第三十二話 緊張と歓喜と
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寒さが厳しさを増す、十二月──
成実さんの推薦入試からしばらく経った、今日
「落ち着かない……!」
この間以上に落ち着かない私がいた
「……そう」
「海夜待って、せめてもう少し触れてあげて」
「絡む気も失せるわよ」
「うぐっ」
心にグッサリとトゲを刺して……
海夜め……
「今日は何?」
「推薦の合否が発表される日です……」
「何時からなの?」
「えと、確か開示は九時で……」
「今は何時?」
「……十時」
「落ち着かないなら、直接お兄様に聞けば早いじゃない」
「そうですね……」
いや、分かってたけど、そうなんだけど
だって合否の結果聞いて、落ちてたら……ねぇ……
成実さんに限ってありえない!と思ってるんだけど
成実さんだからこそあり得てしまう可能性も……
「向こうも、こっちが授業だからって気を遣ってるかもしれないわよ」
「うー、それも考えてるんだけどさぁ……
落ちてたら嫌だなぁっていうか、そんな状態の時に合否の結果を聞く電話なんて……」
「ま、なおさら嫌でしょうね」
「分かってるなら言わないでよー」
そのまま机に突っ伏す
さっきから何度もスマホをつけては消してを繰り返している
だって気になって仕方ないんだもん……
「これが兄様とかだったら、全然心配しないのに……
あーもう!
連絡の一つくらいくださいよぉ!」
「ま、気長に待つことね」
「えらく余裕だけど、石田先輩は大丈夫なの?」
「受かったって報告が来たわ」
「ぐっ……!
分かってたけど何とはなしに腹が立つ……!」
「あなた、本当に三成のことが嫌いなのね」
「私だって嫌いな人くらいいるよ
でもまぁ……指定校とはいえ、合格はすごいことだもんね、おめでとう」
「……そう言えるところよ」
「なにが?」
「あなたの良いところ」
「……へっ?」
まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかったので、うっかり照れてしまった
私個人の感情は抜きにして、その人の功績が賞賛に値するのなら、それは祝福するべきだ
たとえそれが、前世で敵であった人だとしても
「……海夜だって、そういうところだよ」
「どういうところよ?」
照れ隠し代わりにそう突くと、海夜はムッとしたようにジト目で睨んできた
「そうやって人の良いところをちゃんと見てて、それをちゃんと口にできるところ」
「あら、もしかして照れてるの?」
「そういうところは本当に成実さんと一緒!
やっぱり元双子は似るのかな!」
「失礼ね、お兄様よりは上手く立ち回れるわよ」
「くっ……否定のしようがない……!」
「お兄様の生きづらさは、三成のそれと同等かそれ以上だもの
必要以上に背負おうとする分、三成よりタチが悪いかもしれないわね」
「………」
「ま、前世のあれこれを引き合いに出すのはナンセンスだわ
ともあれ、推薦、お兄様も受かってるといいわね」
「勝者の余裕?」
「まぁね
今のところ、三成が一歩リードしてるわけだもの」
あの、成実さん
これで落ちたら、石田先輩に完全な敗北を喫してしまいますが……
いや、別に何かを競ってる訳でもないし、ましてや同じ大学の枠を争ってる訳でもないんだけど
うちの成実さんだってやる時はやるんだぞ、なんていう妙な対抗心でやってるだけだ
……あの頃と比べれば、本当に平和な争いでしかない
会いたいなぁ、成実さん……
さすがに夏が終わってからは、伊達家にお邪魔するのも悪いなと思って、足が遠のいていて、そろそろ寂しさが限界突破してしまいそうだ
「あ、やば、先生来た」
「本当ね」
スマホを閉じてポケットに入れる
もしかして、もしかして……落ちた……?
な、わけないよね……ね?
すっごく心配なんですけど……
「伊達ー、生きてるかー」
「何とか生きてます……」
「よし、それじゃ問四の答えは?」
「えー……」
数列……
どちらかというと、まだ解ける方だけど……
「解けなかったら放課後に補習するぞー」
「一般項3n-1!」
「よし正解、座れ」
「よっし!」
あっぶな……!
