第二十六話 因縁の転入生
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「おーい、準備できたかー?」
「あと少し……!
オッケーです!」
喜多さんにいつものように髪を結んでもらって、バッグを右肩にかける
今日からしばらく、成実さんと一緒に登校という夢のような日々
とはいえ、お互いに通ってる学校が違うから、成実さんは電車通学
伊達家に近いうちの学校(近いと言っても歩いて二十分以上はかかるけど)へは、私は徒歩
だから、必然的に成実さんが使う駅までになる
でも、そこまでは一緒だから嬉しい
「なんだか新鮮ですね!」
「だな、一緒に登校する日が来るとは思わなかった」
現代の成実さんは、前世での豊臣戦直後を彷彿とさせる、スッキリとしたショートカット
髪が短い成実さんも素敵だ……
けどまぁ、現代で男子がポニテは珍しいか
……慶次さんは別として
「もう六月ですかぁ……
早いですねー」
「だよなぁ
あと三週間ちょっとで期末、それが終わりゃあ天王山の夏ときたもんだ」
「頑張れ受験生!」
「お前、他人事だと思って……!」
「だって他人事ですもん」
「いいか!
来年もお前はこうなるんだからな!!」
「うっ……
そのときは覚悟決めます……」
なりたくないけど逃げられないし
兄様とか小十郎さんとか綱元さんにご指南願おう
……成実さん?
成実さんは……うん
「お前、今すっげぇ失礼なこと考えただろ」
「……まさか!」
「今の間は何だ、今の間は!」
しまった、自分で墓穴を掘った
「ったくよー……」
「でもこの調子だと、私がもし大学に受かったら、兄様と成実さんと一緒に登校できるってことですよね」
「……俺が受かればな」
「やめてくださいよ、そんな言い方
きっと受かりますって!」
「C判定ナメんなよ!?」
「今から巻き返せばいいんです!
引退すれば時間出来ますよ、大会もうすぐでしょうに」
うちの剣道部と同じくらい、成実さんが通う付属高校の剣道部も有名だ
団体戦では必ず潰し合いになるので、毎年恒例になりつつある──とは、海夜情報だけど
さらに、個人戦もあるため、そこでもまた仁義なき戦いが繰り広げられるそうで……
「今年こそ全国制覇してやるぜ」
「去年は?」
「……全国三位で終わった」
「さ、さすが成実さん……」
「全国制覇した薙刀選手のお前の方がすげぇよ
競技人口の違いはあっても、そうそう出来るもんじゃねぇだろ」
「薙刀は得意なので!」
「そりゃあ、あの時代にあんだけぶん回しゃあな」
「あ、あはは……」
笑って誤魔化しておいた
ち、ちゃんと日々の稽古だって頑張ってるもん……!
「……あれ?
去年はどうだったんですか?」
「あー……去年な……
去年は……準決で梵に負けて、三決の相手に勝った」
「そうだった、去年だと兄様がまだ現役だったのか」
「敵うわけねぇよなあ……
小十郎にみっちり仕込まれてりゃさぁ……」
「え、小十郎さん?」
「ガキの頃から梵に剣道教えてたんだよ
俺も最初は混ざってたんだけど、ほら、家が違うと会う回数も少ねぇだろ?」
「あれ?
ずっと一緒に住んでたんじゃなかったんですか?」
「俺がこっちに住み込み始めたのは、梵が高校上がるときから
だから、俺が中三になった時からかな」
「へぇ……
あ、じゃあその時に綱元さんも?」
「そういうことだな
互いに記憶がねぇんだろうなって踏んでたから、まず距離感掴むところから始めてさ
……いやまぁ、俺はほんとに無かったんだけど」
「よく四年間も記憶がないなんて思ってましたね、皆さん」
「今思い返せば、梵の場合は片鱗はあったけどなぁ……
言わずもがな、小十郎と綱元は隠すの上手すぎだし」
「あぁ……」
それは納得だ
二人とも心理戦が得意だったからなぁ……
「原田さんもその時からなんですか?」
「や、原田はもうちょい前から
梵と小十郎があっちに移ったときに、大殿の頼みで一緒に移ったんだ
今まで碌に絡んだこともなかったくせに二つ返事だったから、変だなとは思ってたんだよな
記憶がありゃあ、そりゃ二つ返事だよなぁ」
「成実さんは、抵抗はなかったんですか」
「梵と一緒に住むこと?
んー、あんまり無かったかなぁ
俺が行くことになった付属も、実家から通うよりは別邸から通う方が近いし
何より、梵とは兄弟同然に育ってきたからな
抵抗は……うん、無かったな」
そう頷いた成実さんが、じっと私を見下ろしてきた
思わず小首を傾げると
「お前、リボンタイ派なんだな」
「へ?」
「お前んとこ、女子って結構、制服で遊べるだろ?
だから、お前はリボンタイ派なんだなーって」
「ネクタイが上手く結べなくてですね……」
「ふはっ、可愛いなぁ
俺で良かったら、毎朝お前のネクタイを結んでやるけど」
「………」
天秤が揺れた
い、いや、ここで甘やかされると、将来、成実さんのネクタイを結んであげるという新婚イベントが出来ないことに……
「……ん?」
「う……」
でも、甘やかされたい……!
何か……何か着地点は……無いのか……!?
……そうだ!
「こちらでお世話になっている間だけ……お願いします……」
「期限付きかよ」
「な、治ったら!
治ったら今度は結び方を教えてほしいなと!」
「俺が結んでやるから、覚える必要なくねぇか?」
「……成実さんのネクタイを結んで、お仕事に送り出したいんです……」
小声でそう呟くと
成実さんの顔が、じわじわと赤くなっていった
「あと少し……!
