閑話六
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四月中旬ともなれば、薄手のカーディガンひとつで充分暖かい
春物のワンピースを着た私を挟むように、兄様と成実さんが立っている
目の前には原田さん
その手には、私の試合やら卒業式やら入学式やらで大活躍した一眼レフカメラ
「では、撮りますよー!」
さすが一児のパパは写真の撮り方も慣れていらっしゃる
パシャ、とシャッターが切られる音が聞こえた
「上手く撮れたか?」
「私としてはいい感じだと思うのですが……
政宗様、ご確認頂いても宜しいですか?」
兄様が真剣な表情でデータを見ている
それから満足気に頷いたので、バッチリ撮れていたんだろう
「絶好の写真日和でございますな」
「雲ひとつない快晴とは、さすが政宗様と夕華様です」
「良いお写真が撮れましたでしょうか?」
「小十郎さん、綱元さん!
喜多さんも!」
別邸から現れたのは義姉弟の御三方
予想通りといえば予想通りだけど、しっかりとキメてきていた
写真撮る気満々だな
「せっかくなら全員で撮りませんか?
留守さんと白石さんも!」
少し遠くでこちらを見守っていたお二人に声を掛けると、やはり留守さんが真っ先に目を輝かせた
白石さんは……表情が動かないから微妙だけど、嫌がってはいないようだ
「俺らも入っちゃっていいんすか?」
「いいっすよ!」
「夕華様、お願いですから政景の口癖だけはやめてください」
原田さんがゾッとしたような顔をなさったので、二度と真似るまいと心に決めた
留守さんの喋り方、ノリの軽い友達と喋るみたいで楽しいんだけどな……
「小十郎様、三脚はどちらに?」
「ああ、それなら確か玄関に……」
小十郎さんと白石さんが別邸の玄関から三脚を持ってきた
そこに一眼レフカメラを置いて、タイマーをセット
その間に並び順を変えることにした
何せ踏み台などないので、綱元さんが後ろに回ると姿が見えなくなるのだ
高身長イケメンが揃う中にあって唯一、百七十の壁を越えられなかったお人だからね
「夕華様と喜多殿が真ん中であるのはいいとして、鬼庭殿は前列でないと隠れてしまいますね
えーと、鬼庭殿の次に身長が低いのは?」
「成実様って身長は今どんぐらいあるんすか?」
「二センチは伸びたから、今……百七十、七?」
「くそー!
一センチ勝っちまった!!」
「嘘だろ、俺ってまだ留守に身長並んでねぇのかよ!?」
「あ、伸びてたんすよ俺も
誤差かなとは思うんすけどね」
「お前まだ伸びるのかよ!?」
「伸びたら面白いんすけどねー」
でもパッと見た感じは横並びな気もする
誤差なのか本当に留守さんの身長が伸びていたのかは分からないけど
「では喜多殿の隣は私になりますね」
「え、そうなの?
お前の身長、俺より低いの?」
「安房殿が二センチ伸びるからですよ
以前ようやく私と身長が並んだって喜んでたじゃないですか」
「……そうだった気もする」
そういうわけで、前列は綱元さん、私、喜多さん、原田さん
後列に留守さん、成実さん、兄様、小十郎さん、白石さんが並んだ
背後、ものすごい壁だな
原田さんがカメラのタイマーを押して、戻ってくる
そうしてカメラに向かってみんなで笑って――
*********************
机の上に写真を入れたフォトフレームを二つ並べて、私は満足した心地で頷いた
「こうして同じ構図で写真を撮り直すと、なんか込み上げるものがあるなぁ」
十五年前の写真も手に入れられたおかげで、三人の成長具合も一目瞭然
実元殿がデータを残したままにしてくれていて良かった
そして今ここに置いた二つとは別に、もうひとつフォトフレームを置く
別邸の皆で撮った写真だ
喜多さんも来てくれて嬉しかったな
「夕華、そろそろ昼飯にしようぜ」
「あ、はぁい!」
顔を覗かせた成実さんに返事をして部屋を出る
廊下で待っていた成実さんが私の額に触れるだけのキスをしたから、私もお返しとばかりに成実さんの顔を引き寄せて頬にキスをした
「〜〜〜ッ、お前なぁ……」
「普段、成実さんが私にしてる事でしょうに」
「不意打ちでやり返されると心臓が持たねぇんだよ」
「じゃあおあいこですね!」
私なんて成実さんと出会った前世の頃からしょっちゅうドキドキして心臓が持たないと思ってきたからね!
深ーくため息をついた成実さんが私を引き寄せる
そうして今度は唇にキスが落ちた
「昼飯はお前にしてほしいのか?」
「嫌です、お腹空きました」
「チッ……」
舌打ちをした成実さんが私の鎖骨に吸い付く
げ、と思う前に、小さな痛みが走った
「あー!!
痕付けたー!!」
「仕返しだ」
「先にやってきたのは成実さんなのに!!」
「ちょっと何言ってるか分かんねぇな
それよりメシにすんぞー」
「絶対分かってるはずですよね!!」
ふん、と鼻を鳴らした成実さんが階段を下りていく
後で首元が隠れる服に着替えなければと考えながら、私も成実さんのあとから階段を下りた
キッチンへと一緒に入って、成実さんがパスタ麺の袋を手に取る
「成実さん、お昼ご飯にはなりませんけど……
食後のデザートくらいなら、いいですよ」
「……」
成実さんの手元でパスタ麺が勢いよく開いた
袋、すごい裂け方したな、これチャック付きのはずなのに
「……お前」
「成実さん、麺が」
成実さんがパスタ麺の袋をシンクに置いて息を吸う
そして
「お前ほんっっっとに、そういうところだからな!!!」
そんな成実さんの悲鳴のような怒声が響いた、日曜の昼
春物のワンピースを着た私を挟むように、兄様と成実さんが立っている
目の前には原田さん
その手には、私の試合やら卒業式やら入学式やらで大活躍した一眼レフカメラ
「では、撮りますよー!」
さすが一児のパパは写真の撮り方も慣れていらっしゃる
パシャ、とシャッターが切られる音が聞こえた
「上手く撮れたか?」
「私としてはいい感じだと思うのですが……
政宗様、ご確認頂いても宜しいですか?」
兄様が真剣な表情でデータを見ている
それから満足気に頷いたので、バッチリ撮れていたんだろう
「絶好の写真日和でございますな」
「雲ひとつない快晴とは、さすが政宗様と夕華様です」
「良いお写真が撮れましたでしょうか?」
「小十郎さん、綱元さん!
