沫系
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教室から聞こえる彼の声は、いつも私の全神経をいとも簡単に奪ってしまった。
「丸井、ほら!これさっき食堂で見つけたの」
「うわ、これ新発売のやつじゃねえ?すげえうまそー」
「そう!丸井にあげる」
朝は苦手。まだまだ眠たくて脳が働かないというのに、彼の名前とか声とか、耳に入ると眠気なんか吹っ飛んでしまう。今、だって。自分の教室に向かって廊下を歩いて、ブン太の声が聞こえて反射的に顔をあげて、結果的には落ち込んでしまう。女の子に囲まれてるところなんて、付き合う前のころから見慣れていたはずなのに。思いっきり下を向いて少し風を感じるほどに素早くブン太たちの横を通り過ぎた。その勢いのまま教室のドアを開けて机に向かうと、りなちゃんがわたしに手を振ってくれた。そっか、わたしには今、ブン太が足りないんだ。ブン太にはたくさん女の子がいるけど、私にはブン太しかいないんだ、って知らされた気がした。
「ちょっと、ジュース買ってくる」
「ん、行ってらっしゃい」
複数の女の子と教室でお昼ご飯を取っているものの、なかなかご飯が喉を通らなかった。同じ教室にブン太がいる、それだけで今の私にはいっぱいいっぱいだった。何気なく教室に居づらくなって、変な口実で逃げだした。自動販売機がある一階に向かって階段を駆け降りたところで、人にぶつかりそうになって足をぴたりと止めた。
「あ、ごめんなさ…」
「あれ、はな先輩?」
「あ、赤也くん!それって…」
私が彼の肩にかけられた大きなバッグを指差すと、赤也くんはいつも通り嬉しそうににかっと笑った。
「ラケットっス!今ちょっと練習してたんスけど…、先輩こそ、友達は?」
「昼休みまですごいね!私はちょっとジュース買いに来ただけだから」
「じゃあ俺も行くっス」
「時間は大丈夫?」
「はい!」
二人で自動販売機を前にすると、赤也くんはポケットから財布を取り出した。私も同じように財布からお金を取り出そうとすると、その動作は赤也くんの掌によって制止させられた。
「俺が払うっス」
「え、私が払うよ。先輩なんだから」
「先輩である前に女の人なんスから。ちょっとかっこつけさせて下さいよ、ね?」
「あ、ありがとう」
正直、すこしびっくりした。赤也くんがいつも以上に男の子らしく見えたから。それに、赤也くんて小柄なのに手は普通の男の子と同じか、それ以上の大きさで、豆が出来ているそれはごつごつしていて。先輩だから、とか、そんな上からの言葉は彼にとっては必要ないものなのかもしれない。
すきなんかじゃない
なぜかわからないけど、ブン太と初めて手をつないだ日のことを思い出した
「丸井、ほら!これさっき食堂で見つけたの」
「うわ、これ新発売のやつじゃねえ?すげえうまそー」
「そう!丸井にあげる」
朝は苦手。まだまだ眠たくて脳が働かないというのに、彼の名前とか声とか、耳に入ると眠気なんか吹っ飛んでしまう。今、だって。自分の教室に向かって廊下を歩いて、ブン太の声が聞こえて反射的に顔をあげて、結果的には落ち込んでしまう。女の子に囲まれてるところなんて、付き合う前のころから見慣れていたはずなのに。思いっきり下を向いて少し風を感じるほどに素早くブン太たちの横を通り過ぎた。その勢いのまま教室のドアを開けて机に向かうと、りなちゃんがわたしに手を振ってくれた。そっか、わたしには今、ブン太が足りないんだ。ブン太にはたくさん女の子がいるけど、私にはブン太しかいないんだ、って知らされた気がした。
「ちょっと、ジュース買ってくる」
「ん、行ってらっしゃい」
複数の女の子と教室でお昼ご飯を取っているものの、なかなかご飯が喉を通らなかった。同じ教室にブン太がいる、それだけで今の私にはいっぱいいっぱいだった。何気なく教室に居づらくなって、変な口実で逃げだした。自動販売機がある一階に向かって階段を駆け降りたところで、人にぶつかりそうになって足をぴたりと止めた。
「あ、ごめんなさ…」
「あれ、はな先輩?」
「あ、赤也くん!それって…」
私が彼の肩にかけられた大きなバッグを指差すと、赤也くんはいつも通り嬉しそうににかっと笑った。
「ラケットっス!今ちょっと練習してたんスけど…、先輩こそ、友達は?」
「昼休みまですごいね!私はちょっとジュース買いに来ただけだから」
「じゃあ俺も行くっス」
「時間は大丈夫?」
「はい!」
二人で自動販売機を前にすると、赤也くんはポケットから財布を取り出した。私も同じように財布からお金を取り出そうとすると、その動作は赤也くんの掌によって制止させられた。
「俺が払うっス」
「え、私が払うよ。先輩なんだから」
「先輩である前に女の人なんスから。ちょっとかっこつけさせて下さいよ、ね?」
「あ、ありがとう」
正直、すこしびっくりした。赤也くんがいつも以上に男の子らしく見えたから。それに、赤也くんて小柄なのに手は普通の男の子と同じか、それ以上の大きさで、豆が出来ているそれはごつごつしていて。先輩だから、とか、そんな上からの言葉は彼にとっては必要ないものなのかもしれない。
すきなんかじゃない
なぜかわからないけど、ブン太と初めて手をつないだ日のことを思い出した
