番外編1 宮城旅行白石編
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翌朝──底冷えする寒さで目を覚ました
広すぎる部屋に一人で眠ったせいか、なんだか寂しい
カーテンを開けた瞬間、絶句した
「……雪、すごいなぁ」
少なくとも仙台では見られない積雪量だ
さすが白石、蔵王連峰の麓なだけある
時計を見ると、まだ朝の七時だった
朝ごはんは八時って言ってたから、ぱっと朝から温泉に入ってもいいかも
流石にこんな朝から喜多さんを呼ぶわけには行かないから、お部屋にある室内風呂に入ることにした
ポカポカに温まったついでに顔も洗って、洋服に着替えていると、部屋のドアをノックされた
「おはようございます、夕華様」
「喜多さん、おはようございます」
「お着替えはお済みでいらっしゃいましたか
それでは御髪を整えさせていただきますね」
リビングに通して、喜多さんが私の髪を丁寧にヘアブラシで梳いていく
メイクもまだだと言うことに気がついてくれていたようで、喜多さんは持参したポーチからあれこれとメイク道具を取り出した
「喜多さんにお世話をされるのも久しぶりですね」
「本当に……
喜多めの生き甲斐が成実様に奪われ、大変物足りぬ毎日を送っております」
「あ、あはは……」
喜多さんの手が髪を器用に編み込みしていく
寒いから結い上げるのはやめたようだ
それから前髪をクリップで留めて、メイクに入った
メイクも終わる頃には、八時になる五分前
急いで準備して喜多さんと食事会場へ向かうと、既に全員揃っていた
「すみません、遅くなりました!」
「Don't worry.
むしろJustだ」
「やっぱ喜多姐ちゃんがやるとメイクも髪も上手く仕上がるな
俺はまだまだ下手くそだ」
「成実さんも充分お上手だと思いますけど……」
豪華な朝ご飯が並べられて、手を合わせていただきますの大合唱
ご飯のお供が多すぎて、お櫃に入ったご飯はものの見事に完食された
焼きたらこ美味しいな
「ん、漬物も美味いな」
「相並のみりん焼きも美味しいですよね」
「朝から豪勢っスね〜」
朝食後にはデザートもあって、コーヒー派と紅茶派で分かれつつ、約一時間かけて食事を終えた
今日は白石市内──片倉氏の居城である白石城を中心に回るつもりだ
もちろん、お昼ご飯は白石温麺と決まっている
冷えるから暖かくしろよ、と兄様に言われながら、私は部屋へと戻った
* * *
宿の周辺が雪だらけなら、白石市内も同様だ
真っ白な雪化粧を施した白石城を見上げ、私は感嘆の声を漏らした
「わぁ……これが白石城……」
「天守閣と本丸の城壁のみ、復元されておるようです
政宗様、夕華様、雪が積もっておりまするゆえ、お足元にはお気を付けを」
ぎゅむぎゅむと雪を踏み締めて、小十郎さん達が白石城内へ入っていく
私も門を通って中へ入った
本丸跡は、今では公園のような広場になっているらしい
静かな城址は無言のままに歴史を伝えてくる
「立派なお城だったんですね」
「見てくれだけは……といったところです
内情は豊かとは言い難いもので」
「ま、贅沢はあまりできない感じではあったか」
「小十郎さんが治めた白石も、こんな感じでしたか?」
「はい、まったくと言っていいほど変わりありませぬ
当時の写真などないはずですが、よく復元できている」
小十郎さんはどこか懐かしそうに目を細めて、天守閣を見上げた
平日の、雪が積もった寒い日
こんな日に登城しようなんて物好きは、私たちだけであるらしい
「こんな雪深い土地に、海夜は嫁いだんですね」
「海夜様にも不便を強いてしまいましたな
ここはどうにも派手さのない田舎でございまするゆえ……」
「大森だって大差ねぇぞ
一番栄えてたのは仙台だったしよ」
「大森が伊達領の最南端でしたもんね
あんまり大差ないのは、そうかもしれないです」
「でも海夜は白石での暮らしに文句なんか言ったことなかったぞ
多少の不便さは、むしろ楽しんでたくらいじゃねぇか?」
「いえ、海夜様は……そうですな、白石城での暮らしを楽しまれているようでした
不便があれば重長に申し付けるよう、伝えてありましたので」
「わがまま言いたい放題じゃなかったですか?」
「いえ、全く
むしろ重長のほうが、あれこれと気を回して娯楽など揃えていたようでして」
広場をぐるっと一周しながら、取り留めもないあの頃の話をして
兄様は何も言わず、微笑んだまま会話を聞くだけだった
白石での話はやっぱり、小十郎さんのほうが詳しいもんね
「ではそろそろ天守へと登りますか」
「そうだな」
小十郎さんに言われて、兄様が天守閣を見上げた
