第四十四話 隠されたもの
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「全国優勝、おめでとうー!!」
「かんぱーい!!」
居酒屋を予約して部員みんなで打ち上げとなった今日
先日、三年生である私たちの引退試合も兼ねた全国大会で、からくも優勝を遂げたのだ
本当にギリギリだった……
よく優勝できたな、本当に
「MVPは満場一致で夕華だね!」
「えっ、ええ!?
いやいやそんな、それならこれだけの人数をまとめてきた部長でしょ!?」
「馬鹿野郎……照れるじゃねぇか……」
部長が嬉しそうに鼻を擦る
その仕草、漫画とかでしか見たことないけど、やる人いるんだな
「まあぶっちゃけて言えば、ピンチを作ったのは部長の私なんだけどね」
「その嫌な流れを断ち切れなかった後輩の私達も同罪です……」
「お通夜会場になってきた」
祝賀会のはずなのに、漂う雰囲気が反省会のそれなんだけど
なんでだ、みんなもっと喜ぼうよ、心の底から
「だからこそ感動しましたし、かっこよかったです
『私が何とかしてくるよ』って襷かけて出ていった先輩!!」
「う、うわぁ!?
私そんなこと言った!?」
「覚えてなかったんかい!
いやでも、それで本当に五人抜きで取り返してくるからすごいよね、あんた」
「大将戦にまでもつれ込むとは思いませんでしたね……」
「すごかったよね、見てて気持ち良かったもん
相手の大将なんか顔引き攣ってたし」
確かに、向こうの中堅を速攻で落としてからは、完全に流れがこっちだった
というか、中堅の子もビビってたしな……
大将戦は一本取られたけど、結局は三本取った私の勝ちだったし
「改めて、夕華先輩ってすごいんだなって思いました」
「そりゃあまあ、ほら、夕華は篠原まつの再来だからね」
「まだ言われてんの、それ」
「あんたが薙刀辞めない限りはずっと言われると思っときな」
「ええ……
まつさんのほうが凄かったと思うよ……」
直接見た事はないけれど、槍の又左と名高かった利家さんの背中を預かっていたんだ
そのまつさんが今生でも薙刀を振っていたとしたら、きっと私でも歯が立たないだろうな
「そういうわけで、五人抜きで優勝を決めてきたうちの大将が主役だ!
さあ、飲め飲め!
ソフトドリンクだけどね!」
「いや酒は駄目でしょ!
まあ、ありがとね、みんなも」
いい仲間に恵まれたな
このチームでやれて良かった
「そういえばスタンドの一角がやけに騒がしかったけど、あれなんだったんだろうね」
「私見ましたよ!
なんか、モデルか俳優かってぐらい顔がいい人達が五人くらい来てました!
しかもなんか、めっちゃ高そうなカメラ用意してたんですよね
そういえばあの人達、大将戦になって先輩が出ることになった瞬間、急に一眼レフとかカメラとか出し始めたんですけど……?」
「……私の身内です」
素直に挙手をして名乗り出る
試合を観に来るだけでもあんなに騒がれるんだ、と遠くから乾いた笑いを浮かべていたら、どこからともなく一眼レフと三脚と撮影用のカメラが出てきたから、流石に笑えなかった
「あの死ぬほど顔がいい人達が!?」
「いや厳密には親戚じゃないんだけど、ちょっと家系図を辿れば親戚にはなるかな、って感じの」
「どういう関係なんですか!?」
「あ、ていうかあれ、片方もしかして伊達先輩でした?」
別の後輩がそう訪ねてきて、私の隣にいた子が「マジで!?」と今日一番の大声を出した
良かったですね兄様、まだ下の代には兄様がシスコンだという話は伝わっていないようです
「先輩、伊達先輩とほんとに関わりあったんですね!?」
「いやまあ、はい……
大変可愛がってもらってますね……」
「え、あのもしかしてなんですけど……
お付き合い……」
「にいさ……政宗先輩の従弟さんとお付き合いしてます」
「そうなんですか!?」
さっきからこの子は興奮しっぱなしだな
でも確かに、あの人達は噂になるよなぁ
その気持ちはすごくよく分かる
「写真ないですか、写真!」
「ていうか告白はどっちからしたんですか!?」
「えっ、え!?」
「みんなー!
うちの頼れる大将が恋する乙女モードだぞー!」
「なんで人を呼んだの!?」
ああもう、誰か助けてほしい、切実に
こんな話、お酒を飲まなきゃやってられないのに、未成年だからお酒も飲めないし
あっても見せない、と拒否して料理に箸を伸ばす
だってこの恋は、いつか終わるものだ
本当に、もうすぐ……いつか、消えてしまうものだ
「かんぱーい!!」
居酒屋を予約して部員みんなで打ち上げとなった今日
先日、三年生である私たちの引退試合も兼ねた全国大会で、からくも優勝を遂げたのだ
本当にギリギリだった……
よく優勝できたな、本当に
「MVPは満場一致で夕華だね!」
「えっ、ええ!?
