弱虫な僕ら
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立海大は学年と学科によってキャンパスが分かれていて、わたしたち一年生文系総合科が過ごすキャンパスはB棟だ。わたしがこの学科を選んだのは、高校生の時にブン太もそこにするって聞いていたから。主に利用するのはニ階の講堂。いくら講堂が広いからとはいえ、彼と会う可能性はあるのだ。意識して探しているのに会わない方がおかしい。わたしは授業はいつも前の方に座るからか、彼の授業の出席状況は知らない。だからといって休み時間に講堂内をうろついてみても、あの目立つ赤い髪は見つからないのだ。大学での授業が始まってから二日目。せっかくブン太を追ってこの大学に入ったのに、会えないのでは意味がない。でも、会えたとしても話せるのかな。この間みたいに無視されるかもしれないと考えると臆病になってしまう。ていうか何で無視されたんだろう。
「お昼食べに行こー」
「あ、うん」
資料を鞄の中に仕舞うと、先に歩いたりなを追い掛けた。その少し先では女子が数人でお弁当を食べながらきゃっきゃと騒いでいる。アイドルの話でもしてるのかな。お気に入りの芸能人がいるなんて羨ましいなあ、なんて思いながらもやたらとテンションの高い女の子達を横目で見ながら通り過ぎると、隣にいたりなが不思議そうに見ていたわたしに親切にも説明してくれた。
「あんたの幼なじみのことだよ」
「え?ブン太?」
「そ。いろんなセフレ作ってヤりまくってんの」
「せ…!?」
彼女のその言葉に思わず足を止めてしまった。そ、それって、あれだよね。あれをするための友達ってことだよね。それをブン太が?いや、ないないない。それは絶対にない。半ば自分にそう言い聞かせながらも思い切り首を横に振った。
「ないよ、それは」
「本当だってば。じゃああの子たちに聞いてみれば?」
「う、うん」
そこで話していた子たちのグループの中には、たまたま高校の時に同じクラスだった子もいたから、聞く分には困らなかった。出口に向かっていた足の向きを彼女たちに向けると、喉につっかえてなかなか出てこなかった言葉を吐き出した。
「ね、何の話してるの?」
「あ、はなちゃん久しぶり〜。あのね、丸井くんの話」
「ぶ、ブン太がどうしたの…?」
「丸井くんと付き合ってなくてもエッチ出来るんだよ〜」
「ばか、この子丸井くんの幼なじみなんだから知ってるに決まってるじゃん」
そっかー、と笑う女の子たちのやり取りに言葉を失った。無理もない。ブン太はそんなもの作ったりしないと信じてたものが一気に壊されたんだから。
「それ、ほんと、なの?」
「うん。ていうかはなちゃんもさ、幼なじみなんだから何回もやってんじゃないの?」
彼女たちの言葉を聞いて、頭の中が一気に真っ白になってしまった。色んなことがぐちゃぐちゃになって、混乱状態。考えるよりも先に身体が動いていて、わたしは目の前の女の子の頬を平手で叩いてしまっていた。自分でもどうしてこんなことをしてしまったのかわからなかったけど、ただ悔しかった。自分の大事な幼なじみをそんな風に言われて。講堂の中では、ぱん!と痛々しい音が響いて、その次には女独特の甲高い声が目立った。そのせいで一気に周りの視線を集めたけど、今はそんなことどうでもよかった。
「いったあ、何すんのよ!」
「ブン太はそんなことしないわよ、馬鹿!」
「ちょ、やめなって、はな」
りなによってわたしはその場から引きずり出されてしまった。その間、涙はずっと止まらなかった。さっきのことで感情が高ぶっていたのと、信じたくない現実を突き付けられた悲しさで。食堂までたどり着くと椅子に座らされて、りなはそのままカウンターの方まで行ってしまった。泣き疲れたはずなのに、ブン太のことを思い出してはまた涙が出た。鞄からタオルを取り出してひっくひっくと泣くわたしを、周りの人達は変な目で見てるんだろう。だれどそんなこと、どうでも良かった。しばらくの間机に突っ伏して泣いていると、頭上にりなの声が聞こえて無意識に顔をあげた。
「ほら、これ食べな!今日はあたしが奢ってあげるから」
「これ、りなが、っひく、食堂のメニューの中で、一番安いって言ってたやつ…?」
「文句言うな!」
「ごめっ、なさい」
鳴咽が止まらないままりなからチャーハンを受け取ると、彼女はわたしの前に座ってスプーンでチャーハンを救い取った。しばらく沈黙が続いたけど、別にこのままで良い気がした。これ以上変にブン太のことを知りたくないとおもったから。
「やっぱり丸井のこと知らなかったんだね」
「…知らない」
「そっか…あれ、高三の途中からだよ」
高三からってことは、今に始まったことじゃないのか。どうしていきなりそんな風になってしまったんだろう。わたしの知ってるブン太は絶対にそんなことしない。好きでもない女の子とそんなこと、絶対に、しない…。それとも離れてた間に、わたしの知ってるブン太はもう消えちゃったのかな。
「わたしね、ブン太に告白したくてここに戻ってきたの」
「…うん」
「だから、今あんな風になってるなんて思わなく、って…っ」
