恋模様の花冠
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丸井くんに名前を呼ばれたことによってわたしが一人審判台でパニックを起こしていると、目の前に立ちはだかった黄色いジャージを着た男の人によって我に返った。
「たなか、審判交代だ」
「あれ、でも柳くんさっき試合してたよね?休憩は…」
「審判も休憩のようなものだ。お前も水分をしっかり取って休憩していろ」
「あ、ありがとう」
うう、親切が身に染みる…!もちろん四天にも蔵とか千歳とか親切な人材は多いけど、あまりにも謙也や謙也や光や謙也の意地悪さが大きすぎてなんだかこの優しさが懐かしい。わたしはお言葉に甘えて審判をお任せすることにした。わたしはコートを出て水分補給を済ませると、ドリンクを作ろうと思って持ってきておいた粉とどでかい容器を取り出して水飲み場に向かった。水飲み場では近くに丸井くんがいて、思わずどきっとした。だけど、わたしの様子には気付かないみたいで、木に凭れ掛かって誰かと電話をしているようだ。うん、別に立ち聞きしてるわけじゃないない。そう言い聞かせながらも丸井くんとお友達の話の内容が気になって自然と耳を澄ましてしまった。
「俺も早く会いてえよ。もう少し我慢しろよ、な?」
「……はい?」
「おう。うんうん。いい子にしてたらご褒美やるぜぃ」
その内容に思わず間抜けな声を出してしまったが、丸井くんはそれにも気付かないほど電話に夢中らしい。この内容って…この甘ったるい内容って…!どう考えても彼女だよね?丸井くんに彼女がいるかもしれないという危機を全くもって忘れてた。ご褒美って何?もしかしてやっぱり恋人ならではの…!?
「おい。めっちゃ容器から水溢れとるやん」
「えっ、あ」
「しかも粉をどこにぶちまけとんねん」
「あ」
聞き慣れた謙也の声で自分が今何をしていたのかを思い出した。ドリンクの基である粉は一袋分すべて水道場に流してしまい、容器の中からは溜まりすぎた水が溢れ出していた。わたしの様子と近くにいた丸井くんを見て何かを悟ったのか、謙也はふうとため息を吐いた。う、私情を挟みすぎた。いくら気になったからって粉を無駄にしちゃったし水の無駄使いだし。
「…ごめん」
「いや、別にもう見慣れたもんやけど。とりあえず俺ポカリ飲みたいから作って」
「…はい」
それだけ言うと謙也はその場を離れていった。今さらだけどマネージャーとしてあしからぬことをしてしまったと思いしゅんとしていると、さっきまで電話していたはずの丸井くんがすぐそこまで来ていた。動揺するな、わたし。悩むならマネージャーとしての仕事を熟してから!うん。
「お、ドリンク作ってんの?」
「あ、うん」
「偉い偉い。なんかマネージャーっぽいよな」
そう言って無邪気に笑う丸井くんを見ると胸が痛んだ。彼女いたら、やっぱり諦めなきゃいけないよね。まだ合宿も一日目だし、早くに事実を知った方がいいのかも。このままずっともやもやを引きずってると部員のみんなにも迷惑掛けちゃうし。自分にそう言い聞かせると、わたしは丸井くんに向かって口を開いた。
「あの、丸井くんって彼女いるの?」
「ん?何でだよぃ」
「さっき電話してたの、彼女さんだよね…?」
よく言った!と自分を褒めつつも、少しだけ後悔した。よかったのかな聞いちゃって。彼女いること知って、落ち込まないはずないもん。どきどきしながらも彼の返事を待っていると、丸井くんは思い出したかのように口を開いた。
「電話?ああ、俺の弟だよ」
「やっぱりそうだよね…って、ええ!?」
「まだちっこいから甘えん坊なんだよなー。可愛いだろぃ?」
「う、うん!可愛い!あと、よかった!」
「よかった?」
「あ、何でもない!」
