番外編1 宮城旅行白石編
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美味しい料理には、当然ながら美味しいお酒が合う
宮城を中心として東北の酒蔵で作られた日本酒が並ぶラインナップを、私と成実さんは真剣な顔で眺めた
「成実さん、おすすめは?」
「どれも美味いだろ、たぶん」
「それはそうなんですけど」
二十歳も越えたし、お酒も解禁になって約三年
少しずつ飲めるようになってきて、成実さんも嬉しそうだ
というわけで、成実さんと二人で日本酒を堪能しようというわけなのだが
「無難に伯楽星か?」
「勝山あるぞ」
「あ、マジ?」
「勝山って?」
「こっちの伊達家御用達の酒蔵だよ
っつっても実際に勝山ができたのは、綱村の代らしいけどな」
「へぇ……」
「飲むか?」
兄様に問われて、こくこくと頷く
すぐさま兄様は隣に座る小十郎さんへ指示を出した
「小十郎、全員分頼め」
「はっ」
七人分の勝山が注文されてしまった
さらっと留守さん白石さん喜多さんの飲酒が確定しちゃったけど、大丈夫なんだろうか
「酒蔵ならお前も作ったよな?」
「そりゃ作るだろ」
「政宗様こだわりの清酒を作らせておりましたな」
「兄様って辛口がお好きでしたよね」
「お前は甘口派だったな」
懐かしそうに笑って、兄様が小鉢を上品に口元へ運んだ
お酒の趣味は兄様と私で正反対だったな
年始になるといつも私宛に仙台からお酒が贈られてきたけど、私好みの甘口だったのを思い出す
やってきた徳利とお猪口は、四人分だった
お猪口はそれぞれ兄様、私、成実さん、小十郎さんの手元へ
喜多さんたちは飲まないようだった
「留守さんたちは飲まないんですか?」
「俺たちは一応これでも仕事中なんで、飲酒は厳禁なんスよ」
「お気持ちだけありがたく頂戴致します、姫」
「酒に酔っては夕華様のお世話ができませんので」
ものすごく申し訳ない
三人とも飲めないのに、私たちだけ美味しいお酒を飲むなんて……
でも兄様たちは気にせず飲んでいた
気にしても仕方ないことなんだろうけど、なんだかなぁ
「飲まねぇのか?」
「飲みます!」
「注いでやるよ、ほれ」
成実さんが徳利を持ったから、私もお猪口を差し出した
三人には申し訳ないけど、今回は飲ませてもらおう
「ん、スッキリした辛口ですね」
「飲めそうか?」
「はい、美味しいです」
兄様が僅かに左目を細める
私が美味しく飲めるか、気にしてくれてたんだな
「お酒も料理も美味しい……
いい旅行だったな……」
「まだ一日目だぞ」
「それほどまでに白石のものを味わっていただけるとは
この小十郎、嬉しく存じまする」
「椀物の温麺も楽しみです
食べたことなくて」
調べた限りだと、温かい素麺みたいな感じだったけど
楽しみだなぁとワクワクする私の目の前に、刺身がやってきた
イカやタコ、北寄貝などが並んだ中に、一際サシの綺麗な鮪がある
これ絶対に大トロだよね……
中居さんが刺身の説明をしてくれるけど、しっかりと大トロって聞こえた
大トロが……ものすごく分厚く、それこそ高い店で出るステーキかってなくらいに分厚くカットされている……
そっと兄様を見やると、兄様は不思議そうな顔をしていた
だめだ、私の困惑がまるで伝わっていない……!
「すんげぇ刺身」
「仕事であることを忘れそうになるな……」
「ええ、ほんとうに……」
ほらもう従者組がドン引きしてるもん
涼しい顔して食べてるけど、兄様
成実さんも何食わぬ顔で食べてるけど
そっと小十郎さんを見つめると、小十郎さんは無言で首を振った
諦められよ……という声が聞こえてくるようだ
まあそうだろうな、もう諦めるしかないよね
兄様のブルジョワっぷりは、今に始まったことじゃないもんね……
諦めて大トロを醤油につけて一口
「……おいっし……」
「よかったな、俺の分も食うか?」
「それは成実さんが食べないと!
こんな美味しいの、次いつ食べられるか分かりませんよ!?」
「たぶん年始に食えるぞ」
「……そうかもしれませんけど!」
なんなら美味しい蟹も食べられるんだけど!
伊勢海老も一尾丸ごと食べられるんだけど!
それとこれとは話が違う!
「こちらはお嬢様へ、銀王の刺身でございます」
「え!?
あ、ありがとうございます……!」
私の元に追加で鮭の刺身が来てしまった
というか鮭って刺身でいけるんだ、知らなかった
「……兄様?」
「妹を甘やかすのは兄貴の特権だろ」
「甘やかし方がものすごいじゃないですか……」
ここぞとばかりに張り切ったな、絶対
鮭が一番好きだから嬉しいんだけど……!
