第七十話 国内卒業旅行
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卒業祝いの宴会からしばらくした頃
成実さんと二人で京都へ繰り出した
「うん!
分かっちゃいたが人が多いな!」
「すごいですよね、日本語が聞こえてこない」
ここは観光名所でも真っ先に名前が上がるほどの超有名なお寺
おとなしく兄様に教えてもらった穴場を回る方が良かったなと、早くも後悔が押し寄せてきている
「どうする?
諦めて梵のおすすめ回るか?」
「き、清水寺だけは回りたいんです……!
日本史の資料集に載ってる場所を、一箇所でもいいから見てみたくて……!」
「その気持ちはすげー分かる
んじゃあ、気合いで回るか!」
「はい!」
金閣も銀閣も諦めた私達は、清水寺だけは譲れなかったのだ
人の並に呑まれながら拝観料を払ってチケットを購入し、更に揉まれながらも敷地内へ
どうにかこうにか清水の舞台に到達する頃には、二人ともヘトヘトだった
「大丈夫か?
人酔いしてないか?」
「なんとか……
成実さんは大丈夫ですか?」
「俺も何とか大丈夫だ」
舞台の下をひょいっと覗き込んで、きゅっと鳩尾の辺りが締まる
戦ってた頃はこれくらいの崖でも飛び降りたことあるけど、今考えたら正気の沙汰ではなかったな……
婆娑羅者の身体は常人より頑丈っていうのに無茶を言わせて戦ってたところがあるからな……
「戦ってた頃はこれくらいの高さなら余裕で飛び降りたよな」
「アドレナリンが出まくってたんでしょうね……」
「怖いもの知らずっつーかなんつーか、まあ死にもしなけりゃ怪我もしなかったわけだけど」
修学旅行生らしい学生さん達が私達のすぐ近くから下を覗いて、きゃあきゃあと騒ぐ
うーん、眩しいくらい青春だな
「そろそろ行くか?」
「ん、そうですね」
成実さんが手を繋いでくれて、舞台から降りる
それからも清水寺を人に揉まれながら歩いて、どうにか回りきった
あとはもう、兄様おすすめの穴場でのんびり過ごそう
「そういえば今日の宿って?」
「ん?
そりゃもちろん別荘……と言いたいところだけど、ペアチケットにはホテルまでついててな
残念ながら別荘はお預けだ
京都の別荘は、各地にある別荘の中でも力を入れてるほうだから、内装とか綺麗だったんだけどなぁ」
「そうだったんですか、それはちょっと残念……
一番綺麗なのはどこなんですか?」
「仙台にあるやつ
やっぱ伊達家のルーツはそこだしな」
そっか、そうだよね
この世界にある伊達家も、仙台から始まった
そこは私達のルーツと違わないようだ
市バスで目的地の近くまで移動しながら、街並みを眺める
「……夕華」
「はい」
「ちょっと酔っただろ」
「……はい」
車に弱いのは、もう治らない気がする
早く着いてくれと祈りながら、チューイングキャンディを口に放り込んだ
*********************
別邸は今日も平和だ
小十郎様と共に昼食の片付けをしながら、ふとここにおられないお二人を思い出した
「夕華様、成実と京都を楽しんでおられる頃でしょうか」
「朝早くから出掛けられたそうだからな
今頃、どこぞの料亭で昼食をお召し上がりになっている頃だろう」
「うちのholiday homeに泊まらねぇのは勿体ねぇが、まあ、今後も京都に行く機会はあるだろ
今回はアイツも気後れすることはないだろうさ」
テーブルにお座りになられている政宗様のお言葉に頷く
ともあれ、夕華様が楽しんでおられるなら、それでいい
「ちわーっす!」
「失礼致します」
元気な声と物静かな声が聞こえて、顔を上げる
リビングの入口には留守と白石が立っていた
「お前達、どうしてここに」
「ああ、本邸からお届け物ッス
大殿とお東様がアメリカのレセプションから帰国なされたんスよ
あ、これ別邸の皆様にお土産ッス
こっちは坊ちゃんに」
いや、そうではなく
夕華様と成実が出掛けていて、宿泊先もうちの管轄ではないホテルに泊まるのに、なぜこの二人がここにいる?
「オメェら、夕華様の警護はどうした?」
「え?
姫様、どっかお出かけされてるんスか?」
「今朝から京都に出掛けられた
……知らなかったのか?」
「護衛役にはお声が掛かっていませんので、存じ上げませんでした」
「……とすると、成実の野郎、忘れてやがるか、わざとだな」
「どちらにせよ宜しくありません
留守、白石、至急京都へ向かえ
成実のGPSから現在位置を割り出し、お二人の警護に当たれ」
「了解っス!」
「お任せを」
二人がバタバタと別邸を出ていく
まったく、成実の奴は……戻ったら説教だな
草津の時は忘れていなかったくせに、なぜ京都に行くときには忘れるのやら
成実さんと二人で京都へ繰り出した
「うん!
