恋模様の花冠
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というわけでもうみんなアップは終わったらしく、今はこれから試合を始めようということになっている。出遅れてきたわたしのことも蔵が改めてちゃんと紹介してくれた。丸井くんと握手をした直後ということもあってテンションがおかしくなっていたわたしの挨拶に、立海のみんなは昨日とはまるで違うといった感じで驚いているように見えた。いや、でも似たようなテンションを去年も披露してるんだから今更驚くも何もないか。
わたしはAコートの審判を任された。審判台に腰をおろしてスコア表に審判名を書くと、話し合いをしている立海と我が校を見遣る。このコートでは誰が試合するんだろうと思っているときにこっちに向かってきたのは謙也…と、丸井くん。その衝撃的な光景に思わず持っていたペンとスコア表を落としかけた。うわうわうわ!無理だって。こうなっちゃったらボールなんか見てられないでしょ、普通。
「よう、審判頼むぜぃ」
「う、うん!丸井くん頑張ってね!」
「おう、さんきゅ」
審判台の上からの声援は失礼かとも思ったけど、勢いで言ってしまった。同じ学校じゃないくせに応援とかしちゃって嫌がられないかなって心配になったけど、丸井くんが笑顔で返事をくれたからそんな心配はすぐどこかにいってしまった。だけど完全に忘れてしまってた謙也が、わたしと丸井くんのムードをぶち壊すかのような恐ろしい顔でわたしを睨んだ。でも丸井くんのシャイニングスマイルの光のせいで謙也がよく見えない。あれ、これ末期?
「ちょ、お前仲間を見捨てんのか!」
「謙也は今まで酷いこと散々言ってきたもんねー」
「そうかそうか。ほんじゃあ酷いついでにあのこと言うたろ」
「な、何よ」
謙也はにやにやしながらわざとらしくわたしと丸井くんを交互に見た。なんか嫌な予感がする。いや、でもどれほど馬鹿な謙也でもさすがにそんな馬鹿なことはしないでしょうよ。偉いでしょ、わたしそこらへんはきちんと部員のことを信じて──
「あんな、丸井。こいつ実はなー、あんなー」
「や、やめろ馬鹿!」
「賑やかだなー」
やっぱり謙也は馬鹿だった。丸井くんは頭に疑問符を浮かべながらも楽しそうにわたしたちを眺めている。いまだに阿保っ面で、言うたろかー、と言わんばかりにわたしを挑発する謙也目掛けてペンのキャップをぶん投げた。あ、しまった。仮にも丸井くんの手前…!わたしの投げたキャップは上手いこと謙也の頭に命中してしまった。わ、当たっちゃった。わたしって結構すごいかも。
「いって!」
「うわ、お前すげえな。そんなとこから当てれるって」
「すごいよね!わたしもまさか当たると思ってなかったからびっくりしちゃったよ」
丸井くんが感心してくれたから、なんだかわたしもうれしくなった。お前ら感心してんな、ボケ!と喚きながらも頭を摩る謙也にごめんなさいと合掌した。そんなこんなでやっと始まった試合は見事丸井くんの圧勝。うう、やばい惚れ直すよ。
「ちょお待てい。圧勝って大きくまとめすぎや」
「だって圧勝じゃん」
「6-3や。圧勝とは言わん…はず」
「じゃあ、微妙に圧勝」
「あーもうええ。圧勝でええ」
片手をぶんぶん振って首に掛けたタオルで汗を拭いながら、謙也はコートから出て行った。あ、もしかして怒っちゃったかな。後でちゃんと謝っておこう。スコア表に色々メモをしていると、丸井くんは審判台の横にあるベンチに座って水分補給をしていた。
「ま、丸井くん、お疲れ様!」
「さんきゅー。なあ、何書いてんの?」
「えっ、あ、これは」
丸井くんは立ち上がると、背伸びをしてわたしの手にするスコア表を覗き込もうとした。結構低めな審判台のため、丸井くんの顔をすぐそこに感じて顔が熱くなった。っていうか、こんなの書いてるの見られたら調子乗ってるって思われちゃうかも。見せてーと無邪気に言う丸井くんに負けてスコア表を手渡すと、紙をじいっと見て眉を下げた。も、もしかして怒っちゃった…?
