第八話 賑やかな時間
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場所を移して、我が家のリビング
孫市さんに連絡を入れると、「すぐに向かう」と返ってきた
ともあれ、お客さんの人数が多すぎて座る場所がなかったので、急きょ、押入れに入っていた折り畳み式のテーブルを引っ張り出すことに
「お飲み物は……」
「あぁ、お気遣いなく!」
「適当にお茶でいいよ、ていうか俺様も手伝うよ
この人数分を夕華ちゃん一人で用意させるのは気が引ける」
「あ、ありがとうございます、佐助さん……
世話焼き根性はご健在なんですね」
「まぁね……今生でも真田の家に出入りする立場だからね……
真田の旦那だけでも大変なのに、信幸の旦那までいるもんだから、正直言うと俺様があと一人は欲しいかな」
「あ、あはは……」
ぶつぶつと文句を言いながらも、慣れた手つきでお茶を注いでいく様は、さながらオカンだ
さすがに今生では忍びみたいなことはやってはいないだろうけど、察しの良さは前世譲りだったりするのかなぁ
「お茶淹れたよー
各自で取りに来なー」
「人を動かすスタイル……」
「俺様が持っていく道理はないでしょ」
自分の分のコップを手に、佐助さんがキッチンから出て行く
全員が立ち上がってこちらへ取りに来たので、私も自分の分だけを持ってテーブルに座った
* * *
「──いやー、しかし、このメンツでテーブルを囲むことになる日が来るとはねぇ!」
慶次さんが嬉しそうにそう言う
確かに、このメンツはめったにないと思う
瀬戸内両雄に加え、慶次さんに佐助さん、後から来た孫市さん
孫市さんに至っては、慶次さんを見るなり眉を寄せた
……うん、なんとなく想像できた、その理由
「で、誰も伊達側との絡みはなしと」
「おう」
風雲児連合は同時にため息
佐助さんも孫市さんも、心なしか表情は暗い
「つーかよぅ、お前さん、親戚なのになんで竜の兄さんの連絡先知らないんでぇ?」
「うっ、そこ突っ込みますか、元親さん……」
「まぁ言われりゃ確かにそうだね
夕華ちゃんのことだし、竜の旦那のLEINくらい、てっきり知ってるもんだと思ってた」
「だって、年に二、三回しか顔を合わせない程度ですよ?
なんで交換するんだって言われるじゃないですか、それ」
「……だな」
私は交換したかったんだけど、ね……
兄様は……記憶がないから、怪しまれそうだ
「孫市も接触とかないんでしょ?」
「あれば真っ先に夕華に教えている」
「ってこたぁ、サヤカもからっきしか」
「……すまん」
「いやいや、謝んなくてもいいよ
別にそれは孫市サンのせいじゃないしさ」
佐助さんは前世でも孫市さんと絡みがなかったせいか、どことなくよそよそしい
その辺りは気にしていないのか、孫市さんは「そうか」と呟いて口を閉ざした
「でもさ、成実とは会ってるんだろ?」
「は?」
「え、そうなの?」
元親さんと佐助さんの視線が一気に私に集中する
急に話題を振られて、私も飲もうと思っていたお茶をそっとテーブルに戻した
「えーっと、まぁ、はい
というか、今日も電車でご一緒しました」
「なっ……」
「……佐助さん?」
わなわなと肩を震わせる佐助さんを伺い見ると、脳天に佐助さんのチョップがさく裂した
「なんでそこでLEINも聞かないの、あんたって子は!!!」
「うわぁぁぁ!!
すみません!!
つい、嬉しさと幸せですっぽ抜けてて、そこらへんが!!!」
「このお馬鹿さん!!」
佐助さんから肩をガッツリ掴まれる
うっ、お馬鹿さんなんて久しぶりに言われた……
「……騒がしい者どもよ……」
「すみません……
前世から変わんないですもんね、皆さん……」
毛利様もご不快だろう……
申し訳ない……
「お主もよ」
「えっ」
元就さんは静かにお茶をすすった
なんでだろう、この人まだ二十代前半のはずなのに、すごい様になってる
……二十代前半なのに
「だが、我も話を聞いている限りは、違和感しか感じぬ」
「え?」
「駅で会ったと言っておったな」
「あ、はい」
「となれば、それは件の男が、この近辺に住んでおるからだ
そうであるならば、我らと再び相まみえても、何の不思議もない」
「あ……」
それは確かに……
毛利様に指摘されて、初めてその可能性があることに気付いた
さすがは智将の毛利様だ
「だが、それがないということは、何らかの作為的な要素が働いておるのか……
それとも、ただの偶然が出来過ぎておるのか……」
ベランダから差し込む陽の光を、毛利様が見つめる
作為的な要素といえば、前世で私をあっちにやったり、こっちにやったりしていたという、成島の八幡様だろうか
ううん、でも、今生の私は成島に行ったことも無いし、ご加護を得るようなことをした記憶も無いなぁ……
「どちらにせよ、次に会うことがあれば、連絡先を聞いておくがよい」
「はい、そうします」
「お主とあの者の仲は……我も不快ではなかった」
ポツリと呟かれた、その言葉
ビックリして、うっかりお菓子を取り落としてしまった
なにこれ
なんでここで毛利様は、デレを投下してしまわれたの……!