遠くで海夜がため息をついて額を押さえていましたが、見なかったことにします
──授業が続く中で、ポケットのスマホが震えていることに気付く
こっそりと机の下で画面をつけると、LEINの通知が一件
相手は……成実さん……
通知に見える文字は、「結果」
スクロールして下の文面を見ると……
そこにあった文字は──
成実さんの推薦入試からしばらく経った、今日
「落ち着かない……!」
この間以上に落ち着かない私がいた
「……そう」
「海夜待って、せめてもう少し触れてあげて」
「絡む気も失せるわよ」
「うぐっ」
心にグッサリとトゲを刺して……
海夜め……
「今日は何?」
「推薦の合否が発表される日です……」
「何時からなの?」
「えと、確か開示は九時で……」
「今は何時?」
「……十時」
「落ち着かないなら、直接お兄様に聞けば早いじゃない」
「そうですね……」
いや、分かってたけど、そうなんだけど
だって合否の結果聞いて、落ちてたら……ねぇ……
成実さんに限ってありえない!と思ってるんだけど
成実さんだからこそあり得てしまう可能性も……
「向こうも、こっちが授業だからって気を遣ってるかもしれないわよ」
「うー、それも考えてるんだけどさぁ……
落ちてたら嫌だなぁっていうか、そんな状態の時に合否の結果を聞く電話なんて……」
「ま、なおさら嫌でしょうね」
「分かってるなら言わないでよー」
そのまま机に突っ伏す
さっきから何度もスマホをつけては消してを繰り返している
だって気になって仕方ないんだもん……
「これが兄様とかだったら、全然心配しないのに……
あーもう!
連絡の一つくらいくださいよぉ!」
「ま、気長に待つことね」
「えらく余裕だけど、石田先輩は大丈夫なの?」
「受かったって報告が来たわ」
「ぐっ……!
分かってたけど何とはなしに腹が立つ……!」
「あなた、本当に三成のことが嫌いなのね」
「私だって嫌いな人くらいいるよ
でもまぁ……指定校とはいえ、合格はすごいことだもんね、おめでとう」
「……そう言えるところよ」
「なにが?」
「あなたの良いところ」
「……へっ?」
まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかったので、うっかり照れてしまった
私個人の感情は抜きにして、その人の功績が賞賛に値するのなら、それは祝福するべきだ
たとえそれが、前世で敵であった人だとしても
「……海夜だって、そういうところだよ」
「どういうところよ?」
照れ隠し代わりにそう突くと、海夜はムッとしたようにジト目で睨んできた
「そうやって人の良いところをちゃんと見てて、それをちゃんと口にできるところ」
「あら、もしかして照れてるの?」
「そういうところは本当に成実さんと一緒!
やっぱり元双子は似るのかな!」
「失礼ね、お兄様よりは上手く立ち回れるわよ」
「くっ……否定のしようがない……!」
「お兄様の生きづらさは、三成のそれと同等かそれ以上だもの
必要以上に背負おうとする分、三成よりタチが悪いかもしれないわね」
「………」
「ま、前世のあれこれを引き合いに出すのはナンセンスだわ
ともあれ、推薦、お兄様も受かってるといいわね」
「勝者の余裕?」
「まぁね
今のところ、三成が一歩リードしてるわけだもの」
あの、成実さん
これで落ちたら、石田先輩に完全な敗北を喫してしまいますが……
いや、別に何かを競ってる訳でもないし、ましてや同じ大学の枠を争ってる訳でもないんだけど
うちの成実さんだってやる時はやるんだぞ、なんていう妙な対抗心でやってるだけだ
……あの頃と比べれば、本当に平和な争いでしかない
会いたいなぁ、成実さん……
さすがに夏が終わってからは、伊達家にお邪魔するのも悪いなと思って、足が遠のいていて、そろそろ寂しさが限界突破してしまいそうだ
「あ、やば、先生来た」
「本当ね」
スマホを閉じてポケットに入れる
もしかして、もしかして……落ちた……?
な、わけないよね……ね?
すっごく心配なんですけど……
「伊達ー、生きてるかー」
「何とか生きてます……」
「よし、それじゃ問四の答えは?」
「えー……」
数列……
どちらかというと、まだ解ける方だけど……
「解けなかったら放課後に補習するぞー」
「一般項3n-1!」
「よし正解、座れ」
「よっし!」
あっぶな……!
遠くで海夜がため息をついて額を押さえていましたが、見なかったことにします
──授業が続く中で、ポケットのスマホが震えていることに気付く
こっそりと机の下で画面をつけると、LEINの通知が一件
相手は……成実さん……
通知に見える文字は、「結果」
スクロールして下の文面を見ると……
そこにあった文字は──
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