第六十八話 母からの餞別
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大学に入学して三年が経った
成実さんは予定通り、伊達財閥に入社
今は小十郎さんの下で働いているらしい
小十郎さんは次期社長でもある兄様の指導役としても、成実さんの上司としても忙しそうだ
でも、「政宗様と仕事が出来て楽しいです」と顔に書いてあった
いや──職場に復帰した原田さんも、綱元さんも、留守さんに白石さんもそうだった
別邸組が以前のように財閥で働くようになった頃、私はというと
「──卒論死すべし」
「激しく同意するわ」
海夜と一緒に卒論に追われていた
大学が違うはずなのに、立場は同じというわけだ
……海夜は豊臣のほうに就職した
石田先輩と同じ部署に配属になるだろうと言われているらしい
こちらも幸せそうでなによりだ
「もーやだ、資料が多すぎてまとめきれない」
「どれかを入れようとするとどれかを削らなきゃいけないし、かといって削ろうとすると……」
「説得力が欠ける」
「難儀するわね……」
あの秀才で知られた水城海夜が卒論に苦しんでいるというのがちょっと意外ではあったんだけど
たまり場と化しているいつものカフェ
最近は丸テーブルじゃなくて四角の大きなテーブルを用意してもらうようになっている
店員さんの配慮が今日も完璧です
「はい、お待たせ~
ティラミスとチーズケーキね」
「ありがとうございますー!」
「卒論、大変そうねぇ
自分の頃を思い出すわぁ」
「何年前の?」
「言わないわよ、年がバレるでしょ」
「ちぇー、引っかからないかぁ……」
「引っかからないわよ!
ああ、コーヒーのお代わりはいつでも言ってね」
「ありがとうございます」
「成君、元気にしてる?
最近めっきり顔出してくれなくなったから」
そういえば……と成実さんの顔を思い浮かべる
最近は残業続きで、ちょっと元気がなかったかも
「今、すごく忙しいみたいで……」
「帰りが遅いって言ってたわね」
「うん……
晩ご飯は伊達家のほうで食べてるみたいだから、それはいいんだけど……
ちゃんと寝てるのかなって」
「繁忙期?」
「うーん……
新入社員で仕事に慣れてないせいだって本人は言うんですけど」
心配なのは確かなんだよね
だから、せめて土日くらいはゆっくりしてほしいなとは思ってるんだけど
「海夜ちゃんも来年は社会人だしね」
「そうですね」
「夕華ちゃんは?」
「え、あ、えっと私は……」
「この子は来年から専業主婦です」
「……え!?
結婚するの!?
誰と!?
ってか成君しかいないか!」
「成君しかいないですね……」
ガン、とテーブルに頭をぶつけるしかなかった
なんでわざわざ言っちゃうかなぁ海夜め
「そっかぁ……
結婚式には呼んでよねー?」
「えっ、いいんですか!?
呼びます呼びます!」
「はぁ……そっか……
私より先に夕華ちゃんが結婚するのか……」
「いやいや、お姉さんもまだ若いじゃないですか」
「もうアラサーよ私……」
「き、きっといい人が現れますって……」
「夕華ちゃん、いい人紹介して……」
「どういうタイプがお好みですか」
今のところフリーなのは小十郎さんと留守さん白石さんペアだ
アラサーだと考えると小十郎さんが一番年齢が近い
でも小十郎さんは見た目で怖がられがちだから、その次に歳が近いのは白石さん、そしてその次に留守さんが来る
「そうねぇ……
リードしてくれる人かな
あとは私よりしっかりしてくれるといいわね……」
「歳は上の方がいいですか?」
「その辺はこだわってちゃ出会いがないと思ってるから……」
「ちなみに、めちゃくちゃ元気、めちゃくちゃ静か、堅物の三パターンをご用意していますが」
「あなたそれ……もしかして」
「うん、留守さんと白石さんと小十郎さん」
「……そうよね」
「でも本音を言うと、お姉さんには一般の人とちゃんとお付き合いして、その上で結婚してほしいんですけどね」
伊達家の男達は何かと危ない目に遭うというか、いやもうそういう事は無くなったと思いたいけど
私も巻き込まれたりしたしね
「ふふ、そうよね!
よっし!
本格的に婚活頑張ろっと……」
「いい人と会えるといいですね」
海夜が微笑んでコーヒーを追加注文
私もココアを追加で頼んだ
「……さて、卒論の続きをしましょうか」
「そうだねー……」
ため息をついてノートパソコンを起動させた
どう頑張っても字数がオーバーしてしまうけど、もうそのへんは諦めた
「ん?」
横に置いていたスマホに通知が入る
メッセージは成実さんから
「……えっ」
「どうしたの?」
「う、ううん!