孫市さんに連絡を入れると、「すぐに向かう」と返ってきた
ともあれ、お客さんの人数が多すぎて座る場所がなかったので、急きょ、押入れに入っていた折り畳み式のテーブルを引っ張り出すことに
「お飲み物は……」
「あぁ、お気遣いなく!」
「適当にお茶でいいよ、ていうか俺様も手伝うよ
この人数分を夕華ちゃん一人で用意させるのは気が引ける」
「あ、ありがとうございます、佐助さん……
世話焼き根性はご健在なんですね」
「まぁね……今生でも真田の家に出入りする立場だからね……
真田の旦那だけでも大変なのに、信幸の旦那までいるもんだから、正直言うと俺様があと一人は欲しいかな」
「あ、あはは……」
ぶつぶつと文句を言いながらも、慣れた手つきでお茶を注いでいく様は、さながらオカンだ
さすがに今生では忍びみたいなことはやってはいないだろうけど、察しの良さは前世譲りだったりするのかなぁ
「お茶淹れたよー
各自で取りに来なー」
「人を動かすスタイル……」
「俺様が持っていく道理はないでしょ」
自分の分のコップを手に、佐助さんがキッチンから出て行く
全員が立ち上がってこちらへ取りに来たので、私も自分の分だけを持ってテーブルに座った
* * *
「──いやー、しかし、このメンツでテーブルを囲むことになる日が来るとはねぇ!」
慶次さんが嬉しそうにそう言う
確かに、このメンツはめったにないと思う
瀬戸内両雄に加え、慶次さんに佐助さん、後から来た孫市さん
孫市さんに至っては、慶次さんを見るなり眉を寄せた
……うん、なんとなく想像できた、その理由
「で、誰も伊達側との絡みはなしと」
「おう」
風雲児連合は同時にため息
佐助さんも孫市さんも、心なしか表情は暗い
「つーかよぅ、お前さん、親戚なのになんで竜の兄さんの連絡先知らないんでぇ?」
「うっ、そこ突っ込みますか、元親さん……」
「まぁ言われりゃ確かにそうだね
夕華ちゃんのことだし、竜の旦那のLEINくらい、てっきり知ってるもんだと思ってた」
「だって、年に二、三回しか顔を合わせない程度ですよ?
なんで交換するんだって言われるじゃないですか、それ」
「……だな」
私は交換したかったんだけど、ね……
兄様は……記憶がないから、怪しまれそうだ
「孫市も接触とかないんでしょ?」
「あれば真っ先に夕華に教えている」
「ってこたぁ、サヤカもからっきしか」
「……すまん」
「いやいや、謝んなくてもいいよ
別にそれは孫市サンのせいじゃないしさ」
佐助さんは前世でも孫市さんと絡みがなかったせいか、どことなくよそよそしい
その辺りは気にしていないのか、孫市さんは「そうか」と呟いて口を閉ざした
「でもさ、成実とは会ってるんだろ?」
「は?」
「え、そうなの?」
元親さんと佐助さんの視線が一気に私に集中する
急に話題を振られて、私も飲もうと思っていたお茶をそっとテーブルに戻した
「えーっと、まぁ、はい
というか、今日も電車でご一緒しました」
「なっ……」
「……佐助さん?」
わなわなと肩を震わせる佐助さんを伺い見ると、脳天に佐助さんのチョップがさく裂した
「なんでそこでLEINも聞かないの、あんたって子は!!!」
「うわぁぁぁ!!
すみません!!
つい、嬉しさと幸せですっぽ抜けてて、そこらへんが!!!」
「このお馬鹿さん!!」
佐助さんから肩をガッツリ掴まれる
うっ、お馬鹿さんなんて久しぶりに言われた……
「……騒がしい者どもよ……」
「すみません……
前世から変わんないですもんね、皆さん……」
毛利様もご不快だろう……
申し訳ない……
「お主もよ」
「えっ」
元就さんは静かにお茶をすすった
なんでだろう、この人まだ二十代前半のはずなのに、すごい様になってる
……二十代前半なのに
「だが、我も話を聞いている限りは、違和感しか感じぬ」
「え?」
「駅で会ったと言っておったな」
「あ、はい」
「となれば、それは件の男が、この近辺に住んでおるからだ
そうであるならば、我らと再び相まみえても、何の不思議もない」
「あ……」
それは確かに……
毛利様に指摘されて、初めてその可能性があることに気付いた
さすがは智将の毛利様だ
「だが、それがないということは、何らかの作為的な要素が働いておるのか……
それとも、ただの偶然が出来過ぎておるのか……」
ベランダから差し込む陽の光を、毛利様が見つめる
作為的な要素といえば、前世で私をあっちにやったり、こっちにやったりしていたという、成島の八幡様だろうか
ううん、でも、今生の私は成島に行ったことも無いし、ご加護を得るようなことをした記憶も無いなぁ……
「どちらにせよ、次に会うことがあれば、連絡先を聞いておくがよい」
「はい、そうします」
「お主とあの者の仲は……我も不快ではなかった」
ポツリと呟かれた、その言葉
ビックリして、うっかりお菓子を取り落としてしまった
なにこれ
なんでここで毛利様は、デレを投下してしまわれたの……!
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