喜多さんも!」
別邸から現れたのは義姉弟の御三方
予想通りといえば予想通りだけど、しっかりとキメてきていた
写真撮る気満々だな
「せっかくなら全員で撮りませんか?
留守さんと白石さんも!」
少し遠くでこちらを見守っていたお二人に声を掛けると、やはり留守さんが真っ先に目を輝かせた
白石さんは……表情が動かないから微妙だけど、嫌がってはいないようだ
「俺らも入っちゃっていいんすか?」
「いいっすよ!」
「夕華様、お願いですから政景の口癖だけはやめてください」
原田さんがゾッとしたような顔をなさったので、二度と真似るまいと心に決めた
留守さんの喋り方、ノリの軽い友達と喋るみたいで楽しいんだけどな……
「小十郎様、三脚はどちらに?」
「ああ、それなら確か玄関に……」
小十郎さんと白石さんが別邸の玄関から三脚を持ってきた
そこに一眼レフカメラを置いて、タイマーをセット
その間に並び順を変えることにした
何せ踏み台などないので、綱元さんが後ろに回ると姿が見えなくなるのだ
高身長イケメンが揃う中にあって唯一、百七十の壁を越えられなかったお人だからね
「夕華様と喜多殿が真ん中であるのはいいとして、鬼庭殿は前列でないと隠れてしまいますね
えーと、鬼庭殿の次に身長が低いのは?」
「成実様って身長は今どんぐらいあるんすか?」
「二センチは伸びたから、今……百七十、七?」
「くそー!
一センチ勝っちまった!!」
「嘘だろ、俺ってまだ留守に身長並んでねぇのかよ!?」
「あ、伸びてたんすよ俺も
誤差かなとは思うんすけどね」
「お前まだ伸びるのかよ!?」
「伸びたら面白いんすけどねー」
でもパッと見た感じは横並びな気もする
誤差なのか本当に留守さんの身長が伸びていたのかは分からないけど
「では喜多殿の隣は私になりますね」
「え、そうなの?
お前の身長、俺より低いの?」
「安房殿が二センチ伸びるからですよ
以前ようやく私と身長が並んだって喜んでたじゃないですか」
「……そうだった気もする」
そういうわけで、前列は綱元さん、私、喜多さん、原田さん
後列に留守さん、成実さん、兄様、小十郎さん、白石さんが並んだ
背後、ものすごい壁だな
原田さんがカメラのタイマーを押して、戻ってくる
そうしてカメラに向かってみんなで笑って――
*********************
机の上に写真を入れたフォトフレームを二つ並べて、私は満足した心地で頷いた
「こうして同じ構図で写真を撮り直すと、なんか込み上げるものがあるなぁ」
十五年前の写真も手に入れられたおかげで、三人の成長具合も一目瞭然
実元殿がデータを残したままにしてくれていて良かった
そして今ここに置いた二つとは別に、もうひとつフォトフレームを置く
別邸の皆で撮った写真だ
喜多さんも来てくれて嬉しかったな
「夕華、そろそろ昼飯にしようぜ」
「あ、はぁい!」
顔を覗かせた成実さんに返事をして部屋を出る
廊下で待っていた成実さんが私の額に触れるだけのキスをしたから、私もお返しとばかりに成実さんの顔を引き寄せて頬にキスをした
「〜〜〜ッ、お前なぁ……」
「普段、成実さんが私にしてる事でしょうに」
「不意打ちでやり返されると心臓が持たねぇんだよ」
「じゃあおあいこですね!」
私なんて成実さんと出会った前世の頃からしょっちゅうドキドキして心臓が持たないと思ってきたからね!
深ーくため息をついた成実さんが私を引き寄せる
そうして今度は唇にキスが落ちた
「昼飯はお前にしてほしいのか?」
「嫌です、お腹空きました」
「チッ……」
舌打ちをした成実さんが私の鎖骨に吸い付く
げ、と思う前に、小さな痛みが走った
「あー!!
痕付けたー!!」
「仕返しだ」
「先にやってきたのは成実さんなのに!!」
「ちょっと何言ってるか分かんねぇな
それよりメシにすんぞー」
「絶対分かってるはずですよね!!」
ふん、と鼻を鳴らした成実さんが階段を下りていく
後で首元が隠れる服に着替えなければと考えながら、私も成実さんのあとから階段を下りた
キッチンへと一緒に入って、成実さんがパスタ麺の袋を手に取る
「成実さん、お昼ご飯にはなりませんけど……
食後のデザートくらいなら、いいですよ」
「……」
成実さんの手元でパスタ麺が勢いよく開いた
袋、すごい裂け方したな、これチャック付きのはずなのに
「……お前」
「成実さん、麺が」
成実さんがパスタ麺の袋をシンクに置いて息を吸う
そして
「お前ほんっっっとに、そういうところだからな!!!」
そんな成実さんの悲鳴のような怒声が響いた、日曜の昼
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