番外編1 宮城旅行白石編
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城を降りたら、そのまま徒歩で武家屋敷へ
武家屋敷とは思えぬほどの小ぢんまりとした作りだったから、危うく通り過ぎるところだった
「武家屋敷っつーより、ほぼ庶民の家だな」
「儲かる土地じゃなかったし、仕方ねぇところはあるんじゃねぇか?」
「内職しないとキツそうですよね……」
私たちが好き勝手に言えば言うほど、小十郎さんが申し訳なさそうな顔をする
最後には私達もそっと口を閉じてしまった
小十郎さんが悪いというよりかは、土地が悪かったとしか言いようがないけれど……
海夜が嫁いだ土地は、こういう場所だったんだ
文句も言わず、重長くんとよく頑張ったね
かか様は鼻が高いぞ
* * *
駐車場に戻ってきて、みんなで車に乗り込んだときだった
小十郎さんのスマートフォンに着信が入ったのだ
「誰から?」
「留守だ
どうした?」
電話に出た小十郎さんが、二秒後に「あぁ?」とドスの効いた声を出した
留守さんが何かやらかしてしまったのだろうか
「留守はなんと?」
「昼食先の予定だった店が臨時休業らしい
急遽だが別の店を手配したそうだ」
「絶妙にツイてねぇな……」
成実さんの一言に無言で頷いてしまった
変更された先のお店も人気店ではあるらしいので、私としては異論ないのだけれども
ちなみに今日のお昼は温麺だ、これだけは私が譲れなかった
まさかお宿の夕食で食べるとは思わなかったけど
「美味しいなら問題ないです!」
「だ、そうだ
うちのprincessがGO signを出したんなら、反対する理由なんざねぇだろ?」
「そうですな」
少しだけほっとしたような顔で、小十郎さんが車を発進させた
食べるものにケチをつけるような人間じゃないのになぁ、私……
「せっかく白石まで来たんだから、美味いもの食べてほしかったんだよ」
小十郎さんの心境を察してか、成実さんが私へそう言った
美味しいものを食べてほしいって気持ちは分かるけど……
「少なくとも宮城に着いてから、美味しいものしか食べてないですよ?」
「だってよ、小十郎」
「勿体ないお言葉です」
「正当な評価ですよ」
助手席の成実さんが可笑しそうに肩を揺らした
だって本当のことだもん!
私はそこまで舌が肥えてるわけじゃないし!
白石城から車を走らせること約十分
留守さんの手配したお店が見えてきた
店の目の前にある駐車場は一台だけ空いていて、小十郎さんがそこに車を停めた
店の奥から留守さんが出てきて、小十郎さんへ呼び出しベルを手渡してくる
「寒いんで、横の売店で待っててほしいそうです
売店の中なら電波届くらしいんで」
「フードコートでよく見るやつだ」
「Food court?」
「え、まさか兄様、フードコートをご存知ないんですか?
ショッピングモールとか大型の商業施設とかにあるじゃないですか」
「……夕華様
政宗様は普段、そういった所へは赴かれませぬゆえ……」
小十郎さんの一言で、私はそっと項垂れた
そうだね、行かないよねそんなとこ、天下の伊達財閥の跡取りが
個室のある高級料亭しか行かないよね
下手すると成実さんも行ったことなさそうだもん
「……期待した目で見るな、俺も存在だけ知ってる側だ
実際に行ったことはねぇよ」
「海夜がいたらものすごく怒りそうですね
これだから金持ちは世間知らずで嫌いなのよ、とか言いそう」
「うわー、言いそうだなほんとに……」
暖を取るべく隣の売店に入ると、棚には温麺やお漬物、その他お土産品がずらりと並んでいた
小十郎漬けって何だろう、分かんないけど美味しそう
でもとりあえず温麺は買いたいな
わざわざここで買うこともないのかな、でもせっかくなら製麺所のあるここで買うべきじゃない?
「好きなだけ買え
あとで留守か白石に預けりゃいいさ」
「そうですね!」
「しれっと荷物持ちに任命されちゃったッスね?
いいんスけど、別に……」
「夕華様の荷物持ちを務めることに不満でもあるってのか?
俺の荷物持ちにしてやってもいいんだぞ」
「小十郎様の荷物持ちは勘弁してほしいッス」
「ほう?
俺の荷物持ちを断るとは、偉くなったな」
「どっちにしてもキレられるんじゃないスか!!」
留守さんの悲鳴が店内に響いた
可哀想な留守さん……
白石さんは我関せずの顔で私の荷物持ちをしてくれている
あれこれと選んでは白石さんの持つカゴへ入れ、お会計の金額は一万を超えた
「……買いすぎましたかね」
「まあ、賞味期限には余裕あるし、食い切れるだろ」
「成実さん……たまには、怒ってもいいんですよ……?」
「は?
