第四十話 いざ彼の家へ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──きたる土曜日
正直に言おう
この人の家も相当な広さだと──!
──実家に挨拶に向かうなら着物だ何だと、外野がやいのやいの言ったのを一喝し
少しだけちゃんとした洋服で、向かった先は成実さんのご実家
来て早々に目を疑うことになるとは思わなかった
本家に比べたらそりゃあまぁ、多少は狭いと言うべきだろうけれども
「……それでもでかすぎる」
「そうかぁ?」
「伊達家は何でもかんでもスケール違いすぎるんですよ……!」
出迎えてくれた成実さんが首をかしげる
この感性だけは一生分かり合えない気がするので、もう諦めた
「とりあえず、案内しますんで」
「ごめんねぇ成実くんみずから」
「いいですよ
俺んちはお手伝いさんとかいないし」
「こんなに広いのにいないんですか!?」
「いねぇよ!
いるのは本家だけだっつの!
広いからちょっとほしいなとか思うけどさ!
特に掃除するときとか!」
「ああ、掃除のときは大変そうだ……」
成実さんを先頭に、門を通る
それから玄関のドアを開け、中に入った
「……わ、木造のいい香り」
「けっこう古い家だけどな、手入れが行き届いてんだろ」
……と、そこへ現れたのは、たぶん成実さんのお母さん
私たちを見るなり笑みを浮かべてくれた
「ご無沙汰してます、お元気でした?」
「おかげさまで
そちらも変わりないようで安心しました」
「え、え?
お知り合いだったの?」
「そりゃあ、うちだって伊達の親戚筋だもの
集まりに顔を出してればお知り合いにもなるわよ」
「そりゃそうだ……」
成実さんのお母さんと目が合う
……あれ、成実さんのお母さん、前世のお母様とは全く別人だ
転生したのは成実さんだけなのか……
「あらあら、夕華ちゃん?」
「えっ」
「随分と会ってないから、びっくりしちゃった
綺麗になったわねぇ」
「えっ、え?」
「最後に会ったのはまだ三つか四つの頃だったっけ?
あのときから成実と仲が良かったのよねぇ」
「……え!?
そんな小さいときに会ってたんですか!?」
「俺に聞くな!
ガキの頃の記憶なんざ無い!」
そりゃそうか、と若干混乱しながら納得すると、成実さんは「三つ、か」と少し懐かしそうに目を細めた
それに首を傾げると、成実さんが軽く首を振って微笑んだ
「まぁとりあえず上がりなさいな」
「だな、玄関で立ち話もあれだし」
成実ママの一言で、私たちは「お邪魔します」の声とともに靴を脱いでお家に上がったのだった
* * *
通されたお座敷は、鹿威しが音を立てるお庭がよく見えるお部屋だった
手入れの行き届いた小さな庭に心が躍ったのは言うまでもない
「遠いところ、わざわざありがとうございます」
「いえいえ、いつかは伺おうと思ってましたから
ちょうどいい機会でした、ね、あなた」
「ご無沙汰してます
成実くんには、うちの娘がお世話に」
「あーいえ……
世話になったというか、世話されてるというか……」
過去の無茶を振り返ったんだろう、成実さんの視線が明後日に向いた
……私も人のこと言えないけどね!
「話はだいたい成実から聞いてますよ
夕華ちゃん、本当に成実で大丈夫?」
「はい!?」
な、なぜ逆に心配されたの
成実さんもびっくりしてお母様のほう向いたままだし
「成実、うるさいでしょ?
夕華ちゃんが迷惑じゃないかなと思って」
「う、うるさくはないだろ!?」
「ほらもうすでにやかましい」
「うぐっ……」
あーあ言葉に詰まっちゃった……
そういう所だよ、とは言わないでおく
「大丈夫ですよ
そんなこと言うならあんただって、ね?」
「どういうこと!?」
「ほら」
「ちょっと……!」
娘で遊ぶな、この母親は!
遊んでるのはバレバレなんだからな!