「ここ、どういうこと?」
「あ、あのね、丸井くん、40-0で順調にいっても、そこで絶対点取られちゃってたの」
「…えっと、つまり」
「無意識に気抜いちゃってるんじゃないかな、って…」
そこまで言うと、丸井くんはぴたっと固まってしまった。丸井くんの次の反応にどきどきと緊張していると、次の瞬間には思ってもみなかった丸井くんの笑顔。謎が解けたとでもいうようになるほどなー!と何度も繰り返していた。
「お前すげえよく見てんな!俺自分でも気付かなかったぜぃ」
「ご、ごめんね、他校のくせに指摘しちゃって」
「何で謝んの?俺今素直にうれしいんだけど」
きょとんとした丸井くんにわたしは心底ほっとした。我ながら気遣いすぎだな。人を好きになることってあんまりなかったから、どこまで深入りしていいのか分からなくなる。こういうのは意外と苦手なんです、ほんと。ちょっとした失敗で嫌われたくないし。
「つーか今他校とか関係ねえだろぃ。さんきゅーな、はな!」
「うん、どういたしま…」
最後まで言葉を紡ぐ前に思考回路が一度ぴたりと止まった。え、今丸井くんわたしの名前呼んだ?え、ええ?と一人混乱する中、丸井くんは嬉しそうにコートから出て行ったのだった。今なら空も飛べそうな気がする。
わたしはAコートの審判を任された。審判台に腰をおろしてスコア表に審判名を書くと、話し合いをしている立海と我が校を見遣る。このコートでは誰が試合するんだろうと思っているときにこっちに向かってきたのは謙也…と、丸井くん。その衝撃的な光景に思わず持っていたペンとスコア表を落としかけた。うわうわうわ!無理だって。こうなっちゃったらボールなんか見てられないでしょ、普通。
「よう、審判頼むぜぃ」
「う、うん!丸井くん頑張ってね!」
「おう、さんきゅ」
審判台の上からの声援は失礼かとも思ったけど、勢いで言ってしまった。同じ学校じゃないくせに応援とかしちゃって嫌がられないかなって心配になったけど、丸井くんが笑顔で返事をくれたからそんな心配はすぐどこかにいってしまった。だけど完全に忘れてしまってた謙也が、わたしと丸井くんのムードをぶち壊すかのような恐ろしい顔でわたしを睨んだ。でも丸井くんのシャイニングスマイルの光のせいで謙也がよく見えない。あれ、これ末期?
「ちょ、お前仲間を見捨てんのか!」
「謙也は今まで酷いこと散々言ってきたもんねー」
「そうかそうか。ほんじゃあ酷いついでにあのこと言うたろ」
「な、何よ」
謙也はにやにやしながらわざとらしくわたしと丸井くんを交互に見た。なんか嫌な予感がする。いや、でもどれほど馬鹿な謙也でもさすがにそんな馬鹿なことはしないでしょうよ。偉いでしょ、わたしそこらへんはきちんと部員のことを信じて──
「あんな、丸井。こいつ実はなー、あんなー」
「や、やめろ馬鹿!」
「賑やかだなー」
やっぱり謙也は馬鹿だった。丸井くんは頭に疑問符を浮かべながらも楽しそうにわたしたちを眺めている。いまだに阿保っ面で、言うたろかー、と言わんばかりにわたしを挑発する謙也目掛けてペンのキャップをぶん投げた。あ、しまった。仮にも丸井くんの手前…!わたしの投げたキャップは上手いこと謙也の頭に命中してしまった。わ、当たっちゃった。わたしって結構すごいかも。
「いって!」
「うわ、お前すげえな。そんなとこから当てれるって」
「すごいよね!わたしもまさか当たると思ってなかったからびっくりしちゃったよ」
丸井くんが感心してくれたから、なんだかわたしもうれしくなった。お前ら感心してんな、ボケ!と喚きながらも頭を摩る謙也にごめんなさいと合掌した。そんなこんなでやっと始まった試合は見事丸井くんの圧勝。うう、やばい惚れ直すよ。
「ちょお待てい。圧勝って大きくまとめすぎや」
「だって圧勝じゃん」
「6-3や。圧勝とは言わん…はず」
「じゃあ、微妙に圧勝」
「あーもうええ。圧勝でええ」
片手をぶんぶん振って首に掛けたタオルで汗を拭いながら、謙也はコートから出て行った。あ、もしかして怒っちゃったかな。後でちゃんと謝っておこう。スコア表に色々メモをしていると、丸井くんは審判台の横にあるベンチに座って水分補給をしていた。
「ま、丸井くん、お疲れ様!」
「さんきゅー。なあ、何書いてんの?」
「えっ、あ、これは」
丸井くんは立ち上がると、背伸びをしてわたしの手にするスコア表を覗き込もうとした。結構低めな審判台のため、丸井くんの顔をすぐそこに感じて顔が熱くなった。っていうか、こんなの書いてるの見られたら調子乗ってるって思われちゃうかも。見せてーと無邪気に言う丸井くんに負けてスコア表を手渡すと、紙をじいっと見て眉を下げた。も、もしかして怒っちゃった…?
「ここ、どういうこと?」
「あ、あのね、丸井くん、40-0で順調にいっても、そこで絶対点取られちゃってたの」
「…えっと、つまり」
「無意識に気抜いちゃってるんじゃないかな、って…」
そこまで言うと、丸井くんはぴたっと固まってしまった。丸井くんの次の反応にどきどきと緊張していると、次の瞬間には思ってもみなかった丸井くんの笑顔。謎が解けたとでもいうようになるほどなー!と何度も繰り返していた。
「お前すげえよく見てんな!俺自分でも気付かなかったぜぃ」
「ご、ごめんね、他校のくせに指摘しちゃって」
「何で謝んの?俺今素直にうれしいんだけど」
きょとんとした丸井くんにわたしは心底ほっとした。我ながら気遣いすぎだな。人を好きになることってあんまりなかったから、どこまで深入りしていいのか分からなくなる。こういうのは意外と苦手なんです、ほんと。ちょっとした失敗で嫌われたくないし。
「つーか今他校とか関係ねえだろぃ。さんきゅーな、はな!」
「うん、どういたしま…」
最後まで言葉を紡ぐ前に思考回路が一度ぴたりと止まった。え、今丸井くんわたしの名前呼んだ?え、ええ?と一人混乱する中、丸井くんは嬉しそうにコートから出て行ったのだった。今なら空も飛べそうな気がする。