いやいやそんな、それならこれだけの人数をまとめてきた部長でしょ!?」
「馬鹿野郎……照れるじゃねぇか……」
部長が嬉しそうに鼻を擦る
その仕草、漫画とかでしか見たことないけど、やる人いるんだな
「まあぶっちゃけて言えば、ピンチを作ったのは部長の私なんだけどね」
「その嫌な流れを断ち切れなかった後輩の私達も同罪です……」
「お通夜会場になってきた」
祝賀会のはずなのに、漂う雰囲気が反省会のそれなんだけど
なんでだ、みんなもっと喜ぼうよ、心の底から
「だからこそ感動しましたし、かっこよかったです
『私が何とかしてくるよ』って襷かけて出ていった先輩!!」
「う、うわぁ!?
私そんなこと言った!?」
「覚えてなかったんかい!
いやでも、それで本当に五人抜きで取り返してくるからすごいよね、あんた」
「大将戦にまでもつれ込むとは思いませんでしたね……」
「すごかったよね、見てて気持ち良かったもん
相手の大将なんか顔引き攣ってたし」
確かに、向こうの中堅を速攻で落としてからは、完全に流れがこっちだった
というか、中堅の子もビビってたしな……
大将戦は一本取られたけど、結局は三本取った私の勝ちだったし
「改めて、夕華先輩ってすごいんだなって思いました」
「そりゃあまあ、ほら、夕華は篠原まつの再来だからね」
「まだ言われてんの、それ」
「あんたが薙刀辞めない限りはずっと言われると思っときな」
「ええ……
まつさんのほうが凄かったと思うよ……」
直接見た事はないけれど、槍の又左と名高かった利家さんの背中を預かっていたんだ
そのまつさんが今生でも薙刀を振っていたとしたら、きっと私でも歯が立たないだろうな
「そういうわけで、五人抜きで優勝を決めてきたうちの大将が主役だ!
さあ、飲め飲め!
ソフトドリンクだけどね!」
「いや酒は駄目でしょ!
まあ、ありがとね、みんなも」
いい仲間に恵まれたな
このチームでやれて良かった
「そういえばスタンドの一角がやけに騒がしかったけど、あれなんだったんだろうね」
「私見ましたよ!
なんか、モデルか俳優かってぐらい顔がいい人達が五人くらい来てました!
しかもなんか、めっちゃ高そうなカメラ用意してたんですよね
そういえばあの人達、大将戦になって先輩が出ることになった瞬間、急に一眼レフとかカメラとか出し始めたんですけど……?」
「……私の身内です」
素直に挙手をして名乗り出る
試合を観に来るだけでもあんなに騒がれるんだ、と遠くから乾いた笑いを浮かべていたら、どこからともなく一眼レフと三脚と撮影用のカメラが出てきたから、流石に笑えなかった
「あの死ぬほど顔がいい人達が!?」
「いや厳密には親戚じゃないんだけど、ちょっと家系図を辿れば親戚にはなるかな、って感じの」
「どういう関係なんですか!?」
「あ、ていうかあれ、片方もしかして伊達先輩でした?」
別の後輩がそう訪ねてきて、私の隣にいた子が「マジで!?」と今日一番の大声を出した
良かったですね兄様、まだ下の代には兄様がシスコンだという話は伝わっていないようです
「先輩、伊達先輩とほんとに関わりあったんですね!?」
「いやまあ、はい……
大変可愛がってもらってますね……」
「え、あのもしかしてなんですけど……
お付き合い……」
「にいさ……政宗先輩の従弟さんとお付き合いしてます」
「そうなんですか!?」
さっきからこの子は興奮しっぱなしだな
でも確かに、あの人達は噂になるよなぁ
その気持ちはすごくよく分かる
「写真ないですか、写真!」
「ていうか告白はどっちからしたんですか!?」
「えっ、え!?」
「みんなー!
うちの頼れる大将が恋する乙女モードだぞー!」
「なんで人を呼んだの!?」
ああもう、誰か助けてほしい、切実に
こんな話、お酒を飲まなきゃやってられないのに、未成年だからお酒も飲めないし
あっても見せない、と拒否して料理に箸を伸ばす
だってこの恋は、いつか終わるものだ
本当に、もうすぐ……いつか、消えてしまうものだ
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