分かっちゃいたが人が多いな!」
「すごいですよね、日本語が聞こえてこない」
ここは観光名所でも真っ先に名前が上がるほどの超有名なお寺
おとなしく兄様に教えてもらった穴場を回る方が良かったなと、早くも後悔が押し寄せてきている
「どうする?
諦めて梵のおすすめ回るか?」
「き、清水寺だけは回りたいんです……!
日本史の資料集に載ってる場所を、一箇所でもいいから見てみたくて……!」
「その気持ちはすげー分かる
んじゃあ、気合いで回るか!」
「はい!」
金閣も銀閣も諦めた私達は、清水寺だけは譲れなかったのだ
人の並に呑まれながら拝観料を払ってチケットを購入し、更に揉まれながらも敷地内へ
どうにかこうにか清水の舞台に到達する頃には、二人ともヘトヘトだった
「大丈夫か?
人酔いしてないか?」
「なんとか……
成実さんは大丈夫ですか?」
「俺も何とか大丈夫だ」
舞台の下をひょいっと覗き込んで、きゅっと鳩尾の辺りが締まる
戦ってた頃はこれくらいの崖でも飛び降りたことあるけど、今考えたら正気の沙汰ではなかったな……
婆娑羅者の身体は常人より頑丈っていうのに無茶を言わせて戦ってたところがあるからな……
「戦ってた頃はこれくらいの高さなら余裕で飛び降りたよな」
「アドレナリンが出まくってたんでしょうね……」
「怖いもの知らずっつーかなんつーか、まあ死にもしなけりゃ怪我もしなかったわけだけど」
修学旅行生らしい学生さん達が私達のすぐ近くから下を覗いて、きゃあきゃあと騒ぐ
うーん、眩しいくらい青春だな
「そろそろ行くか?」
「ん、そうですね」
成実さんが手を繋いでくれて、舞台から降りる
それからも清水寺を人に揉まれながら歩いて、どうにか回りきった
あとはもう、兄様おすすめの穴場でのんびり過ごそう
「そういえば今日の宿って?」
「ん?
そりゃもちろん別荘……と言いたいところだけど、ペアチケットにはホテルまでついててな
残念ながら別荘はお預けだ
京都の別荘は、各地にある別荘の中でも力を入れてるほうだから、内装とか綺麗だったんだけどなぁ」
「そうだったんですか、それはちょっと残念……
一番綺麗なのはどこなんですか?」
「仙台にあるやつ
やっぱ伊達家のルーツはそこだしな」
そっか、そうだよね
この世界にある伊達家も、仙台から始まった
そこは私達のルーツと違わないようだ
市バスで目的地の近くまで移動しながら、街並みを眺める
「……夕華」
「はい」
「ちょっと酔っただろ」
「……はい」
車に弱いのは、もう治らない気がする
早く着いてくれと祈りながら、チューイングキャンディを口に放り込んだ
*********************
別邸は今日も平和だ
小十郎様と共に昼食の片付けをしながら、ふとここにおられないお二人を思い出した
「夕華様、成実と京都を楽しんでおられる頃でしょうか」
「朝早くから出掛けられたそうだからな
今頃、どこぞの料亭で昼食をお召し上がりになっている頃だろう」
「うちのholiday homeに泊まらねぇのは勿体ねぇが、まあ、今後も京都に行く機会はあるだろ
今回はアイツも気後れすることはないだろうさ」
テーブルにお座りになられている政宗様のお言葉に頷く
ともあれ、夕華様が楽しんでおられるなら、それでいい
「ちわーっす!」
「失礼致します」
元気な声と物静かな声が聞こえて、顔を上げる
リビングの入口には留守と白石が立っていた
「お前達、どうしてここに」
「ああ、本邸からお届け物ッス
大殿とお東様がアメリカのレセプションから帰国なされたんスよ
あ、これ別邸の皆様にお土産ッス
こっちは坊ちゃんに」
いや、そうではなく
夕華様と成実が出掛けていて、宿泊先もうちの管轄ではないホテルに泊まるのに、なぜこの二人がここにいる?
「オメェら、夕華様の警護はどうした?」
「え?
姫様、どっかお出かけされてるんスか?」
「今朝から京都に出掛けられた
……知らなかったのか?」
「護衛役にはお声が掛かっていませんので、存じ上げませんでした」
「……とすると、成実の野郎、忘れてやがるか、わざとだな」
「どちらにせよ宜しくありません
留守、白石、至急京都へ向かえ
成実のGPSから現在位置を割り出し、お二人の警護に当たれ」
「了解っス!」
「お任せを」
二人がバタバタと別邸を出ていく
まったく、成実の奴は……戻ったら説教だな
草津の時は忘れていなかったくせに、なぜ京都に行くときには忘れるのやら
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