なんでだよ?」
さすが私に甘い成実さん
誰がどう見たって買いすぎなのに、彼には私を叱るという選択肢がないらしかった
……自制しなきゃ、そうじゃないと本当に片っ端から気になったものを買うことになりそう
そのとき、小十郎さんが持っている呼び出しベルが音を鳴らした
みんなで売店を出て、奥のお店へ
小上がりの囲炉裏を囲むように座って、それぞれがメニュー表を開いた
「小十郎お前、かしわ好きだったのか」
「本当だ
片倉小十郎は鶏肉が好きだったって書いてある……
でも小十郎さん、野菜のイメージが強いですけど……」
私と兄様に見つめられた小十郎さんも困惑しきりだ
まあ片倉家は全部の代が「片倉小十郎」を名乗っていたらしいから、小十郎さんではない別の「片倉小十郎」なのかもしれない
どう考えたってうちの小十郎さんが鶏肉を好むとは思えないもんね
ニラを好むとも書いてあるから、それはなんか分かる気がするけど
武家屋敷とは思えぬほどの小ぢんまりとした作りだったから、危うく通り過ぎるところだった
「武家屋敷っつーより、ほぼ庶民の家だな」
「儲かる土地じゃなかったし、仕方ねぇところはあるんじゃねぇか?」
「内職しないとキツそうですよね……」
私たちが好き勝手に言えば言うほど、小十郎さんが申し訳なさそうな顔をする
最後には私達もそっと口を閉じてしまった
小十郎さんが悪いというよりかは、土地が悪かったとしか言いようがないけれど……
海夜が嫁いだ土地は、こういう場所だったんだ
文句も言わず、重長くんとよく頑張ったね
かか様は鼻が高いぞ
* * *
駐車場に戻ってきて、みんなで車に乗り込んだときだった
小十郎さんのスマートフォンに着信が入ったのだ
「誰から?」
「留守だ
どうした?」
電話に出た小十郎さんが、二秒後に「あぁ?」とドスの効いた声を出した
留守さんが何かやらかしてしまったのだろうか
「留守はなんと?」
「昼食先の予定だった店が臨時休業らしい
急遽だが別の店を手配したそうだ」
「絶妙にツイてねぇな……」
成実さんの一言に無言で頷いてしまった
変更された先のお店も人気店ではあるらしいので、私としては異論ないのだけれども
ちなみに今日のお昼は温麺だ、これだけは私が譲れなかった
まさかお宿の夕食で食べるとは思わなかったけど
「美味しいなら問題ないです!」
「だ、そうだ
うちのprincessがGO signを出したんなら、反対する理由なんざねぇだろ?」
「そうですな」
少しだけほっとしたような顔で、小十郎さんが車を発進させた
食べるものにケチをつけるような人間じゃないのになぁ、私……
「せっかく白石まで来たんだから、美味いもの食べてほしかったんだよ」
小十郎さんの心境を察してか、成実さんが私へそう言った
美味しいものを食べてほしいって気持ちは分かるけど……
「少なくとも宮城に着いてから、美味しいものしか食べてないですよ?」
「だってよ、小十郎」
「勿体ないお言葉です」
「正当な評価ですよ」
助手席の成実さんが可笑しそうに肩を揺らした
だって本当のことだもん!
私はそこまで舌が肥えてるわけじゃないし!
白石城から車を走らせること約十分
留守さんの手配したお店が見えてきた
店の目の前にある駐車場は一台だけ空いていて、小十郎さんがそこに車を停めた
店の奥から留守さんが出てきて、小十郎さんへ呼び出しベルを手渡してくる
「寒いんで、横の売店で待っててほしいそうです
売店の中なら電波届くらしいんで」
「フードコートでよく見るやつだ」
「Food court?」
「え、まさか兄様、フードコートをご存知ないんですか?
ショッピングモールとか大型の商業施設とかにあるじゃないですか」
「……夕華様
政宗様は普段、そういった所へは赴かれませぬゆえ……」
小十郎さんの一言で、私はそっと項垂れた
そうだね、行かないよねそんなとこ、天下の伊達財閥の跡取りが
個室のある高級料亭しか行かないよね
下手すると成実さんも行ったことなさそうだもん
「……期待した目で見るな、俺も存在だけ知ってる側だ
実際に行ったことはねぇよ」
「海夜がいたらものすごく怒りそうですね
これだから金持ちは世間知らずで嫌いなのよ、とか言いそう」
「うわー、言いそうだなほんとに……」
暖を取るべく隣の売店に入ると、棚には温麺やお漬物、その他お土産品がずらりと並んでいた
小十郎漬けって何だろう、分かんないけど美味しそう
でもとりあえず温麺は買いたいな
わざわざここで買うこともないのかな、でもせっかくなら製麺所のあるここで買うべきじゃない?
「好きなだけ買え
あとで留守か白石に預けりゃいいさ」
「そうですね!」
「しれっと荷物持ちに任命されちゃったッスね?
いいんスけど、別に……」
「夕華様の荷物持ちを務めることに不満でもあるってのか?
俺の荷物持ちにしてやってもいいんだぞ」
「小十郎様の荷物持ちは勘弁してほしいッス」
「ほう?
俺の荷物持ちを断るとは、偉くなったな」
「どっちにしてもキレられるんじゃないスか!!」
留守さんの悲鳴が店内に響いた
可哀想な留守さん……
白石さんは我関せずの顔で私の荷物持ちをしてくれている
あれこれと選んでは白石さんの持つカゴへ入れ、お会計の金額は一万を超えた
「……買いすぎましたかね」
「まあ、賞味期限には余裕あるし、食い切れるだろ」
「成実さん……たまには、怒ってもいいんですよ……?」
「は?
なんでだよ?」
さすが私に甘い成実さん
誰がどう見たって買いすぎなのに、彼には私を叱るという選択肢がないらしかった
……自制しなきゃ、そうじゃないと本当に片っ端から気になったものを買うことになりそう
そのとき、小十郎さんが持っている呼び出しベルが音を鳴らした
みんなで売店を出て、奥のお店へ
小上がりの囲炉裏を囲むように座って、それぞれがメニュー表を開いた
「小十郎お前、かしわ好きだったのか」
「本当だ
片倉小十郎は鶏肉が好きだったって書いてある……
でも小十郎さん、野菜のイメージが強いですけど……」
私と兄様に見つめられた小十郎さんも困惑しきりだ
まあ片倉家は全部の代が「片倉小十郎」を名乗っていたらしいから、小十郎さんではない別の「片倉小十郎」なのかもしれない
どう考えたってうちの小十郎さんが鶏肉を好むとは思えないもんね
ニラを好むとも書いてあるから、それはなんか分かる気がするけど
