第二十五話 未来への約束
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成実さんと別邸に戻ると、成実さんがドアを開けようとして
「……嫌な予感がする」
「えっ」
成実さんの手はドアノブを掴んだまま固まっていた
よく見れば冷や汗が垂れている
「し、成実さん?」
成実さんが無言でドアを開ける
その先には──
「ヒィッ」
「よぉ、人の顔を見て悲鳴を上げるたぁご挨拶じゃねぇか」
仁王立ちで待ち構える、小十郎さんがいた……
「こ、小十郎さん……?」
「夕華様、お先に中へお入りを
成実、政宗様から仔細は伺ったぜ
覚悟できてんだろうなぁ?」
「覚悟!?
覚悟ってなんの!?」
オロオロした矢先、リビングから綱元さんが顔を出して、どうぞと手招きをしてくれた
迷った末……私はその通りに、成実さんを置いてリビングに入ることにしたのだった
背後で成実さんの「いっでぇぇぇ!!」という悲鳴を聞きながら……
──その後
「怪我人相手に発情しやがって、テメエそれでも伊達の男か云々」と小十郎さんの説教を成実さんが食らい
その光景をリビングで私と兄様と綱元さんで見守って、兄様が「やれやれ」と肩を竦めた
「あ……足いてぇ……!」
解放された成実さんはしばらく立てなかった
立ち上がろうとした瞬間に「あっ」と声を出したまま固まったのは面白かったので、つい笑ってしまったけど
笑った瞬間に肋骨に激痛が走って、私まで悶絶する羽目になった
「お疲れ様です」
「まったくだ……
って、お前は怪我してたんだもんな
……大丈夫か?」
「私生活はまぁ、なんとか」
「そっか
大事にならなくて安心した」
ほっとしたように成実さんが笑う
うん、これぞ私のよく知る成実さん
「しっかし……災難だったな、梵も」
「……まぁな」
「……あれ、そんなに堪えてねぇのか?」
「馬鹿言え
……まぁ、夕華のおかげでな」
「ふーん……
ああ、それで抱きついてたわけ」
「うっ、まだそれ引っ張りますか……」
「お前さ、自分も怪我してるの忘れてるだろ」
「肋骨の方はよく忘れますね」
「駄目じゃん!
それ忘れちゃ駄目じゃん!!」
「大丈夫ですよ、見た目ほど大げさな怪我じゃないですし」
「いや、そういうことじゃなくてだな……」
成実さんが額を抑えてため息をつく
「どう言ったら分かってくれっかなぁ……」
「分かってますよ?」
「いや分かってくれてないから言ってんだけど」
昔から常々言われることではあったな
分かってない、とか、そうじゃなくて、とか
「だからー……
かすり傷ひとつでもお前が怪我したら嫌なの
分かるか?」
「過保護……」
「るせぇ、何とでも言え」
口調と表情があってないぞ成実さん
すっごい口元緩んでるし
「成実、顔が気持ち悪いぞ」
「オイ気持ち悪いって言うな綱元」
「その緩んだ顔をどうにかしろ、だらしなく締まりのない顔だぞ」
「お前、普段から俺の事ぼんやりした顔とか言うじゃねぇか!」
「いっそ部屋に行ったらどうだ?
お前のそんな顔を見せられる俺の気持ちも考えてくれ」
「なるほど、要するに今の俺の顔は見たくないと!」
「誰もそんなことは言ってはいないんだが、お前がそう解釈するならそうなんじゃないか?」
「てめ……っ
やっぱ俺だけ扱いがみんな雑だ……」
「私は成実さんのこと大事に思ってますよ」
「味方はお前だけだぜ、夕華
さすが俺の嫁」
「はい?」
「……さすが俺の彼女」
笑顔で聞き返すと、目を逸らした成実さんが小さく訂正した
相変わらず……弱いというか何というか……
「語弊を生む言い方は気を付けてくださいね」
「ウィッス……
だって前世じゃ俺の嫁だったじゃん……」
「昔は昔、今は今です」
「何でそこでスッパリ切り離すんだよ!?」
「健全な男女の付き合いってそういうものだと思います
第一、成実さん、まだ十八じゃないでしょ」
「残念でした、成実さんはもう十八歳ですー」
「え……嘘ぉ!?」
てっきりまだ誕生日は来てないんだと思ってた……
成実さん、もう誕生日過ぎてたんだ……
ちょっとショックだ、誕生日という概念が確立されている現代じゃ、何の気兼ねもなくお祝い出来たのに
「さて、ひとまずこの場はお開きでいいだろ
夕華、どうせなら俺の部屋、行くか?」
「え、いいんですか!?