階段を上がって、天守閣の中へ
天守閣内は土足厳禁らしく、私たちは入口で靴を脱いで天守閣へと上がった
広すぎる部屋に一人で眠ったせいか、なんだか寂しい
カーテンを開けた瞬間、絶句した
「……雪、すごいなぁ」
少なくとも仙台では見られない積雪量だ
さすが白石、蔵王連峰の麓なだけある
時計を見ると、まだ朝の七時だった
朝ごはんは八時って言ってたから、ぱっと朝から温泉に入ってもいいかも
流石にこんな朝から喜多さんを呼ぶわけには行かないから、お部屋にある室内風呂に入ることにした
ポカポカに温まったついでに顔も洗って、洋服に着替えていると、部屋のドアをノックされた
「おはようございます、夕華様」
「喜多さん、おはようございます」
「お着替えはお済みでいらっしゃいましたか
それでは御髪を整えさせていただきますね」
リビングに通して、喜多さんが私の髪を丁寧にヘアブラシで梳いていく
メイクもまだだと言うことに気がついてくれていたようで、喜多さんは持参したポーチからあれこれとメイク道具を取り出した
「喜多さんにお世話をされるのも久しぶりですね」
「本当に……
喜多めの生き甲斐が成実様に奪われ、大変物足りぬ毎日を送っております」
「あ、あはは……」
喜多さんの手が髪を器用に編み込みしていく
寒いから結い上げるのはやめたようだ
それから前髪をクリップで留めて、メイクに入った
メイクも終わる頃には、八時になる五分前
急いで準備して喜多さんと食事会場へ向かうと、既に全員揃っていた
「すみません、遅くなりました!」
「Don't worry.
むしろJustだ」
「やっぱ喜多姐ちゃんがやるとメイクも髪も上手く仕上がるな
俺はまだまだ下手くそだ」
「成実さんも充分お上手だと思いますけど……」
豪華な朝ご飯が並べられて、手を合わせていただきますの大合唱
ご飯のお供が多すぎて、お櫃に入ったご飯はものの見事に完食された
焼きたらこ美味しいな
「ん、漬物も美味いな」
「相並のみりん焼きも美味しいですよね」
「朝から豪勢っスね〜」
朝食後にはデザートもあって、コーヒー派と紅茶派で分かれつつ、約一時間かけて食事を終えた
今日は白石市内──片倉氏の居城である白石城を中心に回るつもりだ
もちろん、お昼ご飯は白石温麺と決まっている
冷えるから暖かくしろよ、と兄様に言われながら、私は部屋へと戻った
* * *
宿の周辺が雪だらけなら、白石市内も同様だ
真っ白な雪化粧を施した白石城を見上げ、私は感嘆の声を漏らした
「わぁ……これが白石城……」
「天守閣と本丸の城壁のみ、復元されておるようです
政宗様、夕華様、雪が積もっておりまするゆえ、お足元にはお気を付けを」
ぎゅむぎゅむと雪を踏み締めて、小十郎さん達が白石城内へ入っていく
私も門を通って中へ入った
本丸跡は、今では公園のような広場になっているらしい
静かな城址は無言のままに歴史を伝えてくる
「立派なお城だったんですね」
「見てくれだけは……といったところです
内情は豊かとは言い難いもので」
「ま、贅沢はあまりできない感じではあったか」
「小十郎さんが治めた白石も、こんな感じでしたか?」
「はい、まったくと言っていいほど変わりありませぬ
当時の写真などないはずですが、よく復元できている」
小十郎さんはどこか懐かしそうに目を細めて、天守閣を見上げた
平日の、雪が積もった寒い日
こんな日に登城しようなんて物好きは、私たちだけであるらしい
「こんな雪深い土地に、海夜は嫁いだんですね」
「海夜様にも不便を強いてしまいましたな
ここはどうにも派手さのない田舎でございまするゆえ……」
「大森だって大差ねぇぞ
一番栄えてたのは仙台だったしよ」
「大森が伊達領の最南端でしたもんね
あんまり大差ないのは、そうかもしれないです」
「でも海夜は白石での暮らしに文句なんか言ったことなかったぞ
多少の不便さは、むしろ楽しんでたくらいじゃねぇか?」
「いえ、海夜様は……そうですな、白石城での暮らしを楽しまれているようでした
不便があれば重長に申し付けるよう、伝えてありましたので」
「わがまま言いたい放題じゃなかったですか?」
「いえ、全く
むしろ重長のほうが、あれこれと気を回して娯楽など揃えていたようでして」
広場をぐるっと一周しながら、取り留めもないあの頃の話をして
兄様は何も言わず、微笑んだまま会話を聞くだけだった
白石での話はやっぱり、小十郎さんのほうが詳しいもんね
「ではそろそろ天守へと登りますか」
「そうだな」
小十郎さんに言われて、兄様が天守閣を見上げた
階段を上がって、天守閣の中へ
天守閣内は土足厳禁らしく、私たちは入口で靴を脱いで天守閣へと上がった
