番外編2 宮城旅行松島編
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お夕飯も堪能して、腹ごなしに館内を散策
館内にはサロンがあったり、文庫コーナーがあったり、ラウンジにはマッサージチェアがあったりした
……別荘とは?
「せっかくだし、堪能しちゃおう」
文庫コーナーから本を持ってきて、サロンのソファで優雅に読書タイム
サロンのドリンクは飲み放題だ
ワインとかウイスキーとかも飲み放題なのだ
読書にお酒は違いなと思ったので、温かいお茶にした
リラックスできる音楽と、明るすぎず暗すぎない照明
読書にはもってこいだな
読み耽っていると、ふと目の前に誰かが座る気配がした
「あ、兄様」
「邪魔したか」
「いえいえそんな
……兄様がワインを飲むと、なんかこう、様になりますね」
「なんだそりゃ」
なんか……映画のワンシーンかのような……
ネグリジェまで着てたら完璧だったな
兄様の格好は備え付けの浴衣だ
備え付けの浴衣がここまで様になる人も、あんまりいない気がする
「Titleは?」
「短編集です」
「島崎藤村か、渋いな」
「山月記と迷ったんですけど」
「どっちみち純文学か」
「面白いですよ」
「I know.」
「読んだことがあるんですね」
「まぁな」
短いやり取りを経て、私は読書に戻った
兄様もワインを傾けながら、スマートフォンで何かを眺めている
兄妹水入らずもなんだか楽しいな
無言の時間が続く中、兄様は洋書を読むことにしたようだ
「兄様って頭いいですよね」
「急だな
バカにゃあ当主もCEOも務まらねぇだろ」
「運動神経も抜群だし」
「この独眼竜が運動音痴なんざ、jokeにもならねぇぜ」
「死ぬほどモテましたもんね
バレンタインの日なんか、武道場がすごい騒ぎで」
「貰っちゃいねぇがな」
「そうなんですか!?
あんなに人当たりのいい顔して!?」
「してねぇだろ
俺を慕う気持ちだけは受け取ったが、モノについては……小十郎の奴がうるせぇからな」
「何が入ってるか分からないってことですか」
「That's right.
俺の知らねぇところでshoes boxやらdeskやらに捩じ込まれた分も、小十郎が処理してやがったはずだ」
「……」
それなら私も渡さなくて正解だったな
とは言っても高校時代の私と兄様は、ほぼ疎遠な親戚のままで終わってしまったから、チョコなんてあげなかったわけだけど
もし兄様と最初から兄妹として接していたら、間違いなくチョコを渡したし、ホワイトデーにはこっちが気後れするくらいのお返しが来たんだろうな
「今からでも遅くねぇぜ?」
「欲しいんですか?」
「妹からのchocolateならwelcomeだ」
「……既製品でも?」
「俺のことを考えて買ったモンにケチなんざつけるかよ」
「たしかに兄様はそんなことしないですね」
もちろん伊達の人はみんな、そんなことをするような人たちじゃない
それはそれとして、兄様はそもそもご自身の腕がパティシエ顔負けだから、私の拙い手作りを差し上げるのはしのびないのだ
そういえば成実さんにもチョコをあげたことなかったな
前世でそんな習慣がなかったし、小中高は渡す相手もいなかったから、世間の盛り上がりとは対照的に、バレンタインが私の中では希薄な存在だったというか
成実さん本人がなにも言わないから、なおのこと忘れていたというか……
海夜も友チョコを渡し合うような関係じゃなかったもんなぁ
あっでもバレンタインになると、喫茶店に新作のチョコレート系スイーツが並ぶから、それを目当てに通ったっけ
「読書はもういいのか?」
「あっ、そうだった」
「短編集ならキリのいいところで切り上げるのも手だぜ
ただでさえ歩き回って疲れてるってのに、ここで寝落ちたって知らねえからな」
「たしかに……」
そう言いつつ、私が寝落ちしたら部屋まで運んでくれそうな気はする
さすがにそこまで甘えるのは良くないな
「いま読みかけの話を読んだら戻ります」
「Do that.
成実の野郎が不貞腐れてやがることだろうぜ」
「あはは……」
だって成実さんはお風呂に入り直すって言ってたから……
館内を散策することは伝えてあるし、不貞腐れたりなんかしないと思う……いや、どうだろう
俺抜きで楽しそうなことしやがって〜なんてことは言うかもしれない
お互い読みかけの本に目を落とせば、サロンには静かな時間が再び訪れた
ピアノのBGMが穏やかに響く夜
松島での一日は、ゆっくりと終わりを告げようとしていた
館内にはサロンがあったり、文庫コーナーがあったり、ラウンジにはマッサージチェアがあったりした
……別荘とは?