行きます!」
成実さんのお部屋ご開帳だ!
そう浮足立って答えた瞬間──
「男女七歳にして」
「席を同じゅうせず」
兄様と綱元さんの低い声が、背後から殺気をまとわりつかせて聞こえてきた
完全に油断していた成実さんの肩がビクゥ!と跳ね上がる
「な、なんだよ!
べっつにやましい気持ちで言ったわけじゃなくてだな!?」
「そ、そうですよ!
ここじゃみんなの視線があるから、成実さんのお部屋に移動しようってだけです!」
「夕華様のお心はこの綱元とて十分に理解しております
が、成実の本心は果たしてどうだろうな……?」
「なんで俺だけ疑われなきゃいけねぇんだよ!?」
「いいか夕華、貞操の危機に瀕したら、迷いなく兄である俺を呼べよ」
「オイコラどういう意味だこの野郎!」
「もう、兄様……
成実さんに限ってそんなことするわけないですよ」
「さすが夕華、分かってる!
あと梵、シスコンも度を過ぎたら鬱陶しがられるぞ」
「……まさか」
「即答じゃねぇんだもんな……」
僅かな間は少しだけその可能性を認めたということか……
成実さんに手を引かれながら振り返ると、兄様は原田さんにそっと肩を叩かれていた
……兄様に愛されて嫌になるなんて、私に限って絶対にないのになぁ、なんて
「……嫌な予感がする」
「えっ」
成実さんの手はドアノブを掴んだまま固まっていた
よく見れば冷や汗が垂れている
「し、成実さん?」
成実さんが無言でドアを開ける
その先には──
「ヒィッ」
「よぉ、人の顔を見て悲鳴を上げるたぁご挨拶じゃねぇか」
仁王立ちで待ち構える、小十郎さんがいた……
「こ、小十郎さん……?」
「夕華様、お先に中へお入りを
成実、政宗様から仔細は伺ったぜ
覚悟できてんだろうなぁ?」
「覚悟!?
覚悟ってなんの!?」
オロオロした矢先、リビングから綱元さんが顔を出して、どうぞと手招きをしてくれた
迷った末……私はその通りに、成実さんを置いてリビングに入ることにしたのだった
背後で成実さんの「いっでぇぇぇ!!」という悲鳴を聞きながら……
──その後
「怪我人相手に発情しやがって、テメエそれでも伊達の男か云々」と小十郎さんの説教を成実さんが食らい
その光景をリビングで私と兄様と綱元さんで見守って、兄様が「やれやれ」と肩を竦めた
「あ……足いてぇ……!」
解放された成実さんはしばらく立てなかった
立ち上がろうとした瞬間に「あっ」と声を出したまま固まったのは面白かったので、つい笑ってしまったけど
笑った瞬間に肋骨に激痛が走って、私まで悶絶する羽目になった
「お疲れ様です」
「まったくだ……
って、お前は怪我してたんだもんな
……大丈夫か?」
「私生活はまぁ、なんとか」
「そっか
大事にならなくて安心した」
ほっとしたように成実さんが笑う
うん、これぞ私のよく知る成実さん
「しっかし……災難だったな、梵も」
「……まぁな」
「……あれ、そんなに堪えてねぇのか?」
「馬鹿言え
……まぁ、夕華のおかげでな」
「ふーん……
ああ、それで抱きついてたわけ」
「うっ、まだそれ引っ張りますか……」
「お前さ、自分も怪我してるの忘れてるだろ」
「肋骨の方はよく忘れますね」
「駄目じゃん!