言葉にしたら、引いていた涙がまた次々に溢れ出してきた。ブン太に告白された時に頷いてたら、もっと違う今があったのかな?もっと早くに恋愛感情が生まれてたら、彼の瞳にわたしは映ったのだろうか。
「恋愛なんて、タイミングが命なんだよ」
彼女の言葉がいやに頭の中に響いた。タイミングがよかったら、今わたしはブン太の隣で笑っていられたのかな。初めて後悔の意味を知って、わたしはわたしの知っている彼を思い出したくてそっと瞼を落とした。
「お昼食べに行こー」
「あ、うん」
資料を鞄の中に仕舞うと、先に歩いたりなを追い掛けた。その少し先では女子が数人でお弁当を食べながらきゃっきゃと騒いでいる。アイドルの話でもしてるのかな。お気に入りの芸能人がいるなんて羨ましいなあ、なんて思いながらもやたらとテンションの高い女の子達を横目で見ながら通り過ぎると、隣にいたりなが不思議そうに見ていたわたしに親切にも説明してくれた。
「あんたの幼なじみのことだよ」
「え?ブン太?」
「そ。いろんなセフレ作ってヤりまくってんの」
「せ…!?」
彼女のその言葉に思わず足を止めてしまった。そ、それって、あれだよね。あれをするための友達ってことだよね。それをブン太が?いや、ないないない。それは絶対にない。半ば自分にそう言い聞かせながらも思い切り首を横に振った。
「ないよ、それは」
「本当だってば。じゃああの子たちに聞いてみれば?」
「う、うん」
そこで話していた子たちのグループの中には、たまたま高校の時に同じクラスだった子もいたから、聞く分には困らなかった。出口に向かっていた足の向きを彼女たちに向けると、喉につっかえてなかなか出てこなかった言葉を吐き出した。
「ね、何の話してるの?」
「あ、はなちゃん久しぶり〜。あのね、丸井くんの話」
「ぶ、ブン太がどうしたの…?」
「丸井くんと付き合ってなくてもエッチ出来るんだよ〜」
「ばか、この子丸井くんの幼なじみなんだから知ってるに決まってるじゃん」
そっかー、と笑う女の子たちのやり取りに言葉を失った。無理もない。ブン太はそんなもの作ったりしないと信じてたものが一気に壊されたんだから。
「それ、ほんと、なの?」
「うん。ていうかはなちゃんもさ、幼なじみなんだから何回もやってんじゃないの?」
彼女たちの言葉を聞いて、頭の中が一気に真っ白になってしまった。色んなことがぐちゃぐちゃになって、混乱状態。考えるよりも先に身体が動いていて、わたしは目の前の女の子の頬を平手で叩いてしまっていた。自分でもどうしてこんなことをしてしまったのかわからなかったけど、ただ悔しかった。自分の大事な幼なじみをそんな風に言われて。講堂の中では、ぱん!と痛々しい音が響いて、その次には女独特の甲高い声が目立った。そのせいで一気に周りの視線を集めたけど、今はそんなことどうでもよかった。
「いったあ、何すんのよ!」
「ブン太はそんなことしないわよ、馬鹿!」
「ちょ、やめなって、はな」
りなによってわたしはその場から引きずり出されてしまった。その間、涙はずっと止まらなかった。さっきのことで感情が高ぶっていたのと、信じたくない現実を突き付けられた悲しさで。食堂までたどり着くと椅子に座らされて、りなはそのままカウンターの方まで行ってしまった。泣き疲れたはずなのに、ブン太のことを思い出してはまた涙が出た。鞄からタオルを取り出してひっくひっくと泣くわたしを、周りの人達は変な目で見てるんだろう。だれどそんなこと、どうでも良かった。しばらくの間机に突っ伏して泣いていると、頭上にりなの声が聞こえて無意識に顔をあげた。
「ほら、これ食べな!今日はあたしが奢ってあげるから」
「これ、りなが、っひく、食堂のメニューの中で、一番安いって言ってたやつ…?」
「文句言うな!」
「ごめっ、なさい」
鳴咽が止まらないままりなからチャーハンを受け取ると、彼女はわたしの前に座ってスプーンでチャーハンを救い取った。しばらく沈黙が続いたけど、別にこのままで良い気がした。これ以上変にブン太のことを知りたくないとおもったから。
「やっぱり丸井のこと知らなかったんだね」
「…知らない」
「そっか…あれ、高三の途中からだよ」
高三からってことは、今に始まったことじゃないのか。どうしていきなりそんな風になってしまったんだろう。わたしの知ってるブン太は絶対にそんなことしない。好きでもない女の子とそんなこと、絶対に、しない…。それとも離れてた間に、わたしの知ってるブン太はもう消えちゃったのかな。
「わたしね、ブン太に告白したくてここに戻ってきたの」
「…うん」
「だから、今あんな風になってるなんて思わなく、って…っ」
言葉にしたら、引いていた涙がまた次々に溢れ出してきた。ブン太に告白された時に頷いてたら、もっと違う今があったのかな?もっと早くに恋愛感情が生まれてたら、彼の瞳にわたしは映ったのだろうか。
「恋愛なんて、タイミングが命なんだよ」
彼女の言葉がいやに頭の中に響いた。タイミングがよかったら、今わたしはブン太の隣で笑っていられたのかな。初めて後悔の意味を知って、わたしはわたしの知っている彼を思い出したくてそっと瞼を落とした。
