閑話八
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連日の猛暑に沸騰する八月
お盆を前にして帰国した両親と共に、成実さんは腕を組んで頭を悩ませていた
「う〜ん……
どれもイマイチに思えてきた」
「早く決めちゃいなさい」
ぐぅ、と成実が唸る
成実さんの手元にあるのは、母と父と成実さんが考えた、子供の名前
三人の前にアイスコーヒーの入ったグラスを差し出して、私は自分用にお茶を置いた
画数による姓名判断で悩んでいるのかと思ったけど、成実さんもうちの両親もそういうのは気にしないタイプであるらしい
なんなら「あなたの名前も画数にこだわってないしね」と言われた
「男の子なら成実くんから一文字もらうとか、そんなんでサクッと決まるんだろうけどなぁ」
「女の子だし、夕華から一文字もらっちゃう?」
「いや、うーん……」
前世の娘は、海夜の名前を貰った
私が言い出したことだったけど、何となくお義姉さんの生まれ変わりのように思えたからだ
けれど今の海夜は健在で私の大親友だし、石田先輩と結婚も秒読みなくらいだ
……となると、一から名前を考えることになるわけで
「お前はなんか良い案あるか?」
「うーん……」
私にネーミングセンスがあるかというと微妙なところだ
成実さんにもそれは言えることだけれど
春千代の名前を最初は『小僧丸』と名付けようとしたくらいの人だしな……
そっちが私の育った時代の史実通りだったとしても、私が生まれて生きている世界とは何も関わりのない話だ
遠慮なく却下したのを覚えている
「兄様にも聞いてみるのはどうですか?」
「梵か、梵なぁ
まあ名付け親になってもらうとすれば、梵がいいか」
成実さんが兄様にメッセージを打つ
海外暮らしが多い両親は、日本でも海外でも伝わるような響きの名前を持ってきた
エマとか、マリとか、そういった響きに漢字を当てるらしい
対する成実さんは具体的な名前はないらしく、ただ希望としては「花の名前を使いたい」という感じらしい
名前って難しいな
私もダメ元で海夜に良い案がないか聞いてみよう
「とりあえず、これ飲んだら洗濯物を取り込むか……」
「あ、手伝います」
「いいよ、座ってろ
悪阻、まだ続いてるんだろ?」
「最近は落ち着きましたよ
もう終わったと思います」
「初めての妊娠で不安だらけだと思ってたけど、案外落ち着いてるわね」
「慣れているようにも見えるな」
言い逃れしにくい指摘が来た
そりゃあ、前世を合わせたら妊娠自体は三回目だから、そこまで慌てることもないというか……
成実さんが過保護なのは今も昔も変わらないし、それに加えて今は家事全般やってくれるから助かってるし
出産した後は喜多さんがお手伝いに来てくれることになっているから心強い
「原田さんの経験則と、喜多さんの存在が心強いというか……
そのおかげかな?」
「ああ、喜多ちゃん!
喜多ちゃんとも仲がいいんだもんね?
なぁんだ、お母さん、心配しなくても良かったわね」
「心配してくれるのは嬉しいよ、ありがとう
産休に入る頃が大変かなぁ
もうお腹も大きいだろうし……」
「平日、病院に行く時は誰かに電話しろよ?
俺が無理でも、留守か白石だったらどっちかは絶対に動けるはずだ」
「そうします」
まだお腹が目立たなかった頃、成実さんの手が空いていなかったから一人で電車とバスに乗って病院に向かったら、あとで小十郎さんにちょっと怒られたもんな……
どうもみんな過保護すぎていけない
でもあとで留守さんにその話をしたら、留守さんまで怒ってきたから、それからは大人しく成実さんに連れて行ってもらっている
「はあ、まさかこんなに早くおばあちゃんになるとは思わなかったわ」
「でももう私、二十七だよ」
「今の時代なら早い方じゃないか?
