第四十七話 智の三傑と姫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
秋が深まる十一月
家を出た私は、ひとつ大きく深呼吸をした
今日は、いよいよ推薦入試の日だ
学校の先生にも、兄様達にもたくさん指導してもらった
神頼みだってしたし、願掛けのお守りも買った
「いつも通りにやれば大丈夫だ
緊張し過ぎるなよ」
「……はい」
「今日は別邸でお疲れ会するから、忘れずに向こうに行けよ?」
「はい!」
「よし、いい返事だ
そんじゃあ――お?」
通りの向こうを見やった成実さんが手を振る
誰だろうと私もそちらを向くと、今から出勤らしい様子の孫市さんが立っていた
「よう、今から仕事か?」
「そんなところだ
夕華は今日が入試だそうだな」
「そうなんです
ちょっと緊張してますけど」
「お前なら大丈夫だ
せっかくだ、貰ってくれ」
孫市さんから渡されたのは御守り
私が買った神社とはまた別のところのものだ
「先日、姫と共に願掛けしてきたところだ
やることはやってきたのだろう
あとは神頼みしかあるまい」
「あはは、そうですね!
ありがとうございます、頑張ります!」
本当に出勤するところだったようで、孫市さんはそのままバイクに乗って去っていった
バイク通勤なんだ、かっこいいな……
「さて、そんじゃあ今度こそ――」
「あれ?」
今度は私が気付いてしまった
こちらへ向かって誰かが走ってきている
誰かと言うより、シルエットで分かってしまった
伊達家最強の称号を持つ、喜多さんだ
「夕華様!
ああ、良かった、間に合いました……!」
「お、おはようございます
わざわざ激励に来てくださったんですね」
「はい、それとお渡ししたいものが……」
喜多さんが差し出したのも、やはり御守りだ
しかも、成島八幡神社って入ってる……
「今の夕華様とは縁もゆかりも無いのは承知の上ですが、不肖私、成島まで詣でて参りました
ご祈祷まで頂いておりますので、ご利益があるとよいのですが……」
「そろそろ神様同士が喧嘩しそう……」
大丈夫かな、私ちゃんとご利益もらえるかな
とはいえ断る理由もないのでありがたく受け取った
成実さんと喜多さんの見送りを受けて大学へと向かう
御守り三つ分のご利益があるんだ、きっと大丈夫
いつも通りに、全力を出すだけだ!
*********************
どっと肩の荷が降りた心地で、大学の正門を目指す
面接まで終わって、後はもう神頼みくらいしかすることはない
これで駄目なら仕方ないと思えるくらいには、やりきった
先生は今日は学校に来なくていいって言ってくれたから、このまま別邸の方に帰るだけのはず
……そのはずなんだけど
「……何してるんですか?」
正門前には、それは見知った顔が揃っていた
「夕華、お疲れ!
どうだった?
いけそうか!?」
「この俺がcoachしてやったんだから当然だろ
で、手応えはあったか?」
「面接は上手く受け答え出来ましたか?
何か変なことを聞かれたりしませんでしたか?」
「小論文の傾向は変わったりなどしておりませんでしたか?
手応えの程は?」
コーチ陣、みんな気が気じゃなかったんだな
それはいいとして、少なくとも小十郎さんと綱元さんは社会人のはずなのに、なんでここにいるんだろう
「大学生の従兄弟組は分かるとして、義兄弟組は何故ここに」
「無論、夕華様の入試の為にございますれば」
「有休とはここぞと言う時に使うものですので、遠慮なく使いました」
「……そうですか」
もう何も言うまい
この調子だと、合格発表の日も有休取ってるんだろうな
大事にしてもらえるのは嬉しいけど、ちょっと大事にされすぎている気がする
「とりあえず帰ろうぜ
昼の弁当どうだった?
美味かったか?」
「美味しかったです、ありがとうございました
面接前だからちょっと緊張してたので、食べ慣れた成実さんの料理で落ち着きました」
「そっか、そりゃ良かった」
肩にかけていた私の鞄をさり気なく取って、成実さんが微笑む
ふと唐突に、前世で伊予河野に行った時のことを思い出した
あの時は成実さんと綱元さんに挟まれて、二人と手を繋いで境内を歩いたっけ
「……えいっ」
今、私の両隣は従兄弟組が占領している
その二人の手を握ってみると、二人とも少し驚いたように反応してから、それぞれ手を繋いでくれた
「……あの、自分から仕掛けておいてあれなんですけど、お二人とも私に甘すぎません?」
「今に始まったことではございますまい
諦められよ、夕華様
政宗様も成実も、夕華様のことは目に入れても痛くないとお思いでおられるゆえ」
「正直に言えば成実は俺と代わってもいいと思うんだがな?」
「なんでだよ
変わるなら梵と代われ
俺は恋人だから特別だっつーの」
「Ah?