オッケーです!」
喜多さんにいつものように髪を結んでもらって、バッグを右肩にかける
今日からしばらく、成実さんと一緒に登校という夢のような日々
とはいえ、お互いに通ってる学校が違うから、成実さんは電車通学
伊達家に近いうちの学校(近いと言っても歩いて二十分以上はかかるけど)へは、私は徒歩
だから、必然的に成実さんが使う駅までになる
でも、そこまでは一緒だから嬉しい
「なんだか新鮮ですね!」
「だな、一緒に登校する日が来るとは思わなかった」
現代の成実さんは、前世での豊臣戦直後を彷彿とさせる、スッキリとしたショートカット
髪が短い成実さんも素敵だ……
けどまぁ、現代で男子がポニテは珍しいか
……慶次さんは別として
「もう六月ですかぁ……
早いですねー」
「だよなぁ
あと三週間ちょっとで期末、それが終わりゃあ天王山の夏ときたもんだ」
「頑張れ受験生!」
「お前、他人事だと思って……!」
「だって他人事ですもん」
「いいか!
来年もお前はこうなるんだからな!!」
「うっ……
そのときは覚悟決めます……」
なりたくないけど逃げられないし
兄様とか小十郎さんとか綱元さんにご指南願おう
……成実さん?
成実さんは……うん
「お前、今すっげぇ失礼なこと考えただろ」
「……まさか!」
「今の間は何だ、今の間は!」
しまった、自分で墓穴を掘った
「ったくよー……」
「でもこの調子だと、私がもし大学に受かったら、兄様と成実さんと一緒に登校できるってことですよね」
「……俺が受かればな」
「やめてくださいよ、そんな言い方
きっと受かりますって!」
「C判定ナメんなよ!?」
「今から巻き返せばいいんです!
引退すれば時間出来ますよ、大会もうすぐでしょうに」
うちの剣道部と同じくらい、成実さんが通う付属高校の剣道部も有名だ
団体戦では必ず潰し合いになるので、毎年恒例になりつつある──とは、海夜情報だけど
さらに、個人戦もあるため、そこでもまた仁義なき戦いが繰り広げられるそうで……
「今年こそ全国制覇してやるぜ」
「去年は?」
「……全国三位で終わった」
「さ、さすが成実さん……」
「全国制覇した薙刀選手のお前の方がすげぇよ
競技人口の違いはあっても、そうそう出来るもんじゃねぇだろ」
「薙刀は得意なので!」
「そりゃあ、あの時代にあんだけぶん回しゃあな」
「あ、あはは……」
笑って誤魔化しておいた
ち、ちゃんと日々の稽古だって頑張ってるもん……!
「……あれ?
去年はどうだったんですか?」
「あー……去年な……
去年は……準決で梵に負けて、三決の相手に勝った」
「そうだった、去年だと兄様がまだ現役だったのか」
「敵うわけねぇよなあ……
小十郎にみっちり仕込まれてりゃさぁ……」
「え、小十郎さん?」
「ガキの頃から梵に剣道教えてたんだよ
俺も最初は混ざってたんだけど、ほら、家が違うと会う回数も少ねぇだろ?」
「あれ?
ずっと一緒に住んでたんじゃなかったんですか?」
「俺がこっちに住み込み始めたのは、梵が高校上がるときから
だから、俺が中三になった時からかな」
「へぇ……
あ、じゃあその時に綱元さんも?」
「そういうことだな
互いに記憶がねぇんだろうなって踏んでたから、まず距離感掴むところから始めてさ
……いやまぁ、俺はほんとに無かったんだけど」
「よく四年間も記憶がないなんて思ってましたね、皆さん」
「今思い返せば、梵の場合は片鱗はあったけどなぁ……
言わずもがな、小十郎と綱元は隠すの上手すぎだし」
「あぁ……」
それは納得だ
二人とも心理戦が得意だったからなぁ……
「原田さんもその時からなんですか?」
「や、原田はもうちょい前から
梵と小十郎があっちに移ったときに、大殿の頼みで一緒に移ったんだ
今まで碌に絡んだこともなかったくせに二つ返事だったから、変だなとは思ってたんだよな
記憶がありゃあ、そりゃ二つ返事だよなぁ」
「成実さんは、抵抗はなかったんですか」
「梵と一緒に住むこと?
んー、あんまり無かったかなぁ
俺が行くことになった付属も、実家から通うよりは別邸から通う方が近いし
何より、梵とは兄弟同然に育ってきたからな
抵抗は……うん、無かったな」
そう頷いた成実さんが、じっと私を見下ろしてきた
思わず小首を傾げると
「お前、リボンタイ派なんだな」
「へ?」
「お前んとこ、女子って結構、制服で遊べるだろ?
だから、お前はリボンタイ派なんだなーって」
「ネクタイが上手く結べなくてですね……」
「ふはっ、可愛いなぁ
俺で良かったら、毎朝お前のネクタイを結んでやるけど」
「………」
天秤が揺れた
い、いや、ここで甘やかされると、将来、成実さんのネクタイを結んであげるという新婚イベントが出来ないことに……
「……ん?」
「う……」
でも、甘やかされたい……!
何か……何か着地点は……無いのか……!?
……そうだ!
「こちらでお世話になっている間だけ……お願いします……」
「期限付きかよ」
「な、治ったら!
治ったら今度は結び方を教えてほしいなと!」
「俺が結んでやるから、覚える必要なくねぇか?」
「……成実さんのネクタイを結んで、お仕事に送り出したいんです……」
小声でそう呟くと
成実さんの顔が、じわじわと赤くなっていった
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