それ忘れちゃ駄目じゃん!!」
「大丈夫ですよ、見た目ほど大げさな怪我じゃないですし」
「いや、そういうことじゃなくてだな……」
成実さんが額を抑えてため息をつく
「どう言ったら分かってくれっかなぁ……」
「分かってますよ?」
「いや分かってくれてないから言ってんだけど」
昔から常々言われることではあったな
分かってない、とか、そうじゃなくて、とか
「だからー……
かすり傷ひとつでもお前が怪我したら嫌なの
分かるか?」
「過保護……」
「るせぇ、何とでも言え」
口調と表情があってないぞ成実さん
すっごい口元緩んでるし
「成実、顔が気持ち悪いぞ」
「オイ気持ち悪いって言うな綱元」
「その緩んだ顔をどうにかしろ、だらしなく締まりのない顔だぞ」
「お前、普段から俺の事ぼんやりした顔とか言うじゃねぇか!」
「いっそ部屋に行ったらどうだ?
お前のそんな顔を見せられる俺の気持ちも考えてくれ」
「なるほど、要するに今の俺の顔は見たくないと!」
「誰もそんなことは言ってはいないんだが、お前がそう解釈するならそうなんじゃないか?」
「てめ……っ
やっぱ俺だけ扱いがみんな雑だ……」
「私は成実さんのこと大事に思ってますよ」
「味方はお前だけだぜ、夕華
さすが俺の嫁」
「はい?」
「……さすが俺の彼女」
笑顔で聞き返すと、目を逸らした成実さんが小さく訂正した
相変わらず……弱いというか何というか……
「語弊を生む言い方は気を付けてくださいね」
「ウィッス……
だって前世じゃ俺の嫁だったじゃん……」
「昔は昔、今は今です」
「何でそこでスッパリ切り離すんだよ!?」
「健全な男女の付き合いってそういうものだと思います
第一、成実さん、まだ十八じゃないでしょ」
「残念でした、成実さんはもう十八歳ですー」
「え……嘘ぉ!?」
てっきりまだ誕生日は来てないんだと思ってた……
成実さん、もう誕生日過ぎてたんだ……
ちょっとショックだ、誕生日という概念が確立されている現代じゃ、何の気兼ねもなくお祝い出来たのに
「さて、ひとまずこの場はお開きでいいだろ
夕華、どうせなら俺の部屋、行くか?」
「え、いいんですか!?
行きます!」
成実さんのお部屋ご開帳だ!
そう浮足立って答えた瞬間──
「男女七歳にして」
「席を同じゅうせず」
兄様と綱元さんの低い声が、背後から殺気をまとわりつかせて聞こえてきた
完全に油断していた成実さんの肩がビクゥ!と跳ね上がる
「な、なんだよ!
べっつにやましい気持ちで言ったわけじゃなくてだな!?」
「そ、そうですよ!
ここじゃみんなの視線があるから、成実さんのお部屋に移動しようってだけです!」
「夕華様のお心はこの綱元とて十分に理解しております
が、成実の本心は果たしてどうだろうな……?」
「なんで俺だけ疑われなきゃいけねぇんだよ!?」
「いいか夕華、貞操の危機に瀕したら、迷いなく兄である俺を呼べよ」
「オイコラどういう意味だこの野郎!」
「もう、兄様……
成実さんに限ってそんなことするわけないですよ」
「さすが夕華、分かってる!
あと梵、シスコンも度を過ぎたら鬱陶しがられるぞ」
「……まさか」
「即答じゃねぇんだもんな……」
僅かな間は少しだけその可能性を認めたということか……
成実さんに手を引かれながら振り返ると、兄様は原田さんにそっと肩を叩かれていた
……兄様に愛されて嫌になるなんて、私に限って絶対にないのになぁ、なんて
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