第三十一話 浮き足立つ心
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冬迫る気配が強まる、十一月──
「………」
時計を見上げて、それからスマホを開いて
……これを繰り返し始めて、何十分が経っただろうか
今日は、とっても大切な日だ
おかげで朝から落ち着かない
あうぅ、不安だなぁ……
「何をそわそわしてるのよ」
見かねた海夜が私にそう言うけど、それで落ち着きを取り戻せたら苦労はしない
「だって!
今日なんだもん!」
「何が?」
「成実さんの、推薦入試!」
……そう
私の大切な成実さんの、推薦入試なのです
ちょくちょく会ってるからうっかり忘れてたけど、成実さんって受験生だった
「あぁ……今日だったの
推薦、取れたのね」
「珍しいみたいな言い方しないでよー!
ああ見えて成績優秀なんだから!
自己推薦だったんだって、指定校の枠は学校に無いらしくて」
「へぇ……」
何で一気にトーンが下がったのか、海夜さんよ
そんなに面白くないか、成実さんが優秀なことが
「絶対受かる!って言ってたけど……
成実さん、フラグ立ててはしっかり回収しちゃうタイプだし……」
「……なんとなくそういう気はしてたわ」
まあ、前期の一般でも受かるとは言ってたんだけど
推薦、かぁ……
すごいなぁ、私には出来そうもないや
元々、成実さんは前世の頃から頭は良かった
兵法だけじゃなく、政治家としても優秀だったと聞いている
残念ながら、私はそんな彼の治める大森を長く過ごせたわけではなかったけど……
地頭、という点においては、成実さんも流石は三傑だったわけだ
「どこ受けるの?」
「婆裟羅大
綱元さんと兄様が今通ってて、私もそこに行くつもりなんだ」
「……あの大学、偏差値は結構高いわよね?」
「うん
現時点で、夕華さんはD判定です……」
「まだ二年の二学期でしょ
いくらでも伸びるわよ」
「ってなことを小十郎さんからも言われてるから頑張る!」
「その意気ね」
「うん!
あ、ところで海夜は?」
「私は大森」
「げっ、私より偏差値高いとこじゃん……」
まぁね……敵うわけないですね、学年主席の海夜様に……
受験かぁ……前世の私は終ぞ経験しなかったけど
私も来年に向けて頑張らなきゃ
「……受かると、いいなぁ」
「お兄様が?」
「うーん、来年の私も含めて……」
「大丈夫でしょ、あなたなら
意外と勝負強いし」
「……実力で受かりたいんだけどな」
運任せみたいに言わないでくださいな
まぁ、人事を尽くして天命を待つって言葉もあるくらいだし、最後は運任せなんだろうけど
「そう言う海夜は、判定は?」
「CとBを行ったり来たり、ね」
「ふえぇ、頭良い……分けろ」
「だが断る」
「まさかの乗っかってきたパターン!?」
こういう時に意外なお茶目っぷりを発揮するんじゃないやい
このギャップで何人の男子が落ちたことか……
「……あれ?
じゃあ石田先輩は?」
「三成も大森よ?
来週、指定校推薦ね」
「なん……だと……?」
負けた……
石田三成に負けた……
何だこの敗北感……指定校とはいえ、あの大森への推薦枠を勝ち取るなんて容易じゃないのに……
いや、実際に負けてるんだけども
「やだ泣きそう」
「なんでそうなるのよ」
「ほっといてよぉ!」
「……まぁ、ご愁傷様」
「うわぁぁぁん!」
成実さんの馬鹿ぁ!
なんで大森にしないんですかぁ!
……なんて思ったけども、成実さんを追っかけて大森に行くような学力が、なかった……
「はい、着席ー
今日はこの間の実力テストの結果を返しますよー」
先生の声で海夜が席に戻る
数学の先生が答案用紙を返却して、私の答案用紙が渡された
「……七十六点」
なんだろう……この、良くもなければ悪くもない、この点数……
「最高点は九十二点の水城さんで、平均点は六十八点でした
はい、じゃあ解説していきますねー」
バッ、と海夜を振り返る
私と目が合った海夜は、ぎょっとしたように答案用紙を裏返して、見せまいと机の下に隠したのだった
学年首席め……その学力を私に分けろ!
「伊達さん、聞いてますかー?」
「あ、はっはい!
聞いてます!」
「それじゃあ大問二の三は?」
「……先生、私、そこ不正解でした……」
「話はちゃんと聞くこと」
「はい……」
しょぼん、と席に座る
じゃあ水城さん、と先生が海夜を当てる
「……すみません先生
私も、そこは不正解でした……」
──そら見た事か!!
私が分からなくても仕方ない部分もあると思う!
