第四話 かつての兄妹
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桜が舞い散る
朧げながらも桜だと分かるそれが、ひらひらと
その手前では、誰かが私を見下ろしている
『夕華……夕華……!』
私を呼ぶ声だとは分かるけれど、エコーがかかったような声で、誰かが分からない
誰……?
どうして……泣いているの……?
『頼むよ……
もう少し……もう少しだけ……』
熱い雫が頬を濡らす
膝の上で握り締められていた手は、震えていた
『何で……!
何でお前が──んだよ!』
聞こえない……
『──さん……』
私が発しているはずの声も聞こえない
聞こえないよ……
あなたは誰?
どうして泣くの?
震える声で私の名を呼ぶ彼が
誰なのかが分からない
これは一体、何の記憶?
私のものなのか、はたまた別の誰かのものか
分からない……何も分からない
──これは、何?
* * *
「──ッ!!」
目が覚めて飛び起きた
走った後みたいに心臓が早鐘を打っていて、呼吸も乱れている
「なに……今の夢……」
詳しいことは、あまり覚えてないけど……
……苦しい夢だった
苦しくて、つらくて、悲しくなる
二度と見たくないと思わせるような、そんな夢
「成実さん……」
会いたい……
「……成実さん」
……声が聞きたい
成実さん
どこにいるの……?
朧げながらも桜だと分かるそれが、ひらひらと
その手前では、誰かが私を見下ろしている
『夕華……夕華……!』
私を呼ぶ声だとは分かるけれど、エコーがかかったような声で、誰かが分からない
誰……?
どうして……泣いているの……?
『頼むよ……
もう少し……もう少しだけ……』
熱い雫が頬を濡らす
膝の上で握り締められていた手は、震えていた
『何で……!
何でお前が──んだよ!』
聞こえない……
『──さん……』
私が発しているはずの声も聞こえない
聞こえないよ……
あなたは誰?
どうして泣くの?
震える声で私の名を呼ぶ彼が
誰なのかが分からない
これは一体、何の記憶?
私のものなのか、はたまた別の誰かのものか
分からない……何も分からない
──これは、何?
* * *
「──ッ!!」
目が覚めて飛び起きた
走った後みたいに心臓が早鐘を打っていて、呼吸も乱れている
「なに……今の夢……」
詳しいことは、あまり覚えてないけど……
……苦しい夢だった
苦しくて、つらくて、悲しくなる
二度と見たくないと思わせるような、そんな夢
「成実さん……」
会いたい……
「……成実さん」
……声が聞きたい
成実さん
どこにいるの……?
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