それにほら、父さんと母さんはまだ五十代前半だし」
確かに、同級生の中で結婚して子供までいる人はいない
そう言われると私が早いのかなぁ
前世の頃では遅いくらいだって言われていたから、感覚が分からなくなりそう
「明日はどうする?」
「お父さん達、一緒に来ないの?」
「私とお父さんは、挨拶だけしたら帰るわ
夜の便でアメリカに戻らなきゃいけないから」
「アメリカには盆休みがないから仕方ないけど、年々しんどくなるな、この短い帰国……」
確かに、五十代前半なのに、飛行機で移動する時間と同じくらいしか日本でゆっくり出来ないもんな
二人の退職後は帰国してこの家で暮らすことになっているけど、「大きなキャンピングカーを買って気ままに日本を旅行するからほとんど家にいない」と宣言された
何かあっても別邸組が駆け付けてくれるから、いなくても大丈夫だろうとの事だ
確かにそうだけど……なんだかなぁ、なんて思うのは変だろうか
お盆を前にして帰国した両親と共に、成実さんは腕を組んで頭を悩ませていた
「う〜ん……
どれもイマイチに思えてきた」
「早く決めちゃいなさい」
ぐぅ、と成実が唸る
成実さんの手元にあるのは、母と父と成実さんが考えた、子供の名前
三人の前にアイスコーヒーの入ったグラスを差し出して、私は自分用にお茶を置いた
画数による姓名判断で悩んでいるのかと思ったけど、成実さんもうちの両親もそういうのは気にしないタイプであるらしい
なんなら「あなたの名前も画数にこだわってないしね」と言われた
「男の子なら成実くんから一文字もらうとか、そんなんでサクッと決まるんだろうけどなぁ」
「女の子だし、夕華から一文字もらっちゃう?」
「いや、うーん……」
前世の娘は、海夜の名前を貰った
私が言い出したことだったけど、何となくお義姉さんの生まれ変わりのように思えたからだ
けれど今の海夜は健在で私の大親友だし、石田先輩と結婚も秒読みなくらいだ
……となると、一から名前を考えることになるわけで
「お前はなんか良い案あるか?」
「うーん……」
私にネーミングセンスがあるかというと微妙なところだ
成実さんにもそれは言えることだけれど
春千代の名前を最初は『小僧丸』と名付けようとしたくらいの人だしな……
そっちが私の育った時代の史実通りだったとしても、私が生まれて生きている世界とは何も関わりのない話だ
遠慮なく却下したのを覚えている
「兄様にも聞いてみるのはどうですか?」
「梵か、梵なぁ
まあ名付け親になってもらうとすれば、梵がいいか」
成実さんが兄様にメッセージを打つ
海外暮らしが多い両親は、日本でも海外でも伝わるような響きの名前を持ってきた
エマとか、マリとか、そういった響きに漢字を当てるらしい
対する成実さんは具体的な名前はないらしく、ただ希望としては「花の名前を使いたい」という感じらしい
名前って難しいな
私もダメ元で海夜に良い案がないか聞いてみよう
「とりあえず、これ飲んだら洗濯物を取り込むか……」
「あ、手伝います」
「いいよ、座ってろ
悪阻、まだ続いてるんだろ?」
「最近は落ち着きましたよ
もう終わったと思います」
「初めての妊娠で不安だらけだと思ってたけど、案外落ち着いてるわね」
「慣れているようにも見えるな」
言い逃れしにくい指摘が来た
そりゃあ、前世を合わせたら妊娠自体は三回目だから、そこまで慌てることもないというか……
成実さんが過保護なのは今も昔も変わらないし、それに加えて今は家事全般やってくれるから助かってるし
出産した後は喜多さんがお手伝いに来てくれることになっているから心強い
「原田さんの経験則と、喜多さんの存在が心強いというか……
そのおかげかな?」
「ああ、喜多ちゃん!
喜多ちゃんとも仲がいいんだもんね?
なぁんだ、お母さん、心配しなくても良かったわね」
「心配してくれるのは嬉しいよ、ありがとう
産休に入る頃が大変かなぁ
もうお腹も大きいだろうし……」
「平日、病院に行く時は誰かに電話しろよ?
俺が無理でも、留守か白石だったらどっちかは絶対に動けるはずだ」
「そうします」
まだお腹が目立たなかった頃、成実さんの手が空いていなかったから一人で電車とバスに乗って病院に向かったら、あとで小十郎さんにちょっと怒られたもんな……
どうもみんな過保護すぎていけない
でもあとで留守さんにその話をしたら、留守さんまで怒ってきたから、それからは大人しく成実さんに連れて行ってもらっている
「はあ、まさかこんなに早くおばあちゃんになるとは思わなかったわ」
「でももう私、二十七だよ」
「今の時代なら早い方じゃないか?
それにほら、父さんと母さんはまだ五十代前半だし」
確かに、同級生の中で結婚して子供までいる人はいない
そう言われると私が早いのかなぁ
前世の頃では遅いくらいだって言われていたから、感覚が分からなくなりそう
「明日はどうする?」
「お父さん達、一緒に来ないの?」
「私とお父さんは、挨拶だけしたら帰るわ
夜の便でアメリカに戻らなきゃいけないから」
「アメリカには盆休みがないから仕方ないけど、年々しんどくなるな、この短い帰国……」
確かに、五十代前半なのに、飛行機で移動する時間と同じくらいしか日本でゆっくり出来ないもんな
二人の退職後は帰国してこの家で暮らすことになっているけど、「大きなキャンピングカーを買って気ままに日本を旅行するからほとんど家にいない」と宣言された
何かあっても別邸組が駆け付けてくれるから、いなくても大丈夫だろうとの事だ
確かにそうだけど……なんだかなぁ、なんて思うのは変だろうか
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