……そう思ったけど、普通に考えて仕方なくはなかった
「………」
時計を見上げて、それからスマホを開いて
……これを繰り返し始めて、何十分が経っただろうか
今日は、とっても大切な日だ
おかげで朝から落ち着かない
あうぅ、不安だなぁ……
「何をそわそわしてるのよ」
見かねた海夜が私にそう言うけど、それで落ち着きを取り戻せたら苦労はしない
「だって!
今日なんだもん!」
「何が?」
「成実さんの、推薦入試!」
……そう
私の大切な成実さんの、推薦入試なのです
ちょくちょく会ってるからうっかり忘れてたけど、成実さんって受験生だった
「あぁ……今日だったの
推薦、取れたのね」
「珍しいみたいな言い方しないでよー!
ああ見えて成績優秀なんだから!
自己推薦だったんだって、指定校の枠は学校に無いらしくて」
「へぇ……」
何で一気にトーンが下がったのか、海夜さんよ
そんなに面白くないか、成実さんが優秀なことが
「絶対受かる!って言ってたけど……
成実さん、フラグ立ててはしっかり回収しちゃうタイプだし……」
「……なんとなくそういう気はしてたわ」
まあ、前期の一般でも受かるとは言ってたんだけど
推薦、かぁ……
すごいなぁ、私には出来そうもないや
元々、成実さんは前世の頃から頭は良かった
兵法だけじゃなく、政治家としても優秀だったと聞いている
残念ながら、私はそんな彼の治める大森を長く過ごせたわけではなかったけど……
地頭、という点においては、成実さんも流石は三傑だったわけだ
「どこ受けるの?」
「婆裟羅大
綱元さんと兄様が今通ってて、私もそこに行くつもりなんだ」
「……あの大学、偏差値は結構高いわよね?」
「うん
現時点で、夕華さんはD判定です……」
「まだ二年の二学期でしょ
いくらでも伸びるわよ」
「ってなことを小十郎さんからも言われてるから頑張る!」
「その意気ね」
「うん!
あ、ところで海夜は?」
「私は大森」
「げっ、私より偏差値高いとこじゃん……」
まぁね……敵うわけないですね、学年主席の海夜様に……
受験かぁ……前世の私は終ぞ経験しなかったけど
私も来年に向けて頑張らなきゃ
「……受かると、いいなぁ」
「お兄様が?」
「うーん、来年の私も含めて……」
「大丈夫でしょ、あなたなら
意外と勝負強いし」
「……実力で受かりたいんだけどな」
運任せみたいに言わないでくださいな
まぁ、人事を尽くして天命を待つって言葉もあるくらいだし、最後は運任せなんだろうけど
「そう言う海夜は、判定は?」
「CとBを行ったり来たり、ね」
「ふえぇ、頭良い……分けろ」
「だが断る」
「まさかの乗っかってきたパターン!?」
こういう時に意外なお茶目っぷりを発揮するんじゃないやい
このギャップで何人の男子が落ちたことか……
「……あれ?
じゃあ石田先輩は?」
「三成も大森よ?
来週、指定校推薦ね」
「なん……だと……?」
負けた……
石田三成に負けた……
何だこの敗北感……指定校とはいえ、あの大森への推薦枠を勝ち取るなんて容易じゃないのに……
いや、実際に負けてるんだけども
「やだ泣きそう」
「なんでそうなるのよ」
「ほっといてよぉ!」
「……まぁ、ご愁傷様」
「うわぁぁぁん!」
成実さんの馬鹿ぁ!
なんで大森にしないんですかぁ!
……なんて思ったけども、成実さんを追っかけて大森に行くような学力が、なかった……
「はい、着席ー
今日はこの間の実力テストの結果を返しますよー」
先生の声で海夜が席に戻る
数学の先生が答案用紙を返却して、私の答案用紙が渡された
「……七十六点」
なんだろう……この、良くもなければ悪くもない、この点数……
「最高点は九十二点の水城さんで、平均点は六十八点でした
はい、じゃあ解説していきますねー」
バッ、と海夜を振り返る
私と目が合った海夜は、ぎょっとしたように答案用紙を裏返して、見せまいと机の下に隠したのだった
学年首席め……その学力を私に分けろ!
「伊達さん、聞いてますかー?」
「あ、はっはい!
聞いてます!」
「それじゃあ大問二の三は?」
「……先生、私、そこ不正解でした……」
「話はちゃんと聞くこと」
「はい……」
しょぼん、と席に座る
じゃあ水城さん、と先生が海夜を当てる
「……すみません先生
私も、そこは不正解でした……」
──そら見た事か!!
私が分からなくても仕方ない部分もあると思う!
……そう思ったけど、普通に考えて仕方なくはなかった
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