第三十四話 破られた平穏
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──伊達家でご飯をご馳走になって、家までの帰り道を一人で歩く
兄様と小十郎さんの言葉が、グルグルと頭を駆けまわっていた
『気をつけろよ
母さんは何をしてくるか分からねぇ
身体能力は並み以上とは言え、所詮は生身の人間だ
危なっかしいことに首突っ込むんじゃねぇぞ
お前は俺と似て、感情に任せて行動しがちだからな』
『何かありましたら、すぐに我々の誰かに連絡を
それから……命だけは、粗末になさいますな』
「あんなに真剣に言われたら、身構えちゃうよね……」
お東様は、もっと合理的に動く人だと思ってたけど
私や兄様に似て直情型みたいだ
成実さんは伊達家を離れられないらしく、私は一人で家に帰っている
最後まで不安そうにしていたけれど、こればかりは仕方ない
……お東様は、成実さんを引き抜こうとしている
それはあの会話で分かった
問題は、その後だ
成実さん以外の誰かに、引き抜きの話を持ちかける可能性は高い
けれど、兄様の周囲は全員、記憶がある
兄様の側を離れることはまずない
……つまり
「強硬手段に出る、ってこと?」
体術や護身術を極めている成実さん達──いわゆる武将派は、襲われても無事なことが多い
ってことは、当然……
「女身の私が一番危ない、と」
いくら腕に覚えがあるって言ったって、所詮は女
男女の差は否めない
……でも、そんなに大事 にしたがるのかな
お東様は政道兄上様を伊達の後継者にしたいわけで……その上で自分が実権を握りたいわけでしょ?
ここでそれが全部バレたら、その計画もパァになるんじゃないの?
「うーん、いよいよ分からん」
ため息をついた、そのとき
ポケットのスマホが震えて、着信を知らせた
「はい、もしもし」
[夕華か!?]
「はい、そうですけど……
どうしたんですか、兄様」
[お前、今どこにいる!?]
「どこって、もうすぐ私の家の前ですけど……」
[Shit……!
遅かったか……!]
兄様の焦り方がおかしい
まるでこの先に何かが待ち受けているかのようだ
「……兄様?」
[いいか、そのまま家に帰らずに一旦こっちに戻れ!]
「え?
どうして……」
[いいから戻れ!
時間がねぇ!]
「は──」
それに返事をしようとしたとき
複数の足音が聞こえてきた
とっさにマイクを手で塞ぐ
無駄のない動きと、隙のなさ
──目の前の男たちは、私を確実に狙っていた
「な……なんですか……」
「伊達夕華
お前の身柄を、拘束する」
背筋を冷や汗が流れる
忠告を受けたのは、たった今なのに……
もう……?
人違い、なんていう見え透いた嘘は通用しないだろう
無茶するなって後で怒られるんだろうな、私
成実さんから「何年俺の寿命を縮めるつもりだ!!」なんて怒られて……
ごめんなさい、成実さん
……でも、命を粗末にするつもりはないから
「兄様……ごめんなさい」
[っ!?
おい夕華、どういう──]
通話を切る
それをポケットに入れ、鞄を地面に落とした
「ただで拘束されるわけには、いきませんので」
体術の構えをとって、間合いを測る
先に動いたのは私だった
目の前の男の懐に飛び込み、鳩尾に拳を打ち付ける
振り向きざま、肘でもう一人の男の顔面を殴り、目の前に迫る男に足払いをかける
「次っ!」
迫る拳をさらりとかわし、顎を砕く
男は全部で四人
顎を砕いた男と、顔面を肘でぶん殴った男は、再起不能
つまり、事実上の二対一
勝機はある──とにかく、ここを切り抜けて、伊達家に連絡を取らないと
「なかなかやるな」
聞こえるはずのない声が、背後からまとわりついた
「まさか五人目っ……!?」
頭部に衝撃を感じる
「ぁぐっ!
