものの展示品がずらりと並んでいる
なるほど遠藤様が言うだけのことはある……
「ん、これ……亘理伊達家の竹に雀だな」
成実さんが目を止めたのは、麻地の裃
亘理伊達家ということは、成実公の家だ
ちゃんと綺麗に残ってるものだな
「ちょっと懐かしいな」
「成実さんの家紋もこれでしたよね」
「本家の竹に雀をほんのちょっと変えただけのヤツな」
傍目からみたらあんまり違いの分からないそれは、成実さんが背負ってきたものだ
私も間違い探しみたいに並べられて、ようやく違いに気付いたくらいだもん
他国の人間からしたら「何が違うんだ?」にしかならない気がする
「竹に雀自体は上杉から貰ったらしいけど、伊達の家紋もすっかりこれが有名になっちまったな」
「うちって家紋がたくさんありましたもんね」
「昔は三引両が多かったらしいけど、梵は竹に雀を使ってたな
ま、独自性みたいなのがあって、よかったんじゃねーの?」
成実さんが離れたところにいる双竜をちらりと見遣る
二人で何かを話して笑う兄様は、すっかりリラックスモードだ
昔の話でもしているんだろうか
そちらには向かわず、私は青葉城本丸の復元模型を見下ろした
「おお、見慣れたお城だ」
「天守閣がねぇのが絶妙に気持ち悪いんだよな
いやこの世界での歴史的には正しいんだけどよ、なんつーか、細かいところが気になっちまうというか」
「あはは、分かります
違和感ありますよね」
兄様は天守閣から城下を見下ろすのが好きだった
活き活きとした街並みを眺めるときの兄様は、いつだって柔らかく微笑んでいて
兄様が奥州と、自分の足元に住む民たちを大切に思っていることを垣間見ることができる、その瞬間が私は好きだ
「お前もよく天守閣に登ったもんだよな」
「降りるのに難儀するって分かってて、登ってきやがる
足滑らせて怪我したらどうするつもりだったんだ?」
「でも兄様、私に登るなとは言いませんでしたよね」
「言ったって聞かずに登ってくることくらい、お見通しなんだよ」
つんと頭を小突かれ、私は笑って誤魔化すことにした
だって私も天守閣からの眺めが好きだったから
もちろん城下に降りて、民たちと交流することも大好きだった
隣には必ず成実さんがいて、城下で遊んだ帰りに渡辺屋でお団子を食べて帰ったものだ
もちろん城へ続く坂道は、最後まで自力で登れず、成実さんに抱っこされてしまうけど
「大森城も天守閣はあったけど、俺はあんまり登らなかったな」
「成実さんは、どちらかというと城下に下りるほうがお好きでしたもんね」
「そーそー、だいたいいっつも、駄菓子屋のオヤジに笑われて帰るんだよな」
「懐かしいですねぇ
結局あれからも時呼ばわりでした?」
「ああ、オヤジが死ぬまで直らなかったな……」
成実さんは間違いなく伊達家の……兄様の重臣で、一門第二席のやんごとなきお方なのに、どうにも遊ばれてしまう
親しみやすい性格のおかげなんだろうとは思うし、それは成実さんの長所だ
でも佐助さんには「成ちゃん」と呼ばれ、駄菓子屋の店主からは「時」と呼ばれ、城下のお年寄りからは「若様」だ
威厳が足りな……いや、そんな威厳なんてなかったから、仕方ないのかもな……
私が好きになったのは、そんな成実さんでもあるのだけれど
