沫系
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「うわ、雨降ってる」
「私置き傘あるかも。ちょっと教室行ってくるね」
机の中の折りたたみ傘を取りに行こうと、みんなが帰ろうとする流れに逆らって階段を駆け上がった。誰もいない静かな廊下を小走りしていると、今朝のことが鼻先を擽った。あまりにもリアルにブン太と女子たちの面影が目に浮かぶ。ぶんぶんと頭を振って、いつのまにか止まっていた足を教室へと早めた。
「あ、あった」
よかった、と胸を撫で下ろしていると、ドアの方から、がた、と音が聞こえた。反射的にぱっとそっちへ視線を向けると、ユニフォーム姿のブン太が立っていた。一瞬驚いて言葉を失ったけれど、ブン太は何事もないかのように自分の机へと向かった。ブン太も忘れ物だったらしく、下で待っている友達の方へ向かおうと机から離れた。ずっとこの場にいると、息苦しくてたまらないと思ったから。
「もう次かよ」
教室から出ようとドアに手を掛けたところで、静かな部屋にぽつりと聞こえた声に思わず足がすくんだ。
「…な、にが」
思わず声が震えた。まさか声を掛けられるなんて想像もしていなかった、から。どこかで期待していたのかもしれないと言う気持ちを振り払って、そっとブン太を振り返った。彼は手を掛けた椅子に目線を向けたままぼそりとつぶやいた。
「しかも相手が赤也って、…何のいやがらせだよ?」
ぷつんとなにかが切れた気がした。赤也くんとは最近仲が良くなったけれど、そんな仲ではないしブン太にそんなことを言われる筋合いはない。私は毎日ブン太のことを忘れられなくてずっと悩んでる、っていうのに。
「そんなつもりない!ブン太だって今日女の子たちと…っ」
「それはあいつらが勝手に寄ってくるだけだろぃ」
久しぶりにした会話がこんなのだったって仁王に言ったら、呆れられるかな。それとも笑われるのかな。別れて正解だ、って。付き合ってたときもそうだった。好きで好きでどうしようもないのに、いつもその気持ちよりも「辛い」方が勝っていて。静まり返った教室には、外から下校中の生徒の楽しそうな声が聞こえた。
「…悪い、言い過ぎた」
「わ、たしも…」
なんで、私も彼も、謝ったんだろう。もう別れたんだから仲直りする必要なんてすこしもないのに。
ばいばい、あの頃のわたし達
あるはずのないあなたとの未来に、私は期待したりなんかしない
「私置き傘あるかも。ちょっと教室行ってくるね」
机の中の折りたたみ傘を取りに行こうと、みんなが帰ろうとする流れに逆らって階段を駆け上がった。誰もいない静かな廊下を小走りしていると、今朝のことが鼻先を擽った。あまりにもリアルにブン太と女子たちの面影が目に浮かぶ。ぶんぶんと頭を振って、いつのまにか止まっていた足を教室へと早めた。
「あ、あった」
よかった、と胸を撫で下ろしていると、ドアの方から、がた、と音が聞こえた。反射的にぱっとそっちへ視線を向けると、ユニフォーム姿のブン太が立っていた。一瞬驚いて言葉を失ったけれど、ブン太は何事もないかのように自分の机へと向かった。ブン太も忘れ物だったらしく、下で待っている友達の方へ向かおうと机から離れた。ずっとこの場にいると、息苦しくてたまらないと思ったから。
「もう次かよ」
教室から出ようとドアに手を掛けたところで、静かな部屋にぽつりと聞こえた声に思わず足がすくんだ。
「…な、にが」
思わず声が震えた。まさか声を掛けられるなんて想像もしていなかった、から。どこかで期待していたのかもしれないと言う気持ちを振り払って、そっとブン太を振り返った。彼は手を掛けた椅子に目線を向けたままぼそりとつぶやいた。
「しかも相手が赤也って、…何のいやがらせだよ?」
ぷつんとなにかが切れた気がした。赤也くんとは最近仲が良くなったけれど、そんな仲ではないしブン太にそんなことを言われる筋合いはない。私は毎日ブン太のことを忘れられなくてずっと悩んでる、っていうのに。
「そんなつもりない!ブン太だって今日女の子たちと…っ」
「それはあいつらが勝手に寄ってくるだけだろぃ」
久しぶりにした会話がこんなのだったって仁王に言ったら、呆れられるかな。それとも笑われるのかな。別れて正解だ、って。付き合ってたときもそうだった。好きで好きでどうしようもないのに、いつもその気持ちよりも「辛い」方が勝っていて。静まり返った教室には、外から下校中の生徒の楽しそうな声が聞こえた。
「…悪い、言い過ぎた」
「わ、たしも…」
なんで、私も彼も、謝ったんだろう。もう別れたんだから仲直りする必要なんてすこしもないのに。
ばいばい、あの頃のわたし達
あるはずのないあなたとの未来に、私は期待したりなんかしない