そん、な……」
目の前が不意に、真っ暗になった
兄様、小十郎さん、綱元さん……
……成実さん──
兄様と小十郎さんの言葉が、グルグルと頭を駆けまわっていた
『気をつけろよ
母さんは何をしてくるか分からねぇ
身体能力は並み以上とは言え、所詮は生身の人間だ
危なっかしいことに首突っ込むんじゃねぇぞ
お前は俺と似て、感情に任せて行動しがちだからな』
『何かありましたら、すぐに我々の誰かに連絡を
それから……命だけは、粗末になさいますな』
「あんなに真剣に言われたら、身構えちゃうよね……」
お東様は、もっと合理的に動く人だと思ってたけど
私や兄様に似て直情型みたいだ
成実さんは伊達家を離れられないらしく、私は一人で家に帰っている
最後まで不安そうにしていたけれど、こればかりは仕方ない
……お東様は、成実さんを引き抜こうとしている
それはあの会話で分かった
問題は、その後だ
成実さん以外の誰かに、引き抜きの話を持ちかける可能性は高い
けれど、兄様の周囲は全員、記憶がある
兄様の側を離れることはまずない
……つまり
「強硬手段に出る、ってこと?」
体術や護身術を極めている成実さん達──いわゆる武将派は、襲われても無事なことが多い
ってことは、当然……
「女身の私が一番危ない、と」
いくら腕に覚えがあるって言ったって、所詮は女
男女の差は否めない
……でも、そんなに
お東様は政道兄上様を伊達の後継者にしたいわけで……その上で自分が実権を握りたいわけでしょ?
ここでそれが全部バレたら、その計画もパァになるんじゃないの?
「うーん、いよいよ分からん」
ため息をついた、そのとき
ポケットのスマホが震えて、着信を知らせた
「はい、もしもし」
[夕華か!?]
「はい、そうですけど……
どうしたんですか、兄様」
[お前、今どこにいる!?]
「どこって、もうすぐ私の家の前ですけど……」
[Shit……!
遅かったか……!]
兄様の焦り方がおかしい
まるでこの先に何かが待ち受けているかのようだ
「……兄様?」
[いいか、そのまま家に帰らずに一旦こっちに戻れ!]
「え?
どうして……」
[いいから戻れ!
時間がねぇ!]
「は──」
それに返事をしようとしたとき
複数の足音が聞こえてきた
とっさにマイクを手で塞ぐ
無駄のない動きと、隙のなさ
──目の前の男たちは、私を確実に狙っていた
「な……なんですか……」
「伊達夕華
お前の身柄を、拘束する」
背筋を冷や汗が流れる
忠告を受けたのは、たった今なのに……
もう……?
人違い、なんていう見え透いた嘘は通用しないだろう
無茶するなって後で怒られるんだろうな、私
成実さんから「何年俺の寿命を縮めるつもりだ!!」なんて怒られて……
ごめんなさい、成実さん
……でも、命を粗末にするつもりはないから
「兄様……ごめんなさい」
[っ!?
おい夕華、どういう──]
通話を切る
それをポケットに入れ、鞄を地面に落とした
「ただで拘束されるわけには、いきませんので」
体術の構えをとって、間合いを測る
先に動いたのは私だった
目の前の男の懐に飛び込み、鳩尾に拳を打ち付ける
振り向きざま、肘でもう一人の男の顔面を殴り、目の前に迫る男に足払いをかける
「次っ!」
迫る拳をさらりとかわし、顎を砕く
男は全部で四人
顎を砕いた男と、顔面を肘でぶん殴った男は、再起不能
つまり、事実上の二対一
勝機はある──とにかく、ここを切り抜けて、伊達家に連絡を取らないと
「なかなかやるな」
聞こえるはずのない声が、背後からまとわりついた
「まさか五人目っ……!?」
頭部に衝撃を感じる
「ぁぐっ!
そん、な……」
目の前が不意に、真っ暗になった
兄様、小十郎さん、綱元さん……
……成実さん──
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