なーんだ、弟なんだ!それを聞いた瞬間にわたしは笑みを堪えることが出来なくて、自分でも気持ち悪いほどににやにやしていた。すっきりしてから作ったドリンクは自分でもなかなかの出来栄えで、それを飲んだ丸井くんは笑顔でおいしいと言ってくれた。
「たなか、審判交代だ」
「あれ、でも柳くんさっき試合してたよね?休憩は…」
「審判も休憩のようなものだ。お前も水分をしっかり取って休憩していろ」
「あ、ありがとう」
うう、親切が身に染みる…!もちろん四天にも蔵とか千歳とか親切な人材は多いけど、あまりにも謙也や謙也や光や謙也の意地悪さが大きすぎてなんだかこの優しさが懐かしい。わたしはお言葉に甘えて審判をお任せすることにした。わたしはコートを出て水分補給を済ませると、ドリンクを作ろうと思って持ってきておいた粉とどでかい容器を取り出して水飲み場に向かった。水飲み場では近くに丸井くんがいて、思わずどきっとした。だけど、わたしの様子には気付かないみたいで、木に凭れ掛かって誰かと電話をしているようだ。うん、別に立ち聞きしてるわけじゃないない。そう言い聞かせながらも丸井くんとお友達の話の内容が気になって自然と耳を澄ましてしまった。
「俺も早く会いてえよ。もう少し我慢しろよ、な?」
「……はい?」
「おう。うんうん。いい子にしてたらご褒美やるぜぃ」
その内容に思わず間抜けな声を出してしまったが、丸井くんはそれにも気付かないほど電話に夢中らしい。この内容って…この甘ったるい内容って…!どう考えても彼女だよね?丸井くんに彼女がいるかもしれないという危機を全くもって忘れてた。ご褒美って何?もしかしてやっぱり恋人ならではの…!?
「おい。めっちゃ容器から水溢れとるやん」
「えっ、あ」
「しかも粉をどこにぶちまけとんねん」
「あ」
聞き慣れた謙也の声で自分が今何をしていたのかを思い出した。ドリンクの基である粉は一袋分すべて水道場に流してしまい、容器の中からは溜まりすぎた水が溢れ出していた。わたしの様子と近くにいた丸井くんを見て何かを悟ったのか、謙也はふうとため息を吐いた。う、私情を挟みすぎた。いくら気になったからって粉を無駄にしちゃったし水の無駄使いだし。
「…ごめん」
「いや、別にもう見慣れたもんやけど。とりあえず俺ポカリ飲みたいから作って」
「…はい」
それだけ言うと謙也はその場を離れていった。今さらだけどマネージャーとしてあしからぬことをしてしまったと思いしゅんとしていると、さっきまで電話していたはずの丸井くんがすぐそこまで来ていた。動揺するな、わたし。悩むならマネージャーとしての仕事を熟してから!うん。
「お、ドリンク作ってんの?」
「あ、うん」
「偉い偉い。なんかマネージャーっぽいよな」
そう言って無邪気に笑う丸井くんを見ると胸が痛んだ。彼女いたら、やっぱり諦めなきゃいけないよね。まだ合宿も一日目だし、早くに事実を知った方がいいのかも。このままずっともやもやを引きずってると部員のみんなにも迷惑掛けちゃうし。自分にそう言い聞かせると、わたしは丸井くんに向かって口を開いた。
「あの、丸井くんって彼女いるの?」
「ん?何でだよぃ」
「さっき電話してたの、彼女さんだよね…?」
よく言った!と自分を褒めつつも、少しだけ後悔した。よかったのかな聞いちゃって。彼女いること知って、落ち込まないはずないもん。どきどきしながらも彼の返事を待っていると、丸井くんは思い出したかのように口を開いた。
「電話?ああ、俺の弟だよ」
「やっぱりそうだよね…って、ええ!?」
「まだちっこいから甘えん坊なんだよなー。可愛いだろぃ?」
「う、うん!可愛い!あと、よかった!」
「よかった?」
「あ、何でもない!」
なーんだ、弟なんだ!それを聞いた瞬間にわたしは笑みを堪えることが出来なくて、自分でも気持ち悪いほどににやにやしていた。すっきりしてから作ったドリンクは自分でもなかなかの出来栄えで、それを飲んだ丸井くんは笑顔でおいしいと言ってくれた。