「うちはもう、交際とか誰と結婚するとかは、自由に任せてますから
変な輩さえ連れて来なければ」
「大丈夫?
成実、十分に変な輩じゃない?」
「息子を何だと思ってんだよ」
「あんたね、夕華ちゃんに愛想尽かされても知らないわよ本当に!」
「余計な世話だっつーの!」
すごい、前世とお母さんの性格が全く違いすぎて笑いも出てこない
転生とかでもない、全くの別人なんだから当たり前か……
仲良くできる気配しかしないぞ、これ
「それなりに古い家ではあるけど、これといって譲るものも残すものもないしね
変な女さえ連れて来なけりゃいいのよ」
「夕華は変な女じゃねぇよ」
「分かんないわよ、成実くんがそう思ってるだけで実際は……」
「なんでそういうこと言うの!」
「貶め合ってんのか背中押し合ってんのか分かんねぇなこれ」
成実さんの呟きが私の心境も雄弁に語っていた
何しに来たんだろう……本当に……
「ともあれ、反対する理由もないしね
特に夕華ちゃんは小さい頃を知ってるし、話も時々は成実から聞いてたのよ」
「……俺、夕華のこと話したことあったっけ」
「忘れたの?
盆正月に顔合わせる度に気にしてたくせに」
「は!?
そ、そんなこと言った覚えねぇぞ!?」
「あんた無意識で夕華ちゃんのこと言ってたの!?」
何それ怖い
お盆とお正月なんて、成実さんは前世の記憶がなかったはずなのに……
「それに、こんなに可愛い娘ができるなんて大歓迎!
一緒に料理なんか作ってみたいわよねぇ、成実も料理は一通り叩き込んだけど」
「あ、お母さんから教えてもらってたんだ……」
「残念ながら自主的にでは無かったんだなぁ……」
またも成実さんの視線が明後日に向かった
かっこつけてるところを身内に剥がされていくの、面白すぎではなかろうか
おかげで美味しいご飯をご馳走になってるから、ありがたいけど
正直に言おう
この人の家も相当な広さだと──!
──実家に挨拶に向かうなら着物だ何だと、外野がやいのやいの言ったのを一喝し
少しだけちゃんとした洋服で、向かった先は成実さんのご実家
来て早々に目を疑うことになるとは思わなかった
本家に比べたらそりゃあまぁ、多少は狭いと言うべきだろうけれども
「……それでもでかすぎる」
「そうかぁ?」
「伊達家は何でもかんでもスケール違いすぎるんですよ……!」
出迎えてくれた成実さんが首をかしげる
この感性だけは一生分かり合えない気がするので、もう諦めた
「とりあえず、案内しますんで」
「ごめんねぇ成実くんみずから」
「いいですよ
俺んちはお手伝いさんとかいないし」
「こんなに広いのにいないんですか!?」
「いねぇよ!
いるのは本家だけだっつの!
広いからちょっとほしいなとか思うけどさ!
特に掃除するときとか!」
「ああ、掃除のときは大変そうだ……」
成実さんを先頭に、門を通る
それから玄関のドアを開け、中に入った
「……わ、木造のいい香り」
「けっこう古い家だけどな、手入れが行き届いてんだろ」
……と、そこへ現れたのは、たぶん成実さんのお母さん
私たちを見るなり笑みを浮かべてくれた
「ご無沙汰してます、お元気でした?」
「おかげさまで
そちらも変わりないようで安心しました」
「え、え?
お知り合いだったの?」
「そりゃあ、うちだって伊達の親戚筋だもの
集まりに顔を出してればお知り合いにもなるわよ」
「そりゃそうだ……」
成実さんのお母さんと目が合う
……あれ、成実さんのお母さん、前世のお母様とは全く別人だ
転生したのは成実さんだけなのか……
「あらあら、夕華ちゃん?」
「えっ」
「随分と会ってないから、びっくりしちゃった
綺麗になったわねぇ」
「えっ、え?」
「最後に会ったのはまだ三つか四つの頃だったっけ?