俺は夕華の兄貴だぞ
代わってやる理由がねえな、テメェが代わってやれ」
「いやなんでだよ」
「わ、分かりました、もうこのままでいいです」
なんで余計なことを言ってしまったんだろうな
従兄弟組どころか、別邸に住む人達はもれなく全員、私に甘いんだった
前世からそうなんだから、今更すぎるか……
構内に車を停めているらしいので、駐車場へとみんなで向かう
顔面国宝とベビーフェイスイケメンの二人に手を繋がれた私は、すれ違う人達からどう見られているんだろうと、それだけが気になった
家を出た私は、ひとつ大きく深呼吸をした
今日は、いよいよ推薦入試の日だ
学校の先生にも、兄様達にもたくさん指導してもらった
神頼みだってしたし、願掛けのお守りも買った
「いつも通りにやれば大丈夫だ
緊張し過ぎるなよ」
「……はい」
「今日は別邸でお疲れ会するから、忘れずに向こうに行けよ?」
「はい!」
「よし、いい返事だ
そんじゃあ――お?」
通りの向こうを見やった成実さんが手を振る
誰だろうと私もそちらを向くと、今から出勤らしい様子の孫市さんが立っていた
「よう、今から仕事か?」
「そんなところだ
夕華は今日が入試だそうだな」
「そうなんです
ちょっと緊張してますけど」
「お前なら大丈夫だ
せっかくだ、貰ってくれ」
孫市さんから渡されたのは御守り
私が買った神社とはまた別のところのものだ
「先日、姫と共に願掛けしてきたところだ
やることはやってきたのだろう
あとは神頼みしかあるまい」
「あはは、そうですね!
ありがとうございます、頑張ります!」
本当に出勤するところだったようで、孫市さんはそのままバイクに乗って去っていった
バイク通勤なんだ、かっこいいな……
「さて、そんじゃあ今度こそ――」
「あれ?」
今度は私が気付いてしまった
こちらへ向かって誰かが走ってきている
誰かと言うより、シルエットで分かってしまった
伊達家最強の称号を持つ、喜多さんだ
「夕華様!
ああ、良かった、間に合いました……!」
「お、おはようございます
わざわざ激励に来てくださったんですね」
「はい、それとお渡ししたいものが……」
喜多さんが差し出したのも、やはり御守りだ
しかも、成島八幡神社って入ってる……
「今の夕華様とは縁もゆかりも無いのは承知の上ですが、不肖私、成島まで詣でて参りました
ご祈祷まで頂いておりますので、ご利益があるとよいのですが……」
「そろそろ神様同士が喧嘩しそう……」
大丈夫かな、私ちゃんとご利益もらえるかな
とはいえ断る理由もないのでありがたく受け取った
成実さんと喜多さんの見送りを受けて大学へと向かう
御守り三つ分のご利益があるんだ、きっと大丈夫
いつも通りに、全力を出すだけだ!
*********************
どっと肩の荷が降りた心地で、大学の正門を目指す
面接まで終わって、後はもう神頼みくらいしかすることはない
これで駄目なら仕方ないと思えるくらいには、やりきった
先生は今日は学校に来なくていいって言ってくれたから、このまま別邸の方に帰るだけのはず
……そのはずなんだけど
「……何してるんですか?」
正門前には、それは見知った顔が揃っていた
「夕華、お疲れ!
どうだった?
いけそうか!?」
「この俺がcoachしてやったんだから当然だろ
で、手応えはあったか?」
「面接は上手く受け答え出来ましたか?
何か変なことを聞かれたりしませんでしたか?」
「小論文の傾向は変わったりなどしておりませんでしたか?
手応えの程は?」
コーチ陣、みんな気が気じゃなかったんだな
それはいいとして、少なくとも小十郎さんと綱元さんは社会人のはずなのに、なんでここにいるんだろう
「大学生の従兄弟組は分かるとして、義兄弟組は何故ここに」
「無論、夕華様の入試の為にございますれば」
「有休とはここぞと言う時に使うものですので、遠慮なく使いました」
「……そうですか」
もう何も言うまい
この調子だと、合格発表の日も有休取ってるんだろうな
大事にしてもらえるのは嬉しいけど、ちょっと大事にされすぎている気がする
「とりあえず帰ろうぜ
昼の弁当どうだった?
美味かったか?」
「美味しかったです、ありがとうございました
面接前だからちょっと緊張してたので、食べ慣れた成実さんの料理で落ち着きました」
「そっか、そりゃ良かった」
肩にかけていた私の鞄をさり気なく取って、成実さんが微笑む
ふと唐突に、前世で伊予河野に行った時のことを思い出した
あの時は成実さんと綱元さんに挟まれて、二人と手を繋いで境内を歩いたっけ
「……えいっ」
今、私の両隣は従兄弟組が占領している
その二人の手を握ってみると、二人とも少し驚いたように反応してから、それぞれ手を繋いでくれた
「……あの、自分から仕掛けておいてあれなんですけど、お二人とも私に甘すぎません?」
「今に始まったことではございますまい
諦められよ、夕華様
政宗様も成実も、夕華様のことは目に入れても痛くないとお思いでおられるゆえ」
「正直に言えば成実は俺と代わってもいいと思うんだがな?」
「なんでだよ
変わるなら梵と代われ
俺は恋人だから特別だっつーの」
「Ah?
俺は夕華の兄貴だぞ
代わってやる理由がねえな、テメェが代わってやれ」
「いやなんでだよ」
「わ、分かりました、もうこのままでいいです」
なんで余計なことを言ってしまったんだろうな
従兄弟組どころか、別邸に住む人達はもれなく全員、私に甘いんだった
前世からそうなんだから、今更すぎるか……
構内に車を停めているらしいので、駐車場へとみんなで向かう
顔面国宝とベビーフェイスイケメンの二人に手を繋がれた私は、すれ違う人達からどう見られているんだろうと、それだけが気になった
1/4ページ
