恋模様の花冠
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「少し話さねえ?」
「う、うん」
わたしと同じように肩にタオルを掛けている丸井くんもどうやらお風呂上がりのようだった。って、うわ、自分もお風呂上がりなの忘れてた…まさかこんな時間に丸井くんに会えるなんて思ってなかったからそのまんまで来たのに。
「昨日は悪かったっつーか…八つ当たりしちまってごめん」
「ち、ちがうよ。わたしが余計なこと言ったから…」
「いや、お前は悪くねえ」
丸井くんは言葉を選んでいるのか、額に手を当てて何やら考え込んでしまった。やさしいな。丸井くんはなんにも悪くない。わたしが無神経なことを言ってしまったんだから、わたしから謝るべきだったのに。
「お前こないだも俺のミス気付いてたからなんか惨めな気分なって」
「…やっぱり迷惑だった?」
「違うって!あのな、ほら、そのな…やっぱなんでもねえ!」
そう言うと丸井くんはポケットに手を突っ込んで立ち上がった。ちゃりちゃりとした音はきっと何枚かの小銭。丸井くんは隣にあった自販機で缶のオレンジジュースを2本買うと、1つをわたしに差し出した。
「え、い、いいよ」
「遠慮すんなよぃ」
「あ、ありがとう…」
丸井くんからジュースを受け取ったときに思い出したのは、合宿の始まる前の日だった。あの日も丸井くんは一人で下見に来たわたしのためにお菓子とオレンジジュースをくれたんだ。再び横に座った丸井くんはぷしゅっと音を立ててジュースを開けると、喉を鳴らして飲み始めている。わたしはというと、両手で握りしめたオレンジジュースの缶を見ていると自然と鼻先がつんとしてしまった。
「開けらんねえの?…って、な、何泣いてんだよぃ!」
「ご、ごめっ…」
「だ、大丈夫かよ?」
「わたし、もう丸井くんと、話せないと思った、から…っ」
突然泣き始めたわたしの頭を丸井くんが優しく撫でてくれたから、おもわず本音が出てしまった。本当にこのまま合宿が終わる気がしていたから、またこんな風に話すことが出来て嬉しくて仕方がなかった。
いきなり泣き出して丸井くんに失礼だと思っていた矢先。頭上にあった掌のぬくもりがなくなったかと思えば、急に片腕でふわりと抱き寄せられた。何をされているのかすぐには理解出来なくてじっと固まっていたけれど、はっと我に返ると一気に顔に熱が集中した。
「…ま、丸井くん!?」
わたしが慌ててそう言うと、丸井くんはばっとわたしから手を離してわたしを見遣った。その丸井くんの顔はわずかに赤くなっている気がして、余計にわけがわからなくなってしまう。
「あ、あれ…?」
「どうしたの…?」
「わ、悪い!」
丸井くんはそう言ってわたしに軽く頭を下げると、また明日な!と言って慌ててその場から離れていってしまった。
肩から丸井くんの温もりがなかなか離れなくて、明日でお別れだということを忘れてしまいそうだった。
「う、うん」
わたしと同じように肩にタオルを掛けている丸井くんもどうやらお風呂上がりのようだった。って、うわ、自分もお風呂上がりなの忘れてた…まさかこんな時間に丸井くんに会えるなんて思ってなかったからそのまんまで来たのに。
「昨日は悪かったっつーか…八つ当たりしちまってごめん」
「ち、ちがうよ。わたしが余計なこと言ったから…」
「いや、お前は悪くねえ」
丸井くんは言葉を選んでいるのか、額に手を当てて何やら考え込んでしまった。やさしいな。丸井くんはなんにも悪くない。わたしが無神経なことを言ってしまったんだから、わたしから謝るべきだったのに。
「お前こないだも俺のミス気付いてたからなんか惨めな気分なって」
「…やっぱり迷惑だった?」
「違うって!あのな、ほら、そのな…やっぱなんでもねえ!」
そう言うと丸井くんはポケットに手を突っ込んで立ち上がった。ちゃりちゃりとした音はきっと何枚かの小銭。丸井くんは隣にあった自販機で缶のオレンジジュースを2本買うと、1つをわたしに差し出した。
「え、い、いいよ」
「遠慮すんなよぃ」
「あ、ありがとう…」
丸井くんからジュースを受け取ったときに思い出したのは、合宿の始まる前の日だった。あの日も丸井くんは一人で下見に来たわたしのためにお菓子とオレンジジュースをくれたんだ。再び横に座った丸井くんはぷしゅっと音を立ててジュースを開けると、喉を鳴らして飲み始めている。わたしはというと、両手で握りしめたオレンジジュースの缶を見ていると自然と鼻先がつんとしてしまった。
「開けらんねえの?…って、な、何泣いてんだよぃ!」
「ご、ごめっ…」
「だ、大丈夫かよ?」
「わたし、もう丸井くんと、話せないと思った、から…っ」
突然泣き始めたわたしの頭を丸井くんが優しく撫でてくれたから、おもわず本音が出てしまった。本当にこのまま合宿が終わる気がしていたから、またこんな風に話すことが出来て嬉しくて仕方がなかった。
いきなり泣き出して丸井くんに失礼だと思っていた矢先。頭上にあった掌のぬくもりがなくなったかと思えば、急に片腕でふわりと抱き寄せられた。何をされているのかすぐには理解出来なくてじっと固まっていたけれど、はっと我に返ると一気に顔に熱が集中した。
「…ま、丸井くん!?」
わたしが慌ててそう言うと、丸井くんはばっとわたしから手を離してわたしを見遣った。その丸井くんの顔はわずかに赤くなっている気がして、余計にわけがわからなくなってしまう。
「あ、あれ…?」
「どうしたの…?」
「わ、悪い!」
丸井くんはそう言ってわたしに軽く頭を下げると、また明日な!と言って慌ててその場から離れていってしまった。
肩から丸井くんの温もりがなかなか離れなくて、明日でお別れだということを忘れてしまいそうだった。
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