あのときから成実と仲が良かったのよねぇ」
「……え!?
そんな小さいときに会ってたんですか!?」
「俺に聞くな!
ガキの頃の記憶なんざ無い!」
そりゃそうか、と若干混乱しながら納得すると、成実さんは「三つ、か」と少し懐かしそうに目を細めた
それに首を傾げると、成実さんが軽く首を振って微笑んだ
「まぁとりあえず上がりなさいな」
「だな、玄関で立ち話もあれだし」
成実ママの一言で、私たちは「お邪魔します」の声とともに靴を脱いでお家に上がったのだった
* * *
通されたお座敷は、鹿威しが音を立てるお庭がよく見えるお部屋だった
手入れの行き届いた小さな庭に心が躍ったのは言うまでもない
「遠いところ、わざわざありがとうございます」
「いえいえ、いつかは伺おうと思ってましたから
ちょうどいい機会でした、ね、あなた」
「ご無沙汰してます
成実くんには、うちの娘がお世話に」
「あーいえ……
世話になったというか、世話されてるというか……」
過去の無茶を振り返ったんだろう、成実さんの視線が明後日に向いた
……私も人のこと言えないけどね!
「話はだいたい成実から聞いてますよ
夕華ちゃん、本当に成実で大丈夫?」
「はい!?」
な、なぜ逆に心配されたの
成実さんもびっくりしてお母様のほう向いたままだし
「成実、うるさいでしょ?
夕華ちゃんが迷惑じゃないかなと思って」
「う、うるさくはないだろ!?」
「ほらもうすでにやかましい」
「うぐっ……」
あーあ言葉に詰まっちゃった……
そういう所だよ、とは言わないでおく
「大丈夫ですよ
そんなこと言うならあんただって、ね?」
「どういうこと!?」
「ほら」
「ちょっと……!」
娘で遊ぶな、この母親は!
遊んでるのはバレバレなんだからな!
「うちはもう、交際とか誰と結婚するとかは、自由に任せてますから
変な輩さえ連れて来なければ」
「大丈夫?
成実、十分に変な輩じゃない?」
「息子を何だと思ってんだよ」
「あんたね、夕華ちゃんに愛想尽かされても知らないわよ本当に!」
「余計な世話だっつーの!」
すごい、前世とお母さんの性格が全く違いすぎて笑いも出てこない
転生とかでもない、全くの別人なんだから当たり前か……
仲良くできる気配しかしないぞ、これ
「それなりに古い家ではあるけど、これといって譲るものも残すものもないしね
変な女さえ連れて来なけりゃいいのよ」
「夕華は変な女じゃねぇよ」
「分かんないわよ、成実くんがそう思ってるだけで実際は……」
「なんでそういうこと言うの!」
「貶め合ってんのか背中押し合ってんのか分かんねぇなこれ」
成実さんの呟きが私の心境も雄弁に語っていた
何しに来たんだろう……本当に……
「ともあれ、反対する理由もないしね
特に夕華ちゃんは小さい頃を知ってるし、話も時々は成実から聞いてたのよ」
「……俺、夕華のこと話したことあったっけ」
「忘れたの?
盆正月に顔合わせる度に気にしてたくせに」
「は!?
そ、そんなこと言った覚えねぇぞ!?」
「あんた無意識で夕華ちゃんのこと言ってたの!?」
何それ怖い
お盆とお正月なんて、成実さんは前世の記憶がなかったはずなのに……
「それに、こんなに可愛い娘ができるなんて大歓迎!
一緒に料理なんか作ってみたいわよねぇ、成実も料理は一通り叩き込んだけど」
「あ、お母さんから教えてもらってたんだ……」
「残念ながら自主的にでは無かったんだなぁ……」
またも成実さんの視線が明後日に向かった
かっこつけてるところを身内に剥がされていくの、面白すぎではなかろうか
おかげで美味しいご飯をご馳走になってるから、ありがたいけど
1/5ページ