旅館の人にどれだけ無茶ぶりしたんだろう
怖くて絶対に聞けない
宮城を中心として東北の酒蔵で作られた日本酒が並ぶラインナップを、私と成実さんは真剣な顔で眺めた
「成実さん、おすすめは?」
「どれも美味いだろ、たぶん」
「それはそうなんですけど」
二十歳も越えたし、お酒も解禁になって約三年
少しずつ飲めるようになってきて、成実さんも嬉しそうだ
というわけで、成実さんと二人で日本酒を堪能しようというわけなのだが
「無難に伯楽星か?」
「勝山あるぞ」
「あ、マジ?」
「勝山って?」
「こっちの伊達家御用達の酒蔵だよ
っつっても実際に勝山ができたのは、綱村の代らしいけどな」
「へぇ……」
「飲むか?」
兄様に問われて、こくこくと頷く
すぐさま兄様は隣に座る小十郎さんへ指示を出した
「小十郎、全員分頼め」
「はっ」
七人分の勝山が注文されてしまった
さらっと留守さん白石さん喜多さんの飲酒が確定しちゃったけど、大丈夫なんだろうか
「酒蔵ならお前も作ったよな?」
「そりゃ作るだろ」
「政宗様こだわりの清酒を作らせておりましたな」
「兄様って辛口がお好きでしたよね」
「お前は甘口派だったな」
懐かしそうに笑って、兄様が小鉢を上品に口元へ運んだ
お酒の趣味は兄様と私で正反対だったな
年始になるといつも私宛に仙台からお酒が贈られてきたけど、私好みの甘口だったのを思い出す
やってきた徳利とお猪口は、四人分だった
お猪口はそれぞれ兄様、私、成実さん、小十郎さんの手元へ
喜多さんたちは飲まないようだった
「留守さんたちは飲まないんですか?」
「俺たちは一応これでも仕事中なんで、飲酒は厳禁なんスよ」
「お気持ちだけありがたく頂戴致します、姫」
「酒に酔っては夕華様のお世話ができませんので」
ものすごく申し訳ない
三人とも飲めないのに、私たちだけ美味しいお酒を飲むなんて……
でも兄様たちは気にせず飲んでいた
気にしても仕方ないことなんだろうけど、なんだかなぁ
「飲まねぇのか?」
「飲みます!」
「注いでやるよ、ほれ」
成実さんが徳利を持ったから、私もお猪口を差し出した
三人には申し訳ないけど、今回は飲ませてもらおう
「ん、スッキリした辛口ですね」
「飲めそうか?」
「はい、美味しいです」
兄様が僅かに左目を細める
私が美味しく飲めるか、気にしてくれてたんだな
「お酒も料理も美味しい……
いい旅行だったな……」
「まだ一日目だぞ」
「それほどまでに白石のものを味わっていただけるとは
この小十郎、嬉しく存じまする」
「椀物の温麺も楽しみです
食べたことなくて」
調べた限りだと、温かい素麺みたいな感じだったけど
楽しみだなぁとワクワクする私の目の前に、刺身がやってきた
イカやタコ、北寄貝などが並んだ中に、一際サシの綺麗な鮪がある
これ絶対に大トロだよね……
中居さんが刺身の説明をしてくれるけど、しっかりと大トロって聞こえた
大トロが……ものすごく分厚く、それこそ高い店で出るステーキかってなくらいに分厚くカットされている……
そっと兄様を見やると、兄様は不思議そうな顔をしていた
だめだ、私の困惑がまるで伝わっていない……!
「すんげぇ刺身」
「仕事であることを忘れそうになるな……」
「ええ、ほんとうに……」
ほらもう従者組がドン引きしてるもん
涼しい顔して食べてるけど、兄様
成実さんも何食わぬ顔で食べてるけど
そっと小十郎さんを見つめると、小十郎さんは無言で首を振った
諦められよ……という声が聞こえてくるようだ
まあそうだろうな、もう諦めるしかないよね
兄様のブルジョワっぷりは、今に始まったことじゃないもんね……
諦めて大トロを醤油につけて一口
「……おいっし……」
「よかったな、俺の分も食うか?」
「それは成実さんが食べないと!
こんな美味しいの、次いつ食べられるか分かりませんよ!?」
「たぶん年始に食えるぞ」
「……そうかもしれませんけど!」
なんなら美味しい蟹も食べられるんだけど!
伊勢海老も一尾丸ごと食べられるんだけど!
それとこれとは話が違う!
「こちらはお嬢様へ、銀王の刺身でございます」
「え!?
あ、ありがとうございます……!」
私の元に追加で鮭の刺身が来てしまった
というか鮭って刺身でいけるんだ、知らなかった
「……兄様?」
「妹を甘やかすのは兄貴の特権だろ」
「甘やかし方がものすごいじゃないですか……」
ここぞとばかりに張り切ったな、絶対
鮭が一番好きだから嬉しいんだけど……!
旅館の人にどれだけ無茶ぶりしたんだろう
怖くて絶対に聞けない
