第五十一話 男心と悪戯心
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成実さんにお洋服を見てもらった結果、持ってきた服でも問題ないだろうとのことで、そのまま別邸でのんびり過ごすことにした
「……ふぅ」
お夕飯を頂いてお風呂も入って、あとはもう寝るだけ
宛てがわれた自室――と言っても客間ではあるのだけれど、私が来る度に使う部屋なので、ほぼ私の部屋のようになっている
一応、別邸にある三つの客間のうち、一番広くて上質な作りの部屋だ
その部屋にあるダブルサイズのベッドに寝転がって、ようやくひと心地つけた
構われるのは嫌じゃないし、むしろ嬉しいし楽しいんだけど、疲れないわけじゃない
……と、そこへ部屋のドアがノックされた
「はーい」
ドアが開いて、入ってきたのは成実さん
ベッドから起き上がった状態の私を見て、何かを察したのだろう
「ごめん、休んでたところだよな
邪魔したな」
そう言ってドアを閉めようとするから、慌てて首を振った
「成実さん一人なら大丈夫です!」
「けど疲れたろ?
気にせず休めよ、な?」
「本当に大丈夫です
どうぞ」
ベッドから降りて、成実さんを招き入れる
そっか、と微笑んで、成実さんも部屋へ入ってくれた
「アイスコーヒーでもいいですか?
あいにくとペットボトルですけど」
「いいって、座ってろ
俺がやるから」
「今日はしてもらってばっかりですよ
少しくらい私にもやらせてください」
客間には冷蔵庫があって、そこにはお茶やお水、ジュースまで揃っている
グラスも二つ置いてあるのでちょうどいい
成実さんはテレビの前にあるソファに座ったようだ
それぞれにアイスコーヒーを注いで、ソファの前にあるミニテーブルへと持っていった
「どうぞ」
「ありがとう」
「いえいえ、今日は成実さんにもあれこれしてもらいましたから
してもらいっぱなしが性にあわないのは、もうお分かりでしょう?」
「……そうだな、お前はそういうやつだ」
リビングにいた時とは違う、素の成実さんがいる
静かで穏やかな表情は、十九歳には思えない程の大人な雰囲気を漂わせる
さっきまでの年相応な成実さんとはギャップがありすぎて、なんだか少しドキドキするなぁ
「人のこと言えねぇけど、梵たちは構いたがりだからな
嫌なら嫌だって、本当に言っていいんだからな?
無理して付き合わなくていいんだぞ」
「ありがとうございます
でも、嫌なわけではないんですよ
ちょっと疲れますけど、ああやって可愛がって頂けるのはうれしいので」
「いい子だよなぁ、本当に」
「……いい子すぎるのも、鼻につくと思うんですけどね」
ぽつりとそう零してしまってから、はっと口を閉ざす
成実さんは表情を変えないままグラスを置いた
中身が空になっているのに気付いてペットボトルを持つと、微笑んだまま首を振られた
「いい子でいなきゃならなかったからな、お前は
周りに頼れる大人がいないと、自分一人でどうにかしなきゃいけなくなる
お前がいい子すぎるのは、そのせいだ
わがままを言う相手もいないし、そもそも前世の記憶があるから大人びた考え方になる
思慮も分別もあるし、ある程度の事なら妥協だって出来る
それが……いい子すぎるって見られ方をされちまうだけだ」
「……」
コーヒーを飲み干して私もグラスをテーブルに置くと、成実さんが私の肩を抱き寄せた
温かい手だ
「俺の前では、素直に思ったことを言ってくれ
俺もそうしてるしな
今更、遠慮し合うような間柄じゃねぇだろ?」
「……私もそうしてるつもりですよ?
でも私、兄様と違って、自分からあれがしたいって手を引っ張るタイプじゃないですし
それよりは、成実さんにあちこち連れて行ってもらいたいです
私よりも見識が広いと思うので」
「欲がねぇな、本当に
まぁでも、お前らしいっちゃあお前らしいか
いいよ、梵ほどじゃねぇが、俺も人を振り回す方だしな」
「ふふ……成実さんになら、どんなに振り回されても楽しいです」
「そりゃそうだろ、なんたって成実さんだからな」
自信満々な答えが成実さんらしい
成実さんと一緒にいると、どうしてか疲れない
安心して何もかもを預けてしまえるから、成実さんは私にとって、特別な人なんだろう
「成実さん」
「ん?」
「私、成実さんのことが大好きです」
「……お前って奴は、本当によぉ……」
深いため息を零した成実さんが、私をぎゅうぎゅうと抱き締めた
な、なんだろうか、何か言ってはいけないことを言っただろうか?