何でもない」
……いや、何でもない訳ないか、ないな
思わず伏せた画面を少し表に返す
いやいやいや……マジか……
成実さんは予定通り、伊達財閥に入社
今は小十郎さんの下で働いているらしい
小十郎さんは次期社長でもある兄様の指導役としても、成実さんの上司としても忙しそうだ
でも、「政宗様と仕事が出来て楽しいです」と顔に書いてあった
いや──職場に復帰した原田さんも、綱元さんも、留守さんに白石さんもそうだった
別邸組が以前のように財閥で働くようになった頃、私はというと
「──卒論死すべし」
「激しく同意するわ」
海夜と一緒に卒論に追われていた
大学が違うはずなのに、立場は同じというわけだ
……海夜は豊臣のほうに就職した
石田先輩と同じ部署に配属になるだろうと言われているらしい
こちらも幸せそうでなによりだ
「もーやだ、資料が多すぎてまとめきれない」
「どれかを入れようとするとどれかを削らなきゃいけないし、かといって削ろうとすると……」
「説得力が欠ける」
「難儀するわね……」
あの秀才で知られた水城海夜が卒論に苦しんでいるというのがちょっと意外ではあったんだけど
たまり場と化しているいつものカフェ
最近は丸テーブルじゃなくて四角の大きなテーブルを用意してもらうようになっている
店員さんの配慮が今日も完璧です
「はい、お待たせ~
ティラミスとチーズケーキね」
「ありがとうございますー!」
「卒論、大変そうねぇ
自分の頃を思い出すわぁ」
「何年前の?」
「言わないわよ、年がバレるでしょ」
「ちぇー、引っかからないかぁ……」
「引っかからないわよ!
ああ、コーヒーのお代わりはいつでも言ってね」
「ありがとうございます」
「成君、元気にしてる?
最近めっきり顔出してくれなくなったから」
そういえば……と成実さんの顔を思い浮かべる
最近は残業続きで、ちょっと元気がなかったかも
「今、すごく忙しいみたいで……」
「帰りが遅いって言ってたわね」
「うん……
晩ご飯は伊達家のほうで食べてるみたいだから、それはいいんだけど……
ちゃんと寝てるのかなって」
「繁忙期?」
「うーん……
新入社員で仕事に慣れてないせいだって本人は言うんですけど」
心配なのは確かなんだよね
だから、せめて土日くらいはゆっくりしてほしいなとは思ってるんだけど
「海夜ちゃんも来年は社会人だしね」
「そうですね」
「夕華ちゃんは?」
「え、あ、えっと私は……」
「この子は来年から専業主婦です」
「……え!?
結婚するの!?
誰と!?
ってか成君しかいないか!」
「成君しかいないですね……」
ガン、とテーブルに頭をぶつけるしかなかった
なんでわざわざ言っちゃうかなぁ海夜め
「そっかぁ……
結婚式には呼んでよねー?」
「えっ、いいんですか!?
呼びます呼びます!」
「はぁ……そっか……
私より先に夕華ちゃんが結婚するのか……」
「いやいや、お姉さんもまだ若いじゃないですか」
「もうアラサーよ私……」
「き、きっといい人が現れますって……」
「夕華ちゃん、いい人紹介して……」
「どういうタイプがお好みですか」
今のところフリーなのは小十郎さんと留守さん白石さんペアだ
アラサーだと考えると小十郎さんが一番年齢が近い
でも小十郎さんは見た目で怖がられがちだから、その次に歳が近いのは白石さん、そしてその次に留守さんが来る
「そうねぇ……
リードしてくれる人かな
あとは私よりしっかりしてくれるといいわね……」
「歳は上の方がいいですか?」
「その辺はこだわってちゃ出会いがないと思ってるから……」
「ちなみに、めちゃくちゃ元気、めちゃくちゃ静か、堅物の三パターンをご用意していますが」
「あなたそれ……もしかして」
「うん、留守さんと白石さんと小十郎さん」
「……そうよね」
「でも本音を言うと、お姉さんには一般の人とちゃんとお付き合いして、その上で結婚してほしいんですけどね」
伊達家の男達は何かと危ない目に遭うというか、いやもうそういう事は無くなったと思いたいけど
私も巻き込まれたりしたしね
「ふふ、そうよね!
よっし!
本格的に婚活頑張ろっと……」
「いい人と会えるといいですね」
海夜が微笑んでコーヒーを追加注文
私もココアを追加で頼んだ
「……さて、卒論の続きをしましょうか」
「そうだねー……」
ため息をついてノートパソコンを起動させた
どう頑張っても字数がオーバーしてしまうけど、もうそのへんは諦めた
「ん?」
横に置いていたスマホに通知が入る
メッセージは成実さんから
「……えっ」
「どうしたの?」
「う、ううん!
何でもない」
……いや、何でもない訳ないか、ないな
思わず伏せた画面を少し表に返す
いやいやいや……マジか……
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