「せっかくだし、堪能しちゃおう」
文庫コーナーから本を持ってきて、サロンのソファで優雅に読書タイム
サロンのドリンクは飲み放題だ
ワインとかウイスキーとかも飲み放題なのだ
読書にお酒は違いなと思ったので、温かいお茶にした
リラックスできる音楽と、明るすぎず暗すぎない照明
読書にはもってこいだな
読み耽っていると、ふと目の前に誰かが座る気配がした
「あ、兄様」
「邪魔したか」
「いえいえそんな
……兄様がワインを飲むと、なんかこう、様になりますね」
「なんだそりゃ」
なんか……映画のワンシーンかのような……
ネグリジェまで着てたら完璧だったな
兄様の格好は備え付けの浴衣だ
備え付けの浴衣がここまで様になる人も、あんまりいない気がする
「Titleは?」
「短編集です」
「島崎藤村か、渋いな」
「山月記と迷ったんですけど」
「どっちみち純文学か」
「面白いですよ」
「I know.」
「読んだことがあるんですね」
「まぁな」
短いやり取りを経て、私は読書に戻った
兄様もワインを傾けながら、スマートフォンで何かを眺めている
兄妹水入らずもなんだか楽しいな
無言の時間が続く中、兄様は洋書を読むことにしたようだ
「兄様って頭いいですよね」
「急だな
バカにゃあ当主もCEOも務まらねぇだろ」
「運動神経も抜群だし」
「この独眼竜が運動音痴なんざ、jokeにもならねぇぜ」
「死ぬほどモテましたもんね
バレンタインの日なんか、武道場がすごい騒ぎで」
「貰っちゃいねぇがな」
「そうなんですか!?
あんなに人当たりのいい顔して!?」
「してねぇだろ
俺を慕う気持ちだけは受け取ったが、モノについては……小十郎の奴がうるせぇからな」
「何が入ってるか分からないってことですか」
「That's right.
俺の知らねぇところでshoes boxやらdeskやらに捩じ込まれた分も、小十郎が処理してやがったはずだ」
「……」
それなら私も渡さなくて正解だったな
とは言っても高校時代の私と兄様は、ほぼ疎遠な親戚のままで終わってしまったから、チョコなんてあげなかったわけだけど
もし兄様と最初から兄妹として接していたら、間違いなくチョコを渡したし、ホワイトデーにはこっちが気後れするくらいのお返しが来たんだろうな
「今からでも遅くねぇぜ?」
「欲しいんですか?」
「妹からのchocolateならwelcomeだ」
「……既製品でも?」
「俺のことを考えて買ったモンにケチなんざつけるかよ」
「たしかに兄様はそんなことしないですね」
もちろん伊達の人はみんな、そんなことをするような人たちじゃない
それはそれとして、兄様はそもそもご自身の腕がパティシエ顔負けだから、私の拙い手作りを差し上げるのはしのびないのだ
そういえば成実さんにもチョコをあげたことなかったな
前世でそんな習慣がなかったし、小中高は渡す相手もいなかったから、世間の盛り上がりとは対照的に、バレンタインが私の中では希薄な存在だったというか
成実さん本人がなにも言わないから、なおのこと忘れていたというか……
海夜も友チョコを渡し合うような関係じゃなかったもんなぁ
あっでもバレンタインになると、喫茶店に新作のチョコレート系スイーツが並ぶから、それを目当てに通ったっけ
「読書はもういいのか?」
「あっ、そうだった」
「短編集ならキリのいいところで切り上げるのも手だぜ
ただでさえ歩き回って疲れてるってのに、ここで寝落ちたって知らねえからな」
「たしかに……」
そう言いつつ、私が寝落ちしたら部屋まで運んでくれそうな気はする
さすがにそこまで甘えるのは良くないな
「いま読みかけの話を読んだら戻ります」
「Do that.
成実の野郎が不貞腐れてやがることだろうぜ」
「あはは……」
だって成実さんはお風呂に入り直すって言ってたから……
館内を散策することは伝えてあるし、不貞腐れたりなんかしないと思う……いや、どうだろう
俺抜きで楽しそうなことしやがって〜なんてことは言うかもしれない
お互い読みかけの本に目を落とせば、サロンには静かな時間が再び訪れた
ピアノのBGMが穏やかに響く夜
松島での一日は、ゆっくりと終わりを告げようとしていた
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