「あ、あの、成実さん」
「……少しは男心を学んでくれ」
「えっ」
「心底惚れ抜いた女に突然ストレートに言われると、色々と我慢が利かなくなるんだよ」
お母さんからも「男心を学べ」と言われたのを思い出した
私は本当に男心が分かっていないようだ
でも、そんなこと言われたって、誰もそんなもの教えてくれないんだもん
「……じゃあ、成実さんが教えてください
私が知っておくべき男心は、成実さんの事だけだと思いますから」
「……」
「えっと……急にストレートな気持ちを伝えるのは良くないんですよね
ってことは宣言でもすればいいんですか?
宣言して伝える気持ちってどういう……」
「……夕華さん」
低い声が私を呼んだ
いつもの優しい成実さんの声じゃない
私を求める時の声だ、それくらいは分かる
「成――」
「あんまり俺を煽らないでくれ」
「え?」
瞬間、唇が重なった
深く重ねられた唇を迎えると、ぬめりとしたものが口内へ入ってくる
「ん、ん……」
抱かれるんだ、と察して、成実さんの首の後ろへと手を回した
散々重ねた唇を離して、成実さんが私を横抱きにして持ち上げる
向かった先はやはりベッドだ
「お望み通り教えてやるよ
男心を刺激しまくったらどうなるのか、たっぷりとな」
「あ、え……?」
「覚悟しろよ夕華
……本気で抱く」
据わった目つきの瞳はぎらついていて、思わず喉が唾を飲み込んだ
それでも、前世の頃からの私が覚えている
これから何をされるのか、どうなるのか――全部覚えている
ベッドにあるスイッチで部屋の照明を落とす
ナツメ球が照らす室内は静かだ
私を見下ろす成実さんと目が合った瞬間――
息さえ飲み込むほどの口付けが落ちてきた
「……ふぅ」
お夕飯を頂いてお風呂も入って、あとはもう寝るだけ
宛てがわれた自室――と言っても客間ではあるのだけれど、私が来る度に使う部屋なので、ほぼ私の部屋のようになっている
一応、別邸にある三つの客間のうち、一番広くて上質な作りの部屋だ
その部屋にあるダブルサイズのベッドに寝転がって、ようやくひと心地つけた
構われるのは嫌じゃないし、むしろ嬉しいし楽しいんだけど、疲れないわけじゃない
……と、そこへ部屋のドアがノックされた
「はーい」
ドアが開いて、入ってきたのは成実さん
ベッドから起き上がった状態の私を見て、何かを察したのだろう
「ごめん、休んでたところだよな
邪魔したな」
そう言ってドアを閉めようとするから、慌てて首を振った
「成実さん一人なら大丈夫です!」
「けど疲れたろ?
気にせず休めよ、な?」
「本当に大丈夫です
どうぞ」
ベッドから降りて、成実さんを招き入れる
そっか、と微笑んで、成実さんも部屋へ入ってくれた
「アイスコーヒーでもいいですか?
あいにくとペットボトルですけど」
「いいって、座ってろ
俺がやるから」
「今日はしてもらってばっかりですよ
少しくらい私にもやらせてください」
客間には冷蔵庫があって、そこにはお茶やお水、ジュースまで揃っている
グラスも二つ置いてあるのでちょうどいい
成実さんはテレビの前にあるソファに座ったようだ
それぞれにアイスコーヒーを注いで、ソファの前にあるミニテーブルへと持っていった
「どうぞ」
「ありがとう」
「いえいえ、今日は成実さんにもあれこれしてもらいましたから
してもらいっぱなしが性にあわないのは、もうお分かりでしょう?」
「……そうだな、お前はそういうやつだ」
リビングにいた時とは違う、素の成実さんがいる
静かで穏やかな表情は、十九歳には思えない程の大人な雰囲気を漂わせる
さっきまでの年相応な成実さんとはギャップがありすぎて、なんだか少しドキドキするなぁ
「人のこと言えねぇけど、梵たちは構いたがりだからな
嫌なら嫌だって、本当に言っていいんだからな?
無理して付き合わなくていいんだぞ」
「ありがとうございます
でも、嫌なわけではないんですよ
ちょっと疲れますけど、ああやって可愛がって頂けるのはうれしいので」
「いい子だよなぁ、本当に」
「……いい子すぎるのも、鼻につくと思うんですけどね」
ぽつりとそう零してしまってから、はっと口を閉ざす
成実さんは表情を変えないままグラスを置いた
中身が空になっているのに気付いてペットボトルを持つと、微笑んだまま首を振られた
「いい子でいなきゃならなかったからな、お前は
周りに頼れる大人がいないと、自分一人でどうにかしなきゃいけなくなる
お前がいい子すぎるのは、そのせいだ
わがままを言う相手もいないし、そもそも前世の記憶があるから大人びた考え方になる
思慮も分別もあるし、ある程度の事なら妥協だって出来る
それが……いい子すぎるって見られ方をされちまうだけだ」
「……」
コーヒーを飲み干して私もグラスをテーブルに置くと、成実さんが私の肩を抱き寄せた
温かい手だ
「俺の前では、素直に思ったことを言ってくれ
俺もそうしてるしな
今更、遠慮し合うような間柄じゃねぇだろ?」
「……私もそうしてるつもりですよ?
でも私、兄様と違って、自分からあれがしたいって手を引っ張るタイプじゃないですし
それよりは、成実さんにあちこち連れて行ってもらいたいです
私よりも見識が広いと思うので」
「欲がねぇな、本当に
まぁでも、お前らしいっちゃあお前らしいか
いいよ、梵ほどじゃねぇが、俺も人を振り回す方だしな」
「ふふ……成実さんになら、どんなに振り回されても楽しいです」
「そりゃそうだろ、なんたって成実さんだからな」
自信満々な答えが成実さんらしい
成実さんと一緒にいると、どうしてか疲れない
安心して何もかもを預けてしまえるから、成実さんは私にとって、特別な人なんだろう
「成実さん」
「ん?」
「私、成実さんのことが大好きです」
「……お前って奴は、本当によぉ……」
深いため息を零した成実さんが、私をぎゅうぎゅうと抱き締めた
な、なんだろうか、何か言ってはいけないことを言っただろうか?
「あ、あの、成実さん」
「……少しは男心を学んでくれ」
「えっ」
「心底惚れ抜いた女に突然ストレートに言われると、色々と我慢が利かなくなるんだよ」
お母さんからも「男心を学べ」と言われたのを思い出した
私は本当に男心が分かっていないようだ
でも、そんなこと言われたって、誰もそんなもの教えてくれないんだもん
「……じゃあ、成実さんが教えてください
私が知っておくべき男心は、成実さんの事だけだと思いますから」
「……」
「えっと……急にストレートな気持ちを伝えるのは良くないんですよね
ってことは宣言でもすればいいんですか?
宣言して伝える気持ちってどういう……」
「……夕華さん」
低い声が私を呼んだ
いつもの優しい成実さんの声じゃない
私を求める時の声だ、それくらいは分かる
「成――」
「あんまり俺を煽らないでくれ」
「え?」
瞬間、唇が重なった
深く重ねられた唇を迎えると、ぬめりとしたものが口内へ入ってくる
「ん、ん……」
抱かれるんだ、と察して、成実さんの首の後ろへと手を回した
散々重ねた唇を離して、成実さんが私を横抱きにして持ち上げる
向かった先はやはりベッドだ
「お望み通り教えてやるよ
男心を刺激しまくったらどうなるのか、たっぷりとな」
「あ、え……?」
「覚悟しろよ夕華
……本気で抱く」
据わった目つきの瞳はぎらついていて、思わず喉が唾を飲み込んだ
それでも、前世の頃からの私が覚えている
これから何をされるのか、どうなるのか――全部覚えている
ベッドにあるスイッチで部屋の照明を落とす
ナツメ球が照らす室内は静かだ
私を見下ろす成実さんと目が合った瞬間――
息さえ飲み込むほどの口付